【チーム史上初のCSに挑む島根】

 Bリーグ上位リーグのB1が5月8日に2021-22シーズンの公式戦全日程を終了し、同13日の琉球ゴールデンキングス(以下琉球)対秋田ノーザンハピネッツ(秋田)を皮切りに、第6代王者を決める(第4代は新型コロナウイルスの影響で中止)チャンピオンシップ(以下CS)が開幕。同14日に残り3カードが一斉にスタートする。

 例年通り琉球や千葉ジェッツ(以下千葉)らの常連チームが順当にCS進出を決める中、今回のCSで異彩を放っている存在が、チーム史上初のCS進出を決めた島根スサノオマジック(以下島根)ではないだろうか。

 今シーズンは同チームで初めて指揮をとるポール・ヘナレHCの下快進撃を続け、40勝15敗の成績でCS初進出を決めたばかりか、西地区2位でクォーターファイナル(以下QF)をホームで戦える権利を獲得。第2、3代王者のアルバルク東京(以下A東京)を迎え撃つことになった。

【昨オフの大型補強で期待通り強豪チームに変貌】

 CS初進出という意味では秋田も同じだが、過去2シーズンはCSを狙える位置につける戦いぶりをみせていた。一方、Bリーグ創設時はB2からスタートした島根は、リーグ2年目でB1昇格を果たしたもののたった1年でB2に逆戻り。シーズン4年目に再昇格できたものの、昨シーズンまでのB1通算成績は50勝111敗と苦しい戦いを強いられてきた。

 ところが2019年9月にバンダイナムコがチームのメインスポンサーになってからチーム強化に取り組み、昨オフは日本代表の金丸晃輔選手と安藤誓哉選手、オーストラリア代表のニック・ケイ選手を獲得し大型補強に成功。シーズン開幕前から注目を集める中、下馬評通りに高いチーム力を発揮し続けた。

 ホームで戦うQFで波に乗れるような戦い方ができれば、今回のCSで台風の目のよう存在になる可能性もありそうだ。

【しっかりCSを見つめているヘナレHC】

 シーズン最終戦となった京都ハンナリーズ戦では79対82で敗れたものの、体調が万全でなかったリード・トラビス選手を最後まで温存するなど、明らかにCSを睨んだ調整的な戦い方をしていた。試合後のヘナレHCも、CSを目前に控え気合いを入れ直している。

チームを初のCS進出に導いたポール・ヘナレHC(筆者撮影)
チームを初のCS進出に導いたポール・ヘナレHC(筆者撮影)

 「どのチーム、選手も毎シーズン優勝を目指す中、チームとして様々な変革が求められるし、約束事も変わってくる。その中で今シーズンはしっかり戦い、チームとして初めて進出できたのは嬉しいことだ。

 だが今はすべてを忘れ、気持ちを切り替えていかなければならない。今現在に集中し、次戦に集中しなければならない。ここまでチームとして変化を続けてこられたのも、チーム一丸となってやってきたからだ。とにかく全力を尽くしたい」

【A東京戦のカギを握りそうな安藤選手と地元ブースター】

 A東京戦のカギを握る存在になりそうなのが、キャプテンを務める安藤選手だろう。PGとしてチームをまとめるだけでなく、毎シーズン平均得点で外国籍選手が上位を独占する中、日本人選手としては今シーズン最高の15.7得点を記録。その得点能力に期待がかかるところだ。

 また安藤選手は昨シーズンまで4年間A東京に在籍し、日本代表が何人も揃分厚い選手層の中で徐々に頭角を現し続け、主力として島根に迎え入れられた。そして期待通り主力として攻撃型PGとしての能力を遺憾なく発揮している。

 A東京時代にもCSを経験しているとはいえ、チームの大黒柱として臨む今シーズンは安藤選手にとってひと味もふた味も違うものだろう。特に古巣相手だけに意気込みも相当なはずだ。

 あとは地元ブースターがどれだけ選手たちを後押しできるかだろう。ヘナレHCが「QFをすべてホームで戦えるのは我々にとって大きなアドバンテージだ」と指摘しているように、CS初出場とはいえブースターの声援が戦いやすい環境を創出してくれるだろう。

 東地区に強豪チームが集まり今も“東高西低”の傾向が色濃い中、ぜひ島根の大暴れを期待したいところだ。