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2016年のFOMCメンバー

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

2016年の金融市場を取り巻くテーマのひとつが、FRBの利上げのペースとなる。その金融政策を決定するのがFOMCであるが、年が変わると投票権を持つメンバーの一部が変更される。そのメンバーの変更を含め、今年のFOMCについて確認しておきたい。

金融調節などの公開市場操作の基本方針は年に8回、ワシントンの理事会会議室で開催される最高意思決定機関である連邦公開市場員会(FOMC)において決定される。2016年のFOMCの開催スケジュールは1月26~27日、3月15~16日、4月26~27日、6月14~15日、7月26~27日、9月20~21日、11月1~2日、12月13~14日の予定。イエレン議長の記者会見は3月、6月、9月、12月の会合後に予定されている。

FOMCの投票権のあるメンバーは理事会から7名の理事全員と、地区連銀から5名の地区連邦銀行総裁の合計12名によって構成される。現在のFRB理事の布陣は、ジャネット・イエレン議長、スタンレー・フィッシャー副議長、ダニエル・タルーロ理事、ジェローム・パウエル理事、ラエル・ブレイナード理事の5名である。FRBの理事会は本来、7人の理事で構成されるが現在空席が2つある。

地区連銀の投票権のあるメンバーについては、ニューヨーク連銀のダドリー総裁だけが理事と同様に常に投票権を有するが、ほかの連銀総裁は年ごとに交代制となる。2016年の投票権を有する連銀メンバーは、セントルイス連銀のブラード総裁、カンザスシティ連銀のジョージ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、ボストン連銀総裁のローゼングレン総裁。

金融政策の決定において、タカ派とハト派のバランスなどが注目されることがあるが、それを意識するよりは、イエレン議長やフィッシャー副議長がどのようにスタンスで利上げに臨むのかとなる。つまり景気・物価動向をみながらFOMC毎に政策変更の有無を多数決で決めるというよりも、ペース配分をあらかじめ決めて、年2回なり4回なりを議長会見のあるFOMCで決定するのではないかと予想為れる。そうであれば3月のFOMCで利上げがあるかどうかが、今後の利上げのペース配分を読むための参考になると思われる。個人的には年4回よりも年2回程度に抑えてくるのではないかと予想している。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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