円高にもかかわらず、日経平均は約29年ぶりの高値に
6日の東京株式市場では日経平均株価は続伸し、2018年10月2日の引け値の24270円を上回り、引け値で1991年11月以来約29年ぶりの高値を更新した。
5日の米国株式市場ではハイテク株を主体に買われ、ダウ平均株価は4日続伸となって542ドル高、ナスダックも300ポイントの上昇となっていた。米議会上院で共和党が多数派を維持する見通しとなり、民主党が主張してきたハイテク企業への規制強化が過度に進まないとの見方から、買われたとの見方があった。過去に大統領選挙後の米国株式市場は上昇しやすいというアノマリー(相場での経験則)もあり、これも投資家心理に働きかけた可能性がある。
この米国株式市場の上昇を背景に、6日の東京株式市場も上昇し、バブル崩壊後の高値を更新した。
しかし、外為市場をみるとドル円は節目とされた104円を割り込んでいる。円高に反応しにくくなったとはいえ、相反する動きのようにみえなくもない。
この円高というかドル安の背景としては、米大統領選挙でバイデン氏の勝利の可能性が強まったからとの見方もある。ただし、そうなると株高で反応して良いのかという疑問も残る。
これに対して、議会のねじれが解消しないことになりそうで、バイデン氏が増税政策などが取りにくくなるとの見方もある。
大きなイベントが何はともあれ終了し、株式市場には買い戻しや、買い控えしていた人の買いも入りやすかったのかもしれない。
しかし、米大統領選挙の行方は、これを書いている7日朝の時点でもはっきりしていない。バイデン氏が有利な状態と言われるが、これに対してトランプ大統領は記者会見を開き、持論を展開し、一方的に勝利を宣言していた。
トランプ大統領が負ければ、今後の米国の先行きの不透明感がある程度払拭する可能性がある。バイデン氏の政策というより、やや異端な政策を打ち出すトランプ氏への懸念はやはり強い。それが多少なりとも払拭されるだけでも、不安要素が後退するということもあるのかもしれない。
東京株式市場は米国株式市場などに比べて出遅れ感も強かった。それでもバブル崩壊後の高値を更新した。しかし、世界的な新型コロナウイルスの感染は止まるどころか、拡大しつつある。欧州での部分的なロックダウンも再開しているところがある。実体経済と株価の乖離も気になるところではある。