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3年ぶり現地会場でも:明日から開催のAnimeJapan今年は何が違うのか

小新井涼アニメウォッチャー
AnimeJapan 2022キービジュアル(プレスリリースより)

世界最大級のアニメイベントAnimeJapan。

昨年と一昨年は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止・オンライン開催とが続きましたが、今年はついにリアル会場での開催が復活し、明日26日からリアル/オンラインで併催されます。

上記の影響で、ここ数年は毎年参加方法や開催形態が目まぐるしく変わる状況が続いていましたが、今回はどのような開催内容となるのでしょうか。

昨年までの状況を振り返りつつ、ご紹介します。

■コロナ禍のAnimeJapan

コロナ禍以前は、毎年東京ビッグサイトにて開催されてきたAnimeJapan。

しかし2020年2月以降、日本国内での感染拡大に伴いリアルイベントが次々と中止となる中で、当初は例年通りの開催を予定していたAnimeJapan 2020も、中止されることとなりました。

  • ※2020年当時のツイート。本年の開催に関するものではありません。

ただAnimeJapanは、新年度に放送されるアニメや人気作品の新情報が数多く発信され、そうした中で、好きな作品をより深く楽しんだり、まだ知らない作品達と出会えるという、製(制)作側にとっても作品ファンにとっても重要な、年に一度の一大イベントです。

そのため、何とか代替的なイベントができないかと急ぎ準備が行われ、まだオンライン開催のノウハウも十分に蓄積されていなかったにもかかわらず、この年は結果的に、各企業や作品ごとに、様々なプラットフォームを使った配信による情報発信が行われました。

その後コロナ禍におけるイベント開催も徐々に再開され、昨年のAnimeJapan 2021でも、当初はリアル/オンライン開催が予定されましたが、緊急事態宣言の発令や感染状況を踏まえ、再びリアル会場での開催は見送られ、完全オンライン開催へと移行されることになります。

■今年のAnimeJapanは何が違うのか

こうして2020年2021年と、2年連続でリアル会場に参加者を迎えての開催が見送られたAnimeJapanですが、今年は感染症対策を行ったうえで、リアル会場であるビッグサイトとオンラインとで併催される運びとなりました。

では、そんな今年のAnimeJapanは、昨年までの開催とはどう違い、どのように参加することができるのでしょうか。

まず大きな違いでいうと、やはりリアル会場での開催も伴うということで、安全な開催に向けて厳密な感染症予防対策が行われている点です。

抽選制の客席観覧を除き、リアル会場には、例年通り事前・当日にチケットを購入すれば参加が可能ですが、チケットを購入する前には、「新型コロナウイルス感染症予防対策について」の確認が必須となっています。

また、そのリアル会場での出展も、例年同時開催されていたキッズ・ファミリー向けのエリア「ファミリーアニメフェスタ」や、コラボフードが販売されるフードパークは、感染防止の観点からか今年は開催されないようです。

一方で、フロアマップをご覧いただいても分かる通り、その分空いたスペースまでを出展エリアやステージとすることで、各ブースや客席にも、例年以上に間隔が設けられていることが窺えます。(比較元:AnimeJapan2018AnimeJapan2019フロアマップ)

AnimeJapan2019では総来場者数が14万人を超えるなど、毎回会場を埋め尽くすほどの人が押し寄せていましたが、こうして充分なスペースが確保されるなど、今回は会場の景色もこれまでとは少し変わったものとなりそうです。

■今後にも繋がるハイブリッド開催

そして今回、3年ぶりとなるリアル開催に注目が集まりがちですが、もうひとつ特筆すべきは、昨年同様チケットで視聴が可能なAJステージや各出展による無料ライブ配信が設けられるなど、引き続きオンラインでの参加も可能な点です。

コロナ禍は、確かにリアル開催の機会を奪いましたが、それによって開催された昨年のオンライン開催は、遠方や海外、『気になるけど行くほどでもないな…』と思っていた参加者達の気軽な参加という、これまでのリアル開催では得られなかった新たな参加機会も生みだしました。

リアル会場での開催が復活した今回、完全に現地開催に限定するのではなく、こうしてコロナ禍を経て開けた新たな参加機会も残されているのは、来年以降の開催にも繋がってくるポジティブな試みだと思います。

国外や遠方からの移動には未だ心配も多い中、配信を見て『もう少し安全に移動できるようになったら次は現地に行きたい』と、来年以降の参加を検討する人もきっといることでしょう。

今回の開催はこのように、未だ感染の収束が見えない中、3年ぶりのリアル開催の復活に加えて、新たに開けた参加機会も保持しつつ、来年以降の開催に繋げていくための前向きな一歩となりそうです。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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