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アップル、まもなく新型「iPad」発表か? 新色「ゴールド」を追加、大型モデル登場との噂も

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー

ブルームバーグによると、アップルはタブレット端末「アイパッド(iPad)」の次期新製品で、本体カラーが「ゴールド」のモデルを追加するという。

iPadも3種類、ゴールドで中国市場狙う

アップルの標準サイズのタブレット端末はディスプレイの大きさが9.7インチ。その現行モデルである「iPad Air」の本体背面金属カバーは、シルバーとスペースグレイの2種類がある。

また7.9インチサイズの小型タブレット「iPad mini」も同様にシルバーとスペースグレイがある。

一方でアイフォーン(iPhone)の現行モデルと前モデルには、これらにゴールドを加えた3つのカラーバリエーション。9.7インチのiPadも同様に今後3種類が用意されるとブルームバーグは伝えている。

その狙いはiPadの販売強化という。

iPadは売上高においても販売台数においてもiPhoneに次ぐ規模の同社の主力製品。だが、今年4〜6月期の販売台数は1年前から9%減少し、2四半期連続で前年割れとなった。そうした中、ゴールドのiPhoneは中国で根強い人気がある。同社はその成功をiPadにももたらしたいと考えているようだ。

新型iPad、10月21日に発表か?

このブルームバーグの報道に先立ち、米国のテクノロジー系オンライン新聞「デイリー・ドット」は、アップルが10月21日にイベントを開催し、iPadの新モデルを発表すると報じた。

発表されると見られているのは、iPadの第6世代モデルと、iPad mini の第3世代モデル。同社は昨年10月22日に、この2つの現行モデルを発表しており、今年も同じタイミングで新製品が発表されるとデイリー・ドットは伝えている。

iPadについては、このほかにも様々に伝えられている。例えばブルームバーグは先の報道で、12.9インチモデルが準備されており、来年にも発売される見通しと伝えた。

ただしこちらのターゲットは法人市場。アップルは今年7月、米IBMと、iPadやiPhoneに対応する法人向けアプリの共同開発などで広範囲に提携すると発表した。

同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)はiPadの製品ラインアップ刷新に取り組んでおり、より広範な顧客層に向けiPadを拡販したいと考えている。

小型タブレットの人気急下降

こうした大型端末を含む製品ラインアップの拡充はアップルにとって正しい方向性なのかもしれない。

というのも、タブレットは今後、小型端末の市場が縮小し、9インチ以上のモデルが伸びていくと見られている。米NPDディスプレイサーチが9月30日に公表した最新リポートによると、今年のタブレット端末の世界出荷台数は前年比2%増の2億5400万台となる見通し。

小幅な伸びにとどまる理由は、5.5インチの「iPhone 6 Plus」をはじめとする大型スマートフォンの台頭。

これにより小型タブレットの需要が低下するという。今年の全出荷台数に占める7インチ台端末の比率は55%。これが2018年には35%にまで低下すると同社は見ている。

一方で、8インチ以上の端末は伸びていくという。とりわけ11インチ以上が急成長すると同社は見ている。今年の11インチ以上の端末の出荷台数比率は2%。これが2018年には14%に拡大すると同社は予測している。

いずれにしてもタブレットは今後、かつてのような急成長が見込めないという。スマートフォン、タブレット、ノートパソコンはそのディスプレイサイズの境界線が曖昧になっており、それぞれライバル関係にあると同社は指摘している。

JBpress:2014年10月3日号に掲載)

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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