【総選挙】日本の最大野党「崩壊」と英FTが報道

28日、外国特派員クラブで会見する小池都知事(写真:つのだよしお/アフロ)

 日本の総選挙事情は、小池都知事による「希望の党」結成宣言で激変した。

 急展開の中、日本経済新聞社の傘下にある英フィナンシャル・タイムズ(FT)がどう見ているのか(有料記事)に注目してみた。

 見出しは「日本の主要野党が選挙を捨てた」である。

 本文に入ると、小池東京都知事の上昇が日本の政治に大混乱を引き起こす中、「日本の主要野党は、崩壊した」。

 続けて、「2009年から12年、政権を担当していた民進党が10月22日投開票となる総選挙で候補者を出さないと述べたのである」。代わりに、すべての民進党の立候補予定者は希望の党に公認を申請する推薦を受けることになった、と説明する。

 

 民進党の前原代表は「ほんの3週間前に」党首になったばかりだが、「名を捨てて実を取る」と述べた時、「過去20年間にわたり、日本の中道左派の願いを維持してきた政党」の「事実上の死を宣言したのである」。

 これで日本の政界の地図は「書き換えられることになり」、安倍首相を「大きな危機状態に置く」ことになる。(前原氏の決断によって)一挙に、小池氏の新党に対し自民党に挑戦するための全国的なインフラを与えることになり、また「反自民党票が割れてしまうことを防ぐ」ことになる。

 筆者のように日本の外にいると、何故前原氏がこのような決断をしたのかが分かりにくい。同じく野党同士として、希望の党と選挙戦で共同戦線を張る(同じ選挙区で対抗する候補者を出さない、選挙活動で協力、戦略共有など)だけでも十分なはずではないか、と。そもそも選挙公約が異なるだろうし、すり合わせはどうするのか。

 選挙公約が異なる形で立候補するとすれば、ほんの少し前に党首になったばかりの前原氏自身が、民進党という政党自体の存在が必要なかったと認めることにもなりはしないだろうか。民進党を支持してきた人の声はどうなるのか。

 どう考えても、「共同戦線を張る」レベルでよい感じがあるのだが、それほどに民進党の将来あるいは日本の政治の未来に絶望している(「現状では絶対に勝てない」など)ことを示すのだろうか。

「日本の政治体制に根本的な損害を与える危険性」

 FTは、こう続けている。

 民進党の議員が希望の党から立候補する形を宣言したことで、「日本の政治体制に根本的な損害を与える危険性がある」。それは、つまるところ、「主要中道左派政党が店じまいをすること意味し、その歴史観、憲法、国家の大きさについて安倍首相とほぼ同じ姿勢を持つ保守・国粋主義者(conservative nationalist)の小池氏を支援することになるからだ」。

 FTの中で引用されている毎日新聞の世論調査によれば、希望の党の支持率はすでに18%。一方の自民党は29%、民進党は8%である。

 筆者は、小池氏による希望の党の結成で「日本の政治に活気が出てきた」、「自民党一強時代の終焉か?」と、良い意味での期待をかけた。しかし、「中道左派」勢力が弱まるとすると、一体、どうなっていくのかと不安感を持っている。

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