OPEC政策調整の遅れにじれ始めた原油相場

(ペイレスイメージズ/アフロ)

原油相場の値下がり傾向が強くなっている。NYMEX原油先物相場は、10月19日の1バレル=52.22ドルをピークに、11月1日終値では46.67ドルまで値下がりしている。安値は46.20ドルであり、9月28日以来となる約1か月ぶりの安値が更新されている。

【NYMEX原油先物相場】

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(出所:CME)

9月28日にOPECが実質的な協調減産で合意して以降、原油相場は急伸地合を形成していた。OPECが臨時総会(当初は非公式会合)を開催する前日の27日終値が44.67ドルだったのに対して、最大で7.55ドルの上昇幅が記録されている。しかし、こうしたOPECの実質減産方針を受けての買い圧力は息切れしており、OPEC臨時総会前の値位置への回帰するリスクが現実化し始めている。

直接的なきっかけは、10月28~29日に開催されたOPECハイレベル協議において、政策調整についての議論に特段の進展がみられなかったことである。

OPECは日量3,250万から3,300万バレルの産油量ターゲットを導入することで合意したが、その段階ではこの数値を実現するための具体的な協議は行われていなかった。あくまでも「総論」としてOPECが政策調整を行うことで合意したものの、具体的にOPEC加盟国のそれぞれがどの程度の産油量に調整するのかという「各論」については協議が先送りされている。

こうした中、その「総論」と「各論」の橋渡しを行うのがOPECハイレベル協議であり、第一回が10月28~29日に開催されたが、具体的な成果が得られなかったことが、マーケットの失望を招いている訳だ。

OPECは政策調整の必要性で意見の一致をみていることを再確認しているが、各国の生産割当を巡る議論は進まなかった。どの国がどれだけの産油量を目指すことで、OPEC全体の産油量ターゲットを実現するのか、合意が形成できなかった。公式な発表は行われていないが、イランが引き続き増産方針を崩していないことが、OPECの合意形成を阻害している模様だ。また、今回はOPEC非加盟国からも6か国が協議に参加しているが、期待されていた協調減産などについて踏み込んだ動きは見られなかった。

OPECは11月30日のOPEC定例総会で最終合意を目指して調整を継続しており、11月25日には第二回ハイレベル協議が予定されている。ここにきての原油相場急落は、OPECに政策調整を急ぐことを促すマーケットの警告とも評価することができそうだ。