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岡田准一の名言炸裂「近江の白兎たち」「赤こんにゃくで染めた男」@「どうする家康」トークショー

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
「どうする家康」トークショー より  写真提供:NHK

大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合 日曜よる8時〜)、第27回「安土城の決闘」の放送を前に、安土城の城主・織田信長を演じている岡田准一が滋賀県近江八幡市文化会館でトークショーを行った。近江八幡駅の隣が安土駅で、そこに安土城跡がある。

入場者は抽選に当選した1000人。地元の方をはじめとして、北海道、四国、九州などから来た方々も。近江八幡駅では、駅に降りるやいなや、まずトークショーの告知ポスターを写真に撮っている女性たちが大勢いた。

文化会館の隣では地元のかたたちが出店する「どうする戦国マルシェ」、文化会館のなかでは、NHK主催の登場人物の等身大パネルとの撮影会などが行われ、どこも賑わっていた。

トークショーが開幕し、岡田准一さんが登壇すると、割れんばかりの拍手が湧いた。すると岡田さんはふいに客席の前方に手を振ったので、会場はどよめいた。あとの挨拶で「滋賀の皆さんに喜んでいただけて。小さなお子さんも手を振ってくれていて。大河ドラマって小さなお子様にも大河は見ていただけるし、お子さんにも声をかけていただける」と語っていたので、おそらくお子さんに手を振ったのではないかと推測する。

制作統括の磯智明チーフプロデューサーも「これまでの大河以上に、幅広い世代に見ていただけていると思っています。歴史ファンから、非常に若いお子さんまで見ていただいている」と語り、トーク中も時折、子供が楽しんでいる声が聞こえていた。

トークショーの内容は、22日と23日に放送があるので、ここでは詳細を再録するのはやめておくが、岡田さんにとって「どうする家康」に関するはじめてのトークショーで、信長を演じるにあたって考えたことをじっくり丁寧に語っていた。人物デザインを担当し、このトークショーにも参加した柘植伊佐夫と議論を繰り返したという衣裳のことや、信長の考え方、心情、現場での心構えのようなことなど、ひじょうに興味深いものばかり。そして、そういう話の端々に近江という土地への好意もちゃんと示す、じつに気の利いた人であった。

トークショーでは信長の衣裳の赤を、近江名物の赤こんにゃくの「赤」をイメージしていたと、「赤こんにゃくで染めた男」と冗談を言ったり、トークショーのあとの取材会では、「近江八幡はとても好きな場所で、来られてよかった。石田三成も演じたことがあって滋賀は身近に感じます。戦国マルシェに行きたかったけれど、外に出させてもらえなそうだったので……」とマルシェについても言及したりしていた。

 取材会にて  撮影:筆者
 取材会にて  撮影:筆者

磯CPは「本日、第27回は安土で信長と家康がガチでやりあう、前半戦のクライマックス。これに向けて我々が積み上げてきたということもあるので、緊張感も含めて、醍醐味を皆さんに味わってほしいと思います。そんな日に、家康が安土城まで来たという歴史的な場の傍でイベントができたことは縁を感じますし、とてもうれしい」と語った。

トークショーの最後は会場の皆さんと、記念撮影。そのとき、岡田さんは「近江の白兎たち」と会場を盛り上げた。お客さんはかなり満足度が高かったのではないだろうか。

織田信長といえば本能寺の変が最大に見どころとされるが、岡田は「僕は第27回の方が大事だと思っていて」と言う。磯CPも言うように、安土城での家康との関わりがその後に大きな影響を及ぼすことになるのだ。

「どうする家康」第27回より  写真提供:NHK
「どうする家康」第27回より  写真提供:NHK

余談だが、パネル撮影会やトークショーの会場入口に、近江八幡市公認おもてなし武将隊の方々がいて(家康、信長などの扮装をしている)、お客さんと写真を撮っていたのだが、彼らも「どうする家康」を見ていて、解釈がおもしろいと語っていた。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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