日銀短観、大企業製造業は2四半期連続で悪化
日銀が1日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の3月調査から5ポイント悪化し、プラス9となった。2四半期連続で悪化した。
業種別で悪化を示していたのは、木材・木製品や鉄鋼、はん用機械、繊維など。原材料コストの高止まりに加え、中国のロックダウンによる供給制約の強まりが景況感を押し下げた。
製造業の先行きについては、大企業がやや回復を示すものの、中堅企業や中小企業はさらなる悪化を予測していた。
これに対して非製造業は、大企業が4ポイント改善し、プラス13ポイントとなっていた。2期ぶりの改善となる。
対個人サービスや宿泊・飲食サービスなどが大きく改善を示していた。3月下旬にまん延防止等重点措置が解除されたことで改善した。
気になるのは事業計画の前提となっている想定為替レートである。2022年度の想定レートはドル円が118円96銭、ユーロ円が131円60銭となっていた。
7月1日現在、ドル円は136円近辺、ユーロ円は142円台と大きく乖離している。一部輸出企業にとって想定外の円安はプラス要因となろうが、多くの企業にとって円安による物価上昇はマイナス要因となろう。
日経平均と大企業製材業DIは方向性が重なることが多い。その意味では当面の日経平均株価は引き続きダウントレンドの可能性が高いとみられる。