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アニメキャラがあなたの会社のロゴを背負う!?大人気「タイバニ」キャラクタープレイスメント協賛社を募集

小新井涼アニメウォッチャー
作品舞台のイメージモデルとなったマンハッタンの夜景(写真:アフロ)

昨年公開された「天気の子」のように、劇中に”どん兵衛”や”まんが喫茶マンボー”といった、実在する商品や企業が登場するプロダクト・プレイスメントは、今やすっかりアニメでもお馴染みとなりつつあります。

その先駆的な作品であり、かつ他とはひと味違った斬新なアプローチとして、キャラクタープレイスメントでの企業タイアップを行ってきたのが、2011年に放送された大人気アニメ「TIGER & BUNNY(通称タイバニ)」です。

そんな「タイバニ」が、この度2022年放送予定の「TIGER & BUNNY2」に向け、新たにキャラクタープレイスメント協賛社の募集を開始し、話題になっています。

一体、「タイバニ」が行うこのキャラクタープレイスメントとはどういうもので、何故そんなにも注目が集まっているのでしょうか。

◆「TIGER & BUNNY(タイバニ)」とは

2011年に放送された本作は、火や風を操ったり身体能力を向上させたりといった特殊能力を持つ人間が出現した近未来都市を舞台に、その能力を使いヒーローとなった人々が、街の平和を守るため、様々な悪や陰謀と戦うヒーローアクションアニメです。

放送開始とともに徐々に人気を上げ、その盛り上がりは当時、最速テレビ放送と同時配信をしていたUstreamに人が集まりすぎてサーバーが落ちるという伝説を残すほどのものでした。

舞台化や2度の劇場版を経て、今年発表されたテレビアニメ第2期放送決定のニュースも大いに話題となっており、初放送から10年近く経った今でも、根強い人気を持つタイトルであることが窺えます。

◆キャラクタープレイスメントとは?かつて協賛してきた企業たち

そんな本作のキャラクタープレイスメントは、主に作中に登場するヒーローが身につけるヒーロースーツに掲載される企業ロゴとして登場します。

過去にヒーロースーツに記載された企業ロゴには、SoftBank、バンダイ、pepsi NEX、牛角、TAMASHII NATIONS、Calbee、DMM.com、高須クリニック、FMV…などがありました。

映像をご覧いただくと分かると思いますが、さり気なく映り込んだり、背景に登場するのではなく、スポーツチームのユニフォームについているスポンサーロゴぐらい、作中にがっつりと企業名が登場します(加えて、テレビアニメ放送時はキャラクターが背負ったロゴに因んだオリジナルCMも放送されていました)。

これだけあからさまだと、普通なら宣伝感が強すぎて逆にマイナスイメージが付きそうなものですが、そこは本作の世界観が見事にこのシステムと違和感なく合致、むしろ親和性を生み出しているところにも注目です。

◆ヒーロービジネスとの親和性

作中で戦うヒーローは、全員がどこかの企業に所属し、スポンサーからの支援を受けて活躍しているという設定※です。

そのためヒーローのお仕事とは、人命救助を第一にしつつ、その活動をある種のパフォーマンスとして人々に魅せることでスポンサー企業のアピールも行うというショービジネスの側面も持ちます。

つまり企業ロゴのアピール、商品の宣伝は、アニメの中に無理矢理入れられたノイズやステマではなく、むしろ物語の一部として存在し、作中のヒーロービジネスというシステムに、ある種のリアリティを持たせるものとしても機能しているのです。

(※この点は、本作が単なるヒーローアクションものとしてのみならず、時にスポーツものやお仕事もののような葛藤や不条理、人間ドラマといった多面的な魅力をみせ、男女共、特に女性からの人気が高まった所以にもなっていました)

◆注目の集まる2022年のスポンサー

こうしたキャラクタープレイスメントが実際にどのような効果を企業にもたらしているのか、数字として表すのは難しいですが、ファンとしては、好きなヒーローの活動を支えてくれているスポンサー企業への好感度が不可抗力的に上がってしまうのはまず間違いありません。

キャラクタープレイスメントには、そうしてもし類似する商品があったらヒーローが背負っている方を思わず選んでしまうような、アニメの世界と現実世界を上手く交差させて愛着と贔屓目を生み出す効果があるのだと思います。

最初の放送から10年近くが経った現在、2011年当時よりも多くの異業種がアニメ業界に関わりを持つようになったこともあり、これだけの人気タイトルに登場する新たなスポンサーがどの企業になるのかには、大きな注目が集まることでしょう。

受付期日は10月7日(水)までと迫っているので、タイアップを狙う企業の方は、早めに内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。

※2020年10月5日20:38 10年以上→10年近く へ修正しました。失礼いたしました。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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