メジャーが獲得に興味と報じられたロッテ沢村は、今ワールドシリーズでセーブを上げたあの投手の代役か?

メジャー数球団が獲得に興味を示していると報じられたロッテの沢村拓一(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 海外FAの資格を得たロッテの沢村拓一に対してメジャーの複数球団が興味を示していると報じられた。

 このニュースを報じたのは、移籍情報を中心に扱う『MLBトレード・ルーモアズ』。「沢村拓一はメジャー球団からの関心を集めている」と題された記事では、具体的な球団名には触れられていないが、沢村がNPBで投げた9年間に多くのメジャー・スカウトが視察しており、今季序盤の不調は懸念材料だが、(ロッテに)トレード後の復調と、これまでの実績とメジャー級の投球で、メジャーに移籍しても活躍できる可能性は高いと書かれている。

 このオフのフリーエージェント(FA)市場は中継ぎ投手が手薄と言われており、沢村を欲しいと思うメジャー球団は多いだろう。その1つの候補に32年ぶりのワールドチャンピオンに王手をかけているロサンゼルス・ドジャースが挙げられる。

 今季のドジャース・ブルペンはメジャー2位の防御率2.74、メジャー・トップのWHIP1.04を記録してチームを支えた。中継ぎ投手が投げた数はメジャー1位の249回で、どのチームよりもブルペン投手の出番が多かった。

 ドジャースのブルペン陣の中で最も登板数が多かったのは、守護神のケンリー・ジャンセンとセットアッパーのブレイク・トレイネンの27試合。投球回数はトレイネンの25.2回が最多だ。

 FAだった昨オフにドジャースと年俸1000万ドル(約10億5000万円)で1年契約を結んで移籍してきたトレイネンは、今オフも再びFAになるが、MLB公式サイトに掲載された今オフのトップFA選手ランキングでは13位の田中将大を上回る10位にランクされており、今オフのFAリリーフ投手の目玉となる存在。ドジャースを出て、他球団に移籍する可能性は高い。

ドジャースのセットアッパーとして活躍するブレイク・トレイネンは今オフFA市場の目玉リリーフ投手(三尾圭撮影)
ドジャースのセットアッパーとして活躍するブレイク・トレイネンは今オフFA市場の目玉リリーフ投手(三尾圭撮影)

 ワールドシリーズ第5戦で最終回のマウンドを任されてセーブを上げたトレイネンは、沢村と同じ1988年生まれの32歳。今季の速球の平均球速は97マイル(155キロ)で、これは沢村の今季最高球速と同じ。トレイネンと沢村はどちらも落ちる球を武器にする右腕で、沢村は主にストレート、スライダー、スプリットの3球種を投げるが、トレイネンは155キロ前後の高速シンカーが全投球の半分以上を占め、スライダー、4シーム、カッターも投げる。

 2人にはプロ入り当初は先発投手を務めており、クローザーの経験もあるという共通点がある。トレイネンは2018年にオークランド・アスレチックスで9勝2敗38セーブ、防御率0.78、WHIP0.83の成績を残し、サイ・ヤング投票で6位、MVP投票でも15位の票を集めた。

 そして、翌2019年には防御率4.91、WHIP1.62と不調に陥ったが、今季は復調したのも沢村に通じる部分がある。

 トレイネンがドジャースからFA移籍した場合には、その穴を埋める代役として沢村獲得に動いたとしても不思議ではない。

 巨人時代に痛めた肩の故障は懸念材料だが、ロッテ移籍後は15試合で9ホールド、1セーブ、防御率1.23、WHIP0.89、14.2イニングを投げて19奪三振と、巨人で投げていたシーズン序盤とは別人のようなパフォーマンスを見せ、完全復活を印象付けている。

 ドジャースは2006年に当時36歳だった斎藤隆を獲得した過去がある。NPBではかつての輝きを失っていた斎藤だが、メジャー移籍後に球速が5キロもアップして、オールスター出場も果たした。沢村が「第2の斎藤」になる可能性は低くはなく、沢村獲得はローリスク・ハイリターンが期待できる。

2006年2月のドジャース入団会見でトミー・ラソーダ氏と握手をする斎藤隆(三尾圭撮影)
2006年2月のドジャース入団会見でトミー・ラソーダ氏と握手をする斎藤隆(三尾圭撮影)

 NPBはまだシーズン中で、所属するロッテはポストシーズン出場を争っているために、沢村本人はメジャー移籍に関して何も発言していないが、大学4年生だったときにはニューヨーク・ヤンキースからも声をかけられ、メジャーか巨人入りかを悩んだこともある。

 NPB入り前にはメジャー志向もあったと言われる沢村は、10年ぶりの夢を叶えるかもしれない。