メジャー大会28位タイの河本結、「勝つ自分が少し見えた」
女子ゴルフのメジャー大会、「ANAインスピレーション」は4月4日(日本時間5日)に最終日を迎え、海外メジャー大会5度目の挑戦となる河本結が通算4アンダー、日本人最高位となる28位タイで終えた。
1番パー4で2打目をピンから約1メートルに寄せてバーディーを奪う幸先の良いスタートを切ると、6番、7番でも連続バーディー。
「しっかりと耐えることができたので、ご褒美のバーディーみたいな感じできてくれた。すごく自分の成長を感じることもできた」
成長を感じたのは、前半の3つのバーディーよりも6つのパー。4番では約3メートルのパーパットを沈め、5番ではバンカーから良い位置に落としてパーにつなげた。
後半も12番パー4でロングパットを沈めてバーディーを決めた。この時点で通算5アンダー、目標に掲げていたトップ10入りも見えてきたが、そこからスコアを伸ばせず、逆に17番パー3で短いパーパットを外して、この日初めてのボギーを叩いてしまった。
「今日は何としても上の方に行きたくて頑張ったんですけど、後半はミドルパットが決めきれなくて、ちょっと悔しく終わりました」
それでも4バーディー、1ボギーの69とスコアを3つ伸ばし、通算4アンダーに終わった最終日を振り返り、「すごくいい感じにラウンドできたと思う」と手応えを得た。
前日は不安定で、この日の修正ポイントに挙げていたティーショットが大きく改善され、14ホール中13ホールでフェアウェイをキープした。パーオン率も77.8%と高く、それが好スコアにつながった。
「ここで耐えなきゃいけないっていうパットだったり、アプローチだったりはすごく良くなっている」と口にしたように、『守りのゴルフ』のレベルは高くなってきている。
昨年は通算7オーバーの69位タイと惨敗したこの大会で、今年は4アンダーの28位タイに入ったことで、1年前から成長した姿を実感したと言う。
「去年は頑張って予選を通らなきゃというか、予選を通るためにどうやったらいいかというゴルフをしていた。今年はなんとなく優勝する姿がイメージができてきた。うっすらでも、勝つイメージ、勝つ自分の影が少しでも見えたのが成長というか自信というか収穫だと思います」
今後、河本がメジャー大会で勝つためには、『守るゴルフ』だけでなく『攻めるゴルフ』もマスターする必要がある。
「ここで1つ伸ばさなければいけない。ここを入れたら流れに乗れる。いいパーを拾うのもそうですけど、いいバーディーを獲るという次のステップを踏めるようになったら、きょうのダニエル(・カン)選手みたいに、乗っていけるゴルフができるのかな」
この日、同じ組で回った世界ランキング5位のダニエル・カンは、この日だけで9個ものバーディーを奪い、世界ランキング上位の貫禄を示した。長いパットを沈め、攻める姿勢を見せ続けたカンと一緒に回ったことで、「必死で追いついていこうと思ってラウンドできたのですごく良かった」と良い刺激を受け、「まだまだカン選手を見たりすると自分の劣っている部分もある」と勉強にもなった。
「自分の良いところも見えて、まだまだ足りていない部分も見えて、すごく収穫のある一週間だった」と大会を振り返った河本は、確実に大会前よりも逞しいゴルファーに成長していた。