MSとグーグルの「口撃」激化、アップルは「HomePod」初代モデル販売終了
今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで
[1]MSとグーグル、互いの商慣行巡り「口撃」激化
米マイクロソフト(MS)と米グーグルが、互いの商慣行を非難し合っていると、米CNBCや米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが3月12日に報じた。
マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、下院司法委員会の反トラスト小委員会公聴会での証言で、「グーグルは報道機関を自社サービスに依存させる一方、ニュース記事を使って利用者をつなぎとめ、利益を吸い上げている」と批判した。
2005年に494億ドル(約5兆3900億円)あった新聞広告収入は18年に143億ドル(約1兆5600億円)に激減した。これに対し、グーグルの広告収入は同じ期間に61億ドル(約6700億円)から1160億ドル(約12兆6600億円)に増えたと指摘。「これは単なる偶然ではない」と述べた。
グーグルは反論している。
国際問題担当のケント・ウォーカー上級副社長は「グーグルとマイクロソフトはクラウドサービスや生産性アプリ、ビデオ会議、電子メールなどの分野で競合している。競争が激化する中、マイクロソフトは20年前と同じ手法で競合を攻撃している」とし、「マイクロソフトの主張は利己的で、オープンな規格のウェブを破壊しようとしている。当社と報道機関の関係に関する同社の主張は明らかに間違っている」と述べた。
[2]アップル、AIスピーカー「HomePod」初代モデルの販売終了へ
米アップルがAI(人工知能)スピーカー「HomePod(ホームポッド)」の初代モデルの販売を終了すると、米CNBCが3月12日に報じた。
実店舗やオンラインストアでの在庫がなくなり次第、終了する。ソフトウエアアップデートなどのサービスとサポートは継続するとしている。今後は2020年11月に発売した小型モデル「HomePod mini」に注力するという。
同社は初代モデルを18年に発売した。高音質で定評があったものの、349ドルと価格が高く米アマゾン・ドット・コムの「Echo」や米グーグルの「Google Home」のようには売れなかったという。
アップルは1年後に300ドル(日本では税込3万6080円)に値下げした。HomePod miniの価格は99ドル(日本では税込1万1880円)。こちらは発売以来好調に売れているという。
[3]アマゾン、LGBTQ+を精神疾患とする書籍の販売中止
米アマゾン・ドット・コムが、2018年2月に出版されたLGBTQ+(性的少数者)に関する書籍の販売を中止したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが3月11日に報じた。LGBTQ+のアイデンティティーを精神疾患として扱っているためだという。
米共和党の上院議員4人がジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)宛ての質問書を送付。アマゾンの公共政策担当副社長が3月11日に回答した。
ウェブサイトや電子書籍端末「キンドル」、オーディオブック「オーディブル」で「When Harry Became Sally: Responding to the Transgender Moment」(ライアン・T・アンダーソン著)の取り扱いをやめた。
保守派の学者である著者がジェンダー・アイデンティティーを含むさまざまな問題について論じた書籍だという。