さて問題です。メジャーリーグ球場が人工芝の手入れに使う市販の生活用品は何でしょうか?

撮影 谷口輝世子

 この冬の寒さはそれほど厳しくなく、雪も少ない。しかし、暦の上では大寒。1月18、19日の週末は米国中西部から北東部にかけて大雪が降った。カナダのトロントでも18日の午前中から雪が降り始め、夕方までのわずかな時間に数十センチの雪が積もった。

 こんなとき街の中心にある屋内施設は力を発揮する。

 大リーグのトロントブルージェイズは本拠地のロジャーズ・センターで18、19日にファンフェスタを開催した。野球場を、外の悪天候を忘れさせる一大エンターテイメント空間に変身させた。人工芝の一部を外してミニ遊園地、ローラースケートリンク、アーケードゲーム機器を設置。中心部の人工芝はそのままにして野球遊びができるグラウンドとした。コートなどいらず、シャツ一枚で十分な暖かさに温度設定されている。(一部の準備周到なお客さんたちは、コートを入れるバッグを用意していた)

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 しかも、現役のブルージェイズの選手たちや、かつて看板だった選手たちが顔を見せてくれる。

 お祭り空間だけでなく、マニアックな好奇心に応える空間もあった。外野後方の通路では、縁の下から試合を支えるスタッフさんが、自らの仕事内容を展示していた。

 場内掲示板の表示ボード、マウンドの高さや整備法、ロジャーズ・センターの人工芝の管理など。誇りを持って仕事をしているスタッフがファンの素朴な質問に答える。選手だけでなく、スタッフもファン交流の場を楽しんでいた。

 人工芝管理コーナーには、ブルージェイズのシールをつけた洗濯用洗剤のような容器が置いてあった。

 「なんですか」と聞いてみると、

 「衣類の柔軟剤です」とグラウンドキーパーさん。

 「人工芝を柔らかくするんですか」と私。ハズレである。

 人工芝であっても、ブラシをかけてグルーミングする。しかし、このときに静電気が発生することがある。静電気が発生すると、ベースに使用しているゴムの屑が人工芝にくっついてしまう。そこで静電気を防止する効果もある洗濯用柔軟剤を使用してゴムの屑が人工芝にくっつくのを防ぐのである。

 へえー。

 「このブルージェイズのシールがついたのは特注品ですか」と質問すると、

 グラウンドキーパーさんは「市販のものです。どこでも買えますよ」とのこと。

 どうやって柔軟剤を人工芝に塗布しているかというと、芝を手入れするブラシに柔軟剤をつけるのだとか。柔軟剤の塗布はだいたい4試合に1度のペースで行っている。

 グラウンドキーパーさんは「よーく匂いをかぐと、柔軟剤のよい匂いがするのですよ」と教えてくれた。

 今シーズン、ロジャーズ・センターで取材をする機会があったら、人工芝に顔をうずめて、柔軟剤の匂いがするか確かめたいと思う。