Yahoo!ニュース

昨季のサイ・ヤング賞投手JDG48が大谷でもできなかったメジャー初の二刀流快挙を達成

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
JDG48ことメッツのジェイコブ・デグロム(三尾圭撮影)

 筆者がJDG48と呼ぶニューヨーク・メッツのジェイコブ・デグロム。

 昨季は10勝9敗と勝ち星には恵まれなかったが、防御率1.70(リーグトップ)、269奪三振(リーグ2位)、WHIP0.91(リーグ2位)と圧巻の投球内容でナショナル・リーグのサイ・ヤング賞を手にした。シーズン終盤まで負けが先行して、史上初の勝率5割以下のサイ・ヤング賞投手誕生かと騒がれたが、最後の2先発で2連勝して辛うじて勝ち越しを記録。それでもシーズン10勝は、先発投手としては歴代のサイ・ヤング受賞者の中で最少だった。

 今季も開幕直後に3試合連続で大乱調だった以外は安定した投球を続けているが、やはり勝ち星には縁がなく、ここまで8勝8敗ながら、防御率2.66(リーグ4位)、214奪三振(リーグトップ)、WHIP1.024(リーグ6位)と質の高い投球を披露している。

今季、ナショナル・リーグ1位の奪三振数を誇るメッツのジェイコブ・デグロム(三尾圭撮影)
今季、ナショナル・リーグ1位の奪三振数を誇るメッツのジェイコブ・デグロム(三尾圭撮影)

 そんなJDG48が、大谷翔平でも達成できなかったメジャー歴代初となる二刀流記録を樹立した。

 その記録とは、シーズンに複数回、投手として13三振以上を奪い、打者として本塁打を放つことだ。(*マウンドとホームの距離が現在の18.44メートルに定められた1893年以降、メジャー初の快挙)

ベンチで笑顔をみせるJDG48(三尾圭撮影)
ベンチで笑顔をみせるJDG48(三尾圭撮影)

 JDGは4月3日のマイアミ・マーリンズ戦で7回3被安打、無失点、14個の三振を奪い、今季1号本塁打も記録。そして、8月23日のブレーブス戦でも7回を投げて4被安打、1失点、13奪三振と活躍するだけでなく、今季2号本塁打も放っている。この試合で勝ち投手になれなかったのも、またJDG48らしさに溢れている。

 JDG48は同一シーズンに2度の快挙を達成したが、メジャーの歴史上、通算でもこの記録を2度達成した投手はJDG48だけというほどに達成が難しい記録だ。

 また、DH制を採用するアメリカン・リーグでの達成は難しく、大谷翔平が達成するには投手として先発するときにDH制を解除して打席に立たなくてはならない。

 ちなみに昨季の大谷は一試合12奪三振が最高だった。

 今季2本塁打を放っているJDG48の安打数はドジャースのマエケンと同じ12本なので、打撃自慢のマエケンには「野茂超え」を目指すと同時に打倒JDG48も意識してもらいたい。

【参考記事】: PL学園の元4番打者マエケンが野茂超えを宣言!

 

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

三尾圭の最近の記事