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フェイスブックがアップルの広告制限に対抗、グーグルはゲーム開発部門を閉鎖

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]フェイスブックがアップルの広告制限に対抗、独自の同意画面

 米フェイスブックが、米アップルのスマートフォン「iPhone」とタブレット端末「iPad」用フェイスブックアプリなどに利用者の同意を求める画面を表示すると、米CNBCなどが2月1日に報じた。アップルが予定している同様の同意画面に対抗する狙いがあるという。

 アップルは今春からアプリの広告制限を実施する予定。ターゲティング広告の配信時に必要となる端末固有の広告用識別子「IDFA(Identifier for Advertisers)」をアプリが取得する際、ポップアップ画面を出し利用者に許可を求めることを義務付ける。

 このルールが導入されれば、多くの利用者が追跡を拒否すると予想される。これにともない、アプリ運営企業の広告収入が著しく減少するとみられている。

 フェイスブックは一部の利用者を対象に独自の同意画面を表示し、IDFA取得の意義を訴える考え。ただし、アップルのポップアップ画面における可否の意思表示が最終的な判断になるとCNBCは報じている。

[2]フォードがグーグルと6年間の契約、クラウドや車載サービスで

 米フォード・モーターは2月1日、クラウドサービスや車載インフォテインメントの分野で米グーグルと6年間の契約を結んだと明らかにした。グーグルのクラウドサービスを活用し、製品開発や製造・サプライチェーン管理の近代化を図る。

画像出典:米Ford Motor
画像出典:米Ford Motor

 グーグルのAI(人工知能)を製造現場の社員教育や工場設備の性能向上に生かすという。2023年より「フォード」と「リンカーン」ブランドの全車種にグーグルのオペレーティングシステム(OS)「Android」やAIアシスタント「Google Assistant」、地図サービス「Google Maps」、アプリ配信サービス「Google Play」を搭載する。

[3]グーグルがゲーム開発部門を閉鎖、「プラットフォームに集中」

 米グーグルは2月1日、ゲーム開発部門を閉鎖すると明らかにした。配信サービスに集中し、外部開発者との連携を強化するという。

 同社は2019年にゲーム配信サービス「スタディア」とともに、開発部門「スタディア・ゲームス&エンターテインメント(SG&E)」を立ち上げた。

 声明で「クラス最高のゲームをいちから開発するには数年の期間と多額の投資を必要とする。コストは指数関数的に膨れ上がる」と述べた。SG&E部門のトップであるジェイド・レイモンド氏はグーグルを退社する予定。

 「今後はプラットフォームとしての事業活動に集中する」としている。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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