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音声SNSクラブハウスがAndroid版の開発に着手か、フェイスブックは豪でのニュース禁止措置を撤回

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]音声SNS「Clubhouse」がAndroid版の開発に着手か

 音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」の運営企業がAndroidアプリの開発者を雇用したと、米CNBCが2月23日に報じた。

 採用されたモペワ・オーガンダイプ氏はツイッターへの投稿で「チームに加わってワクワクしている。メンバーをAndroidに連れて行く」と述べた。

 クラブハウスは米アップルのスマートフォン「iPhone」のユーザーのみに提供されているが、Android向けアプリの開発も始まったようだとCNBCは報じている。

 クラブハウスは2020年3月にサービスを開始。1週間当たりの利用者数は1000万人超。21年1月24日時点の200万人から急増しているという。

[2]FB、豪でのニュース禁止措置撤回 豪政府の法案修正で合意

 米フェイスブック(FB)は2月22日、オーストラリアでニュース記事の共有・閲覧を禁じるとしていた措置を撤回すると明らかにした

 IT大手に対し記事使用料の支払いを事実上義務付ける法案に反発していたが、豪政府が内容を修正することに同意した。数日中に掲載を再開する方針を示した。

 英フィナンシャル・タイムズによると、フェイスブックなどは同法の最も厳しい局面を回避できる可能性があるという。

 今回の修正では、「政府はIT大手と報道機関が契約を結んでいるかどうかを考慮し、仲裁人による解決は双方が合意できない場合の最終手段とする」という。また、仲裁措置発動の前に2カ月の調停期間が設けられる。

 フェイスブックは2月23日、声明を出し「当社が報道機関と合意できなかった場合、再び共有を禁止することができると豪政府は認めた。これにより、自動的に交渉を強制されないことになった」と述べた。

[3]音楽配信大手スポティファイが世界展開加速、85カ国追加

 スウェーデンの音楽配信大手スポティファイ・テクノロジーがサービス提供地域を大幅に拡大する計画だと、米CNBC米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が2月23日までに報じた。

 アフリカやアジア、欧州、カリブ海諸国、中南米などの85カ国・地域で新たにサービスを開始する(図1)。同社は2008年にスウェーデンでサービスを開始。現在は93の国と地域で音楽やポッドキャスト(音声番組)、オーディオブックを配信している。

図1:インフォグラフィックス出典:ドイツ・スタティスタ
図1:インフォグラフィックス出典:ドイツ・スタティスタ

 93カ国・地域から178カ国・地域への市場拡大は同社として過去最大だという。20年末時点の月間利用者数は3億4500万人。有料会員数は1億5500万人(図2)。米国などは市場飽和で伸びしろが小さく、さらなる世界展開が重要になっているとWSJは報じている。

図2:インフォグラフィックス出典:ドイツ・スタティスタ
図2:インフォグラフィックス出典:ドイツ・スタティスタ

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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