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錦織圭、ローランギャロス(全仏テニス)でトップ10復帰への狼煙を上げることができるか!?

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ローランギャロスでの練習では、いいボールを打っている錦織。久しぶりのグランドスラムで活躍が期待される(写真/神 仁司)
ローランギャロスでの練習では、いいボールを打っている錦織。久しぶりのグランドスラムで活躍が期待される(写真/神 仁司)

 錦織圭(ATPランキング21位、5月21日付け)が、昨年のウインブルドン以来となるグランドスラム出場を、5月27日にフランス・パリで開幕するローランギャロス(全仏テニス)で果たす。

 昨シーズン夏に右手首の腱裂傷によって戦列を離脱した錦織だったが、今年の1月中旬に復帰し、春のヨーロッパクレーシーズンから調子が上向き始めている。

「順調ではあると思います。プレーも良くなってきている。やっとクレーシーズンから、かなり自分の思ったようにボールが飛んでくれたり、狙いが定まったり、感覚が戻って来ている」

 こう語る錦織は、4月中旬のマスターズ1000(以下MS)・モンテカルロ大会では準優勝して、トップレベルの力があることを示して、復活を印象づけた。さらに、5月中旬のMS・ローマ大会ではベスト8。準々決勝では、元王者のノバク・ジョコビッチ(22位)にフルセットの逆転負けだったが、錦織はハイレベルなテニスを見せた。

 ただし、昨年と比べて錦織はランキングが落ちており、全仏では下位シード(グランドスラムでは32シード)になるので、順当にいった場合、シード同士の対決が始まる3回戦や4回戦などで強敵を倒さないといけない。

 また、錦織は久しぶりに5セットマッチ(3セット先取)を戦わなければならないので、体力的な不安要素を払拭できるかどうかもポイントになっていく。

「5セットが2日連続に続いちゃったり、自然と長い試合も多くなったりする。それで手首だったり、体だったり、久しぶりの5セットなので、それに耐えられるかという不安は一つだけあります」

 今回のローランギャロスで錦織は第19シードになり、大会初日の5月27日に、ワイルドカード(大会推薦枠)で出場のマキシム・ジャンビエ(304位・フランス)と1回戦を戦う。果たして、錦織はパリで好成績を残して、トップ10復帰への狼煙を上げることができるかどうか要注目だ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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