メガバンク主導のモバイル決済の規格統一でキャッシュレス化が進むか

(写真:ロイター/アフロ)

 三菱東京UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行が、スマートフォンなどで手軽に支払いができるQRコード決済で規格を統一し、連携する方針を固めたことがわかったと27日にNHKニュースが伝えた。

 スマートフォンのタッチ機能でカード決済を行うモバイル決済は、キャッシュレス化を推進する決済手段として注目されている。中国ではQRコードを使ったモバイル決済「アリペイ」などが急速に普及している。

 QRコードを使ったモバイル決済とは、アプリを利用してユーザーのスマホに表示されたバーコードを店舗の端末で読み取るか、店舗のQRコードをユーザーが読み取って金額を入力するシステムとなる。店が発行するQRコードをスマホで読み取れば、電子マネーや預金口座にあるお金から引き落とされる。

 これまでこれら銀行を含めて別々に開発されていたようだが、メガバンク3行が連携するとなれば、規格が乱立する事態を回避することも可能となる。

 スウェーデンでは、複数の有力銀行が共同で開発し、2012年に運営を開始されたスウィッシュを国民の半数以上が使っているとされる。これは携帯番号と銀行口座が紐付けされ、店での支払いや個人間のお金のやりとりが瞬時にできる。

 もし日本で各銀行がバラバラにモバイル決済を導入するとなれば、小売店側の対応も銀行毎に必要となってしまう。このためスウェーデンのように大手行などが共同で開発して単一のモバイル決済の仕組みを作れば、日本でもモバイル決済が急速に普及する可能性がある。

 日本では高額紙幣の廃止論議なども出ていたが、現金の使い勝手が良すぎる面もあって、キャッシュレス化は進んでいなかった。ただし、高額紙幣廃止云々ではなくモバイル決済を利用したキャッシュレス化に関しては、SuicaなどJRのカードやnanacoなどのコンビニのカードを使うことで、普及はしている。しかし、中国などに比べると普及が進んでいなかったのは銀行と紐付けされて、どこでも使える便利で統一されたシステムがなかったためともいえる。

 日本でも当然ながらスマートフォンの普及は進んでおり、電子決済も普及はしているが、決済方式がバラバラで、単一のシステムがない分、現金に置き換わるほどのものではなかった。しかし、そこに大手行が統一した支払いシステムを投じるとなれば、モバイル決済が急速に普及する可能性はある。日本人の現金主義がこれで大きく修正されることはないかもしれないが、今回のメガバンクの共同システムが誕生すれば、若い世代を中心にスマートフォン決済が主流になる時代が来るかもしれない。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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