日本とトルコと中国の金融政策の共通点
中国人民銀行は4月15日に預金準備率を今月25日から0.25%引き下げると発表した。引き下げは去年12月以来となる。また、農村部の金融機関などは0.5%引き下げるとしている。さらに預金準備率も引き下げた。
上海で厳しい外出制限がとられるなど、国内各地で新型コロナウイルスの感染が広がり、経済が打撃を受けるなか、中小・零細企業を中心に資金繰りを下支えするねらいがあるという。
中国国家統計局は4月11日に3月の消費者物価指数が前年同月比で1.5%上昇したと発表した。また同日には3月の生産者物価指数も発表され、前年比8.3%上昇となった。伸び率は前月の8.8%から鈍化したが高水準にある。
トルコ中央銀行は4月14日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利であるところの 1週間物レポ金利を年14%での据え置きを決めた。据え置きは4会合連続となる。トルコの消費者物価指数上昇率は前年同月比61%にも達するが、金融緩和による景気浮揚を優先するエルドアン政権の意向に沿った格好となる。
10年債利回りが0.25%に接近したことで、3月28日に日銀は二度の指し値オペをオファーした。しかし、それでも足りないとみてか、29日から31日にかけ連続指し値オペを実施。そして4月以降の国債買い入れは買い入れ規模を増額した。これらは量的緩和の強化にほかならない。
日銀の黒田総裁は4月13日の信託大会でのあいさつで、「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」との見解を示した。18日には円安に対して「より注意して見ていく必要がある」と語ったものの、金融政策については2%目標の実現を目指して緩和を続けることが適当との考えを改めて示した。
ということで欧米や韓国などが利上げの向けた姿勢を強めるなかにあり、中国とトルコ、そして日本は金融緩和の姿勢を維持、もしくはそれを強めているのである。