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大河ドラマ「光る君へ」藤原道長役・柄本佑の勇姿 ハードルの高い打毬に挑む 〜打毬とは何か?

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
「光る君へ」で藤原道長を演じる柄本佑さん  写真提供:NHK

撮影は第7回の分も進んでいる

2024年 放送予定の大河ドラマ「光る君へ」(NHK)の撮影が快調に進んでいる。去る8月22日〜23日は、栃木県壬生市にて、平安時代の馬術競技 「打毬(だきゅう)」のロケを行った。

これは第7回に放送予定の場面で、主人公・紫式部ことまひろ(吉高由里子)や姫たち(黒木華、ファーストサマーウイカなど)が観戦するなか 、藤原道長(柄本佑)が親しい上級貴族とともに打毬を行う。

「光る君へ」でまひろを演じる吉高由里子さん 写真提供:NHK
「光る君へ」でまひろを演じる吉高由里子さん 写真提供:NHK

男性陣が打毬のテクニックで女性たちを魅了する

 平安時代の馬術競技「打毬」に初挑戦した柄本さんのコメントは以下。

今回のロケでは現代の「ポロ」に似た馬術競技である「打毬」のシーンに挑戦しました。馬を走らせながら、同時にスティックを振り抜くことはとても難しく、昨年の秋ごろから撮影に向けて練習を積み重ねてきました。達成すべきハードルが非常に高い分、演じるうえでも、大きなやりがいを感じています。
平安時代の貴族たちが実際に楽しんでいた打毬のシーンを映像で見られることが私も今から楽しみですし、男性陣が打毬のテクニックで女性たちを魅了する場面でもあるので、その雄姿を皆さまにもぜひ、ご覧いたければと思います。

「光る君へ」で打毬に挑んだ柄本佑さん 写真提供:NHK
「光る君へ」で打毬に挑んだ柄本佑さん 写真提供:NHK

「馬を走らせながら、同時にスティックを振り抜くこと」の難しさとは

馬を走らせながら地面の毬をスティックで振ると、体が下方にねじれ、馬が止まれの合図と勘違いしてしまう。そう思わせずに走らせ続けないといけないのだとか。

柄本さんの、止まらず走らせ続ける器用さと度胸に現場スタッフは感嘆したという。

写真の体のひねりと表情の臨場感、これは姫たちの心を捉えるに違いない。

打毬とは何か

宮内庁のホームページを見ると、奈良・平安時代、端午の節会の際に行われる宮中の年中行事とある。

馬術競技の「ポロ」とその起源を同じくし、中央アジアの一角に発したものであろうといわれている。

白・赤2組(各4騎~10騎)の間で行われる団体戦で、各組の競技者が、乗馬して、地上に置かれた自組の色の毬を、先に網の付いた毬杖と呼ばれる棒で掬い、ゴール(毬門)に投げ入れる。

平安時代には盛んだったその後廃れ、江戸時代徳川吉宗が復興し、いまは宮内庁と山形と青森で継承されている。

大河ドラマにはよく「蹴鞠」が登場し、サッカーのリフティングの得意な俳優が活躍するが、「打毬」にも注目したい。

#大河ドラマ #光る君へ #吉高由里子 #柄本佑 

2024 年 大河ドラマ「光る君へ」
作:大石 静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉 慧、黛りんたろう ほか

千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の物語。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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