日銀審議委員に野村アセットの中川順子氏を指名
政府は9日、日本銀行審議委員の候補に野村アセットマネジメント最高経営責任者(CEO)兼社長の中川順子氏を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示した。任期は5年。6月29日に任期満了の政井貴子審議委員の後任となる。両院で与党が多数を占めており、政府案が可決される見通しだ(ブルームバーグ)。
今月31日に任期が満了する桜井真審議委員の後任には、専修大学教授の野口旭氏の就任が決まっている。野口氏はバリバリのリフレ派とされ、若田部昌澄副総裁、片岡剛士、安達誠司の両審議委員とともに、政策委員9人のうち4人をリフレ派が占めることになる。
さらにリフレ派が増えると過半数を占めることになる。さすがにそれは避けてほしいところであったが、少なくとも中川順子氏は金融政策には中立的な立場のようでひと安心となった。
新日銀法での審議委員人事は、枠にとらわれずに任命されるとしながらも、今回は市場枠とともに女性枠が意識されての人事案かと思われる。それでも政策委員にかろうじて女性が一人というのはどうであろうか。
米国の現在の財務長官はFRB議長も務めた女性であり、現在のECB総裁も女性である。日本の中央銀行でも、もう少し本格的に女性の活用が必要なのではないかと思われる。
とにもかくにも、今回の人事について、ある方の表現を借りると「普通の話を普通にすることが出来て、普通の判断を下していただける方が普通の論議をしていただける」のであれば、これに超したことはない。
しかも野村アセットマネジメント最高経営責任者ということでかなり優秀な方であることも確かであり、日銀は今後、出口に向けた舵取りを行う際にも必要な人材となりうるのではないかと思われる。