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新型コロナショックによって、USオープンテニスは6月に開催可否の決定予定! 開催に向けては暗雲

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
食料配送センターに使われているスタジアム。写真は2018年時(写真/神 仁司)

 例年ならテニス4大メジャーであるグランドスラムの最終戦となるUSオープンテニス(アメリカ・ニューヨーク、8/31~9/13)は、今のところ予定通りの開催に向けて準備を進めているものの、新型コロナウィルスのパンデミック(世界的大流行)によって、開催に向けて暗雲が垂れ込めている。

 アメリカテニス協会(USTA)の最高経営責任者であるマイク・ドウズ氏は、USオープンテニスの開催可否については「時期尚早」と述べながらも、6月には開催可否の決定を下す予定であることを発表した。

 ただし、無観客試合でのUSオープンテニス開催の可能性をきわめて低いとしている。

「無観客でプレーすることに関しては、現在のところ全く俎上にのせていません。正直なところ、話し合う機会はオープンにしています。でも、それ(無観客試合)は無いかなと思います。テニスの祭典の精神に本当にそぐわない。現時点で、無観客試合はまずあり得ないシナリオだと言っておきます」

 このように語ったドウズ氏は、もちろん大会を開催するには、選手や観客や大会スタッフの健康や安全を守ることが大前提であることとしている。

 現在、USオープンの会場であるUSTAビリー・ジーン・キングナショナルテニスセンターには、新型コロナウィルス感染症患者の臨時の受け入れ施設が設けられている。

 テニスセンターは、ニューヨークのマンハッタン島から車で30分ほどのクィーンズ地区にあるコロナパークの一画にあるが、その中にあるインドアテニスコートの施設内に、ベッド450床が用意され、新型コロナウィルス感染症患者の臨時病院として、4月6日の週から稼働している。

 また、会場で2番目に収容人数の多いコートであるルイ・アームストロングスタジアムは、食料の配送センターとして使用されている。そして、医療従事者や給食を食べられない子供たちに、1日2万5000食の供給サポートをしている。

 今後、もしUSオープンテニスが今年開催されなかった場合、大会賞金総額の一部を新型コロナウィルス関連のサポートへ回す可能性もあるとし、男子ATPや女子WTAと共に、大会賞金について再考する可能性も示唆した。

 新型コロナウィルス感染症による、アメリカでの感染者の累計は67万人に達し、死者は、4月17日15時(日本時間)時点で3万4000人を超えている(データ:ウィキペディア、グーグル)。

 全米の中でも特にニューヨーク州の感染拡大状況は深刻で、ニューヨーク市保健局によれば、新型コロナウィルスによるニューヨーク市での感染者は10万人を超え、死者は1万人を超えた。

 現在、ニューヨークでは市民にマスク着用の義務化が通達されているという。

 医学専門外の立場から見ても、集団免疫が、USオープンテニスの開催までの4~5か月で形成されるとは考えにくく、ましてや新型コロナウィルスに有効なワクチンの開発が間に合うとも到底思えない。

 これら深刻な状況から見て、USオープンテニスの開催は現時点で決して楽観視はできない。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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