5日にバイデン米政権のファウチ首席医療顧問が、新型コロナウイルスのオミクロン型について、感染者の重症化の度合いはそれほど高くないようだとの見方を示した。

 これを受けて、6日の米国市場ではリスク回避の巻き戻しの動きとなり、米債は大きく売られ、米10年債利回りは1.44%と3日の1.34%から上昇した。米国株式市場では景気敏感株を中心に買い戻され、ダウ平均は反発し646ドル高、ナスダックは139ポイント高となった。原油先物は大幅反発となり、WTI先物1月限は3.23ドル高の69.49ドルに。

 7日にファウチ首席医療顧問は、オミクロン型について、初期のデータに基づくと感染力は強いものの、毒性は低い可能性があると述べた。英製薬グラクソ・スミスクラインが7日、開発中のコロナ抗体治療薬が、臨床前段階でオミクロン型に有効性を示したと発表。

 これらを受けて7日の米国市場では、リスク回避の巻き戻しの動きが加速した格好となり、米10年債利回りは1.48%に上昇した。米国株式市場では、景気敏感株や主力ハイテク株が買われ、ダウ平均は続伸し492ドル高、ナスダックは461ポイント高と大幅続伸。原油先物も大幅続伸となり、WTI先物1月限は2.56ドル高の72.05ドルとなった。

 そして、8日に製薬のファイザーは独ビオンテックと共同開発したコロナワクチンについて、3回接種がオミクロン型に対しても高い予防効果を持つとの初期の調査結果を発表した。これを受けて米10年債は3日続落となり、米10年債利回りは1.52%と前日の1.48%から上昇した。この日のダウ平均は続伸し35ドル高、ナスダックは100ポイント高となった。原油先物も続伸となり、WTI先物1月限は31セント高の72.36ドルに。

 米国市場ではオミクロン型とともにパウエル議長発言も株安要因となっていた。11月30日にFRBのパウエル議長は30日の議会証言でテーパリングを2~3か月早く終えるのを検討することが適切だと述べ、物価上昇要因に関し、一時的との文言を撤回する時期に来ていると述べた。これを受けて金融政策の正常化が想定より早く進むとの見方が強まって、米国株が売られた。

 これについてはすでに織り込み済みとの認識で米株は買われたとの見方があった。利上げを含めてどこまで織り込まれているのかは判断しかねる。

 11月8日あたりをピークに米国株式市場は調整局面入りしており、そこにオミクロン型が加わって下げが加速した。その間にチャートなどを意識した先物などのデリバティブのショート(空売り)が下げを加速させた。

 12月6日から8日にかけての反発はそういったショートの買い戻しが原動力となっていたものとみられる。

 昨年のコロナ禍での大きなショック後の金融市場の回復状況をみても、今回はその経験も生かされてパニック的な動きは一時的なものに収まる可能性があるとみていた。

 依然として不透明感は残るものの、今回のショートカバーの動きをみても、やはり一時的なショックに止まる可能性がある。FRBの利上げ観測についても、経済の正常化による物価上昇が要因となるとすれば、景気は回復基調、それを阻害しかねない物価上昇を抑制するための利上げを、市場はむしろ好感しても良いはずである。