イニング制限から球数制限へ アメリカ高校野球

日本では選抜高校野球大会が開催されている。春夏の大会では高校生投手が「連投していること」や「球数を投げ過ぎていること」が問題視されることがある。ひじや肩を痛める主な原因のひとつは投げ過ぎや連投だからだ。

リトルリーグが球数制限を競技規則に盛り込んでいることはよく知られているが、米国の高校野球でも投手の投球数を制限していく動きが出てきている。

イニング制限から球数制限へ

現在、各州の高校体育協会や連盟の野球競技規則では、イニングやアウト数によって、投手の投げ過ぎを制限している。(原則として米国の高校野球は7イニング制)

例えば、カリフォルニア州では1週間に30アウトまで。登板数は3試合まで。

フロリダ州では1週間に14イニングまで。1日に10イニング以上投げてはいけない。2日連続して投げる場合は10イニングを超えてはいけない。

しかし、高校生の試合ではイニング数を制限しても、対戦相手校との戦力差や制球力のなさから、投げ過ぎを防止できるとは限らない。また、登板間隔についても厳格な規則はなかった。

このことから球数を制限し、登板間隔も規則で定めようという動きが出てきたのだ。

08年にバーモント州が導入

米国の高校野球レベルでは2008年にバーモント州が球数制限を競技規則に導入した。高校の一軍では1日に120球まで。75球以上投げた場合は3日間休まなければならない。

高校の新入生では1日に110球までで、66球以上投げた場合は3日間休むことになっている。

今年に入ってからはバーモンド州に次いで、コロラド州が2016年から高校の野球競技規則に球数制限を取り入れることを決めた。地元紙の報道によると主な内容は以下の通りだ。

・1日110球まで。

・86-110球を投げた場合は3日休み

・61-85球投げた場合は2日休み

・36-60球投げた場合は1日休み

・35球以下は休養日なしでもよい。

・2日間連投する場合は合計で60球まで。

メリーランド、デラウェア、フロリダでも高校野球の球数制限が議論されているという。

球数制限は野球を変えるか

球数制限を競技規則としたことで、相手のエースをマウンドから降ろすために待球作戦やファウルで粘る戦術が使われることも想定される。そのためだろうか、イニング数制限による規則を当面は保持しようという州もあり、米国高校球界でも、イニング制限か球数制限かの様子を見ている状態のようだ。

各州の高校体育協会や連盟外の野球チームでは、これらのイニング制限や球数制限が適用されないところや別の規則を設けているところもある。