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ダルビッシュ7回1安打1失点の好投も、カーショウとのエース対決に惜敗して今季初黒星

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
ドジャース戦で力投するパドレスのダルビッシュ有(撮影:三尾圭)

 サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有が、4月17日(日本時間18日)に本拠地のペトコ・パークで行われたロサンゼルス・ドジャース戦に先発。7回を1安打、9奪三振、1失点に抑える好投をみせながらも、相手エースのクレイトン・カーショウとの投げ合いに敗れて、今季初黒星を喫した。

 同地区最大のライバル球団で、昨季のワールドシリーズ覇者のドジャースを本拠地に迎えたパドレス。

 前日の試合は両軍ともに譲らずに延長12回までもつれ、勝ったドジャースのデーブ・ロバーツ監督が「プレイオフのようだった」と振り返るほどの大熱戦だった。

 そして迎えたこの日の第2戦はドジャースがサイ・ヤング賞に3度輝くカーショウ、パドレスも昨季の最多勝投手のダルビッシュとエース同士の投げ合いとなった。

 初回、先頭打者のベッツを空振り三振に抑えたダルビッシュは、3番打者のターナーも見逃し三振に切って、僅か10球で3アウトを奪う。

 この日のダルビッシュは制球力が良く、4回までパーフェクト、ボール球が極端に少なく、49球で4回を投げ終えた。

1回表、2番打者のシーガーを投手ゴロに抑えるダルビッシュ有(写真:三尾圭)
1回表、2番打者のシーガーを投手ゴロに抑えるダルビッシュ有(写真:三尾圭)

 両軍無得点のまま進んだ4回裏、2死ランナーなしの場面で打者ジュリクソン・プロファーがフルカウントから三振に倒れて三者凡退でイニングが終わった……はずだった。

 カーショウはベンチに向かって引き上げたが、パドレスは捕手のオースティン・バーンズの打撃妨害を主張。審判団がリプレーを検証した結果、パドレス側の主張が認められて、2死走者1塁でイニングが再会された。

 この判定に激怒したカーショウは一塁ベース上のプロファーに向かって大声で怒鳴り、球場は緊迫した空気に包まれた。カーショウはジェイク・クロネンワースを外野フライに打ち取って、改めてイニングを終わらせたが、怒りは収まらなかった。

一塁上のプロファーを怒鳴り散らすドジャースのカーショウ(写真:三尾圭)
一塁上のプロファーを怒鳴り散らすドジャースのカーショウ(写真:三尾圭)

 5回表のドジャースの攻撃は簡単に2アウトを取ったが、6番打者のザック・マキンストリーに死球を与えて、初めての走者が塁に出した。

 「あの死球も足を引かないですし、むしろちょっと足を出したようにも見えた。それは仕方ない」

 続くルーク・レイリーにはカーブに詰まりながらも、中前に運ばれる。バーンズはフルカウントから歩かせて、2死満塁のピンチを迎えて、打席にはカーショウが入った。

 満塁だが、投手を抑えれば良いだけで、ダルビッシュがこのピンチを切り抜けるかと思われたが、怒りのカーショウはフルカウントまで粘り、押し出しの四球を選ぶ。

 抜群の制球力を誇るダルビッシュにとって、2013年9月24日のヒューストン・アストロズ戦以来となる押し出しの四球。その瞬間、ダルビッシュは頭を抱えて、「しまった」という表情をみせた。

カーショウに押し出しの四球を与えて、頭を抱えるダルビッシュ有(写真:三尾圭)
カーショウに押し出しの四球を与えて、頭を抱えるダルビッシュ有(写真:三尾圭)

 立ち直ったダルビッシュは6回、7回も三者凡退に抑えたが、パドレス打線が沈黙。カーショウは6回で降板したが、ドジャースのリリーフ陣にも抑えられ、好投したダルビッシュを援護できなかった。

 「世界一の打線。あの打線相手に、あれだけの投球ができた。負けたのは悔しいですけど、自分の中では自信になります」と試合を振り返ったダルビッシュ。

 5回2死からの4打者以外はパーフェクトな内容だっただけに、痛い痛いカーショウへの押し出しだった。

 次の登板予定は、22日(日本時間23日)に敵地のドジャー・スタジアムで行われるドジャース戦で、またしてもカーショウとの投げ合いになりそうだ。

 「次は抑えられるように、しっかり頭を使っていきたい。今回、負けていますし、カーショウ相手にしっかり勝てるようにしたい」とリベンジを誓った。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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