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NY金11日:人民元切り下げの影響は限定的も、ドル安で小幅続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金8月限 前日比3.70ドル高

始値 1,103.60ドル

高値 1,118.50ドル

安値 1,093.20ドル

終値 1,107.50ドル

為替相場がドル安方向に振れたことが材料視され、小幅続伸した。

中国人民銀行(中央銀行)が人民元の大幅な切り下げに踏み切ったことを受けて、ドルはやや軟化傾向を見せている。中国が通貨安政策に舵を切った可能性が高まる中、更なるドル高を引き起こしかねない米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手を疑問視するムードが広がった結果である。人民元のみならず新興国通貨も軒並み下落する中、FRBの利上げ着手のハードルが高まったことは否めず、当初は買いで反応していたドル相場も、欧米タイムは軟化している。こうした動きを受けて、ドル建て金相場も総じて底固く推移し、1,100ドル台を維持して引けている。

もっともこうした中国の動きは商品市況全体の急落を促していることで、金相場を一段と押し上げるまでのエネルギーはみられなかった。CRB商品指数は前日比-3.14の199.31ポイントと前日の急伸から一転して急落しており、商品市況全体の上値の重さがコモディティとしての金価格の上値も圧迫している。

人民元切り下げを基点に国際金融市場が不安定化していることは金市場にポジティブだが、FRBの利上げ着手を阻害するレベルの混乱状況に発展しないのであれば、一時的な戻り圧力との理解で十分だろう。改めて売り込むには良好な経済統計やタカ派の当局者発言などが要求されるが、ダウントレンドの基調そのものの転換までは想定していない。当面の上値抵抗線は1,120~1,125ドルとなる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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