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NY金17日:FOMCを受けて売り安心感、1,050ドル割れの急反落に

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金2月限 前日比27.20ドル安

始値 1,072.20ドル

高値 1,072.70ドル

安値 1,046.80ドル

終値 1,049.60ドル

前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の為替相場がドル高方向に振れたことが嫌気され、急反落した。

アジアタイムは1,060ドル台中盤までの下げに留まっていたが、ニューヨークタイム入り後に投機筋の売りが膨らみ、一気に1,050ドル台を割り込む急落になった。その後は同水準で下げ一服となったが、特に戻りを試すような動きもみられず、1,050ドルを挟んでの揉み合いになった。

FOMCでは予想通りに0.25%の利上げが実施されたが、これでドル買い・金売り材料は出尽くしたと評価されることは回避されている。逆にFOMC参加者から来年に4度の利上げ見通しが示されたことが、改めて米金融政策の正常化プロセス入りに対する警戒感を高めている。

FOMCについては全体的にサプライズ感は乏しい内容になっているが、米金融政策の正常化プロセス入りが確認される中、ドルは買いで反応している。なおドル買い・金売り材料の出尽くしとの評価が広がるリスクには注意が必要だが、一つの大きなイベントをネガティブ評価で消化した可能性が高くなっている。

改めて1,050ドルの節目も下抜く中、年初来安値1,045.40ドル割れも目前に迫っており、あとはクリスマス休暇に向けてどこまで下値を切り下げることが可能かが打診されることになる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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