2018年公開のアニメ映画「若おかみは小学生!」が、明日5月16日にEテレで地上波初放送されます。

放送が発表されると同時に、早速SNSでも話題になっている本作ですが、今回初めて知った人の中には、タイトルや見た目、Eテレでの放送ということもあり『キッズ・ファミリー向けのアニメかな(=大人は楽しめないかな)』と思っているかたもいらっしゃるかもしれません。ところが本作は、実は”そう思った人ほど”視聴を見送ってしまうのは勿体ない、子供から大人まで幅広い世代を魅了している作品なのです。

 

■「若おかみは小学生!」とは

「若おかみは小学生!」は、講談社青い鳥文庫刊行の、作・令丈ヒロ子氏、イラスト・亜沙美氏による児童文学を原作とする作品です。交通事故で両親を失った小学6年生の主人公が、引き取られた先の祖母が女将を務める温泉旅館にて、個性的なお客や、幽霊や魔物といった不思議な存在との出会いや交流を通じ、はじめは巻き込まれるような形で目指すことになった若おかみとして、成長していく姿が描かれています。

ここまでみても『児童文学ということはやっぱり大人は楽しめない?』と、思われる方もいるかもしれませんが、本作は公開当時、会社員やカップルといった20代以上の大人達をはじめ、それこそ普段キッズ・ファミリー向けの作品はあまりみなさそうな意外な層にまで、その盛り上がりが広まった作品なのです。

■大人達を魅了した本作への驚きの伝播

本作の評判は、新海誠監督をはじめとする著名人からの高評価等をきっかけとしながら、映画館へ足を運んだ人々を口火に、じわじわと広がっていきました。

成長物語という普遍的なテーマが分かりやすく丁寧に描かれており、人の生死や家族愛といった下手をすれば”お涙頂戴”にもみえてしまう描写も決して押しつけがましくなく、何気ないひと言や目線といった細かなお芝居でさり気なく行間を読ませるという奥深さを持つ本作は、原作の主なファン層である子供達だけでなく、付き添った親や評判を聞きつけた多くの大人達をも魅了したのです。

最初は『大人も楽しめるのかな?』と思いながら鑑賞した人ほど、その感動への驚きも大きかったのでしょう。彼らが思わず発信した本作の感想がSNSに溢れ、それをみて気になった大人達が続々と映画館に足を運び、感動した人達がまた同じように感想を発信する形で、上記の意外な層にまでその盛り上がりが伝播していったのです。その熱気は、後から評判を知った観客達からの熱い要望を受け、一度公開終了した映画館での再上映が行われるほどでした。

 

■『大人は楽しめないかな?』と思った人こそ

こうした、『子供に付き添った自分の方が感動するとは』『いい意味で予想外の内容だった』という大人達の驚きが評判を呼んだ作品には、昨年公開された「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」も、あてはまると思います。どちらの作品にも共通していたのは、一見『キッズ・ファミリー向けのアニメかな(=大人は楽しめないかな)』という先入観を持ってしまうのですが、ふたを開けてみるとそれを大きく覆すような、幅広い世代を魅了する作品であったことです。

冒頭で、”そう思った人ほど”視聴を見送ってしまうのは勿体ないと述べたように、恐らくそういった作品では、自分の趣味には合わなそうかな、と思って鑑賞した人ほど、気に入った時の感動と驚きがひとしおなのだと思います。今回本作を初めて知ったというかたも、実はみたことがなかったという方も、地上波で初放送されるこの絶好の機会に、幅広い世代を魅了したこの「若おかみ!」の世界を、覗いてみてはいかがでしょうか。

おまけ:テレビアニメでも「若おかみ!」

「若おかみは小学生!」のアニメ作品には、この劇場版が公開されるまでの間に放送されていたテレビシリーズもあります。「若おかみ!」の魅力が約90分にぎゅっと濃縮されたものが劇場版だとしたら、24話に渡ってバラエティ豊かに描かれているのがこのテレビシリーズです。劇場版とはまた違うライバルポジションのキャラクターとの絆の深め方や、劇場版では描かれなかったエピソードなど、劇場版をみて本作を気に入った人にとって、また違った角度から「若おかみ!」が楽しめる内容となっています。

放送が終わって久しい本作ですが、各社動画サイトにて配信も行われていますので、在宅時間の多い今の時期に、映画と共に楽しんでみるのもおすすめです。