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2018年の年俸約19億円のジョーンズはなぜオリックス入りを選んだのか?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
オリックスに入団するアダム・ジョーンズ(三尾圭撮影)

 メジャー通算1939安打、282本塁打、オールスターに5度選ばれ、ゴールドグラブ賞4度の実績を誇るアダム・ジョーンズがオリックス・バファローズと2年総額800万ドル(約8億8000万円)+出来高200万ドル(約2億2000万円)で契約したが、ジョーンズはなぜメジャーの球団ではなく日本行きを選んだのだろうか?

 メジャーで14年間プレーしたジョーンズは、フリーエージェント(FA)権を得る直前の2012年シーズン中にボルティモア・オリオールズと6年総額8550万ドル(約94億円)の大型契約を結んで再契約した。これは当時のオリオールズの球団歴代最高額での契約であり、オリオールズの看板選手だった証でもある。契約最終年だった2018年の年俸は1700万ドル(約18億7000万円)で、チーム最高年俸を手にしていた。

 32歳で開幕を迎えた2018年の成績は145試合に出場して、打率.281、15本塁打、63打点、OPS.732だった。

オリオールズの看板選手として活躍したアダム・ジョーンズ(三尾圭撮影)
オリオールズの看板選手として活躍したアダム・ジョーンズ(三尾圭撮影)

 昨オフにFAとなったジョーンズを欲しがる球団はなかなか現れずに、移籍先が決まったのはオープン戦も始まった3月11日のこと。アリゾナ・ダイヤモンドバックスとの契約は単年で年俸300万ドル(約3億3000万円)で、 200打数以降は50打数をクリアする度に25万ドル(約2750万ドル)のボーナスが加算されるものだった。昨季は137試合に出場して、打率.260、16本塁打、67打点、OPS.728で、528回バッターボックスに立ったので150万ドル(約1億6500万円)のボーナスを手にした。

 今オフもジョーンズのように30代半ばを過ぎたFA選手に対する動きは鈍く、契約できたとしても単年になる可能性は高い。日本に行けば、複数年契約を保証されて(ジョーンズの契約は2年保証で、3年目の球団オプションも付いており、最大で3年1550万ドル(約17億500万円)になる)、年俸もメジャーの球団から得られるものよりも多いのだから、ジョーズが日本行きを選んだのも理にかなっている。

打撃ではシルバー・スラッガー賞を受賞。守備でもゴールドグラブ賞に4度輝いている(三尾圭撮影)
打撃ではシルバー・スラッガー賞を受賞。守備でもゴールドグラブ賞に4度輝いている(三尾圭撮影)
スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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