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東京五輪にドリームチームが来ない?! NBAが来シーズンを五輪期間中も活動継続の意向を示唆

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
東京五輪中のシーズンを継続する方針を示唆したNBAシルバー・コミッショナー(左)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【NBAコミッショナーが来シーズンについて言及】

 ESPNら主要メディアが報じたところによると、NBAのアダム・シルバー・コミッショナーは現地時間の10月2日、来シーズンについて言及し、五輪開催期間とバッティングする時期も活動を中断しない意向を示唆した。

 NBAがこの方針を貫いた場合、NBAのスター選手で構成する「ドリームチーム」と称される米国代表チームの編成にも大きく影響するとともに、現在は各国代表の主力選手もNBAに在籍していることから、東京五輪にスター選手たちが参加しない可能性が出てきた。

【コミッショナー「(中断は)起こりえないと思っている」】

 NBAは現在、中立地のウォルト・ディズニー・ワールドでシーズンを締めくくるNBAファイナルを実施している最中だが、すでに来シーズンに関しても動き始めている。

 現地でNBATVのインタビューに応じたシルバー・コミッショナーは、来シーズンと東京五輪の兼ね合いについて以下のように答えている。

 「検討していくことになるだろう。だが個人的には、もし来シーズンの開幕が遅れるようであれば、五輪のために中断するということは起こりえないと思っている。

 明白なことだが、五輪のために中断できるだけの期間がない。一方で各国代表チームはトレーニングキャンプが必要だろうし、五輪後には一定の休養も必要になってくる」

 すでにシルバー・コミッショナーは来シーズンの開幕について、来年1月下旬にずれ込む方向に示唆しており、順調にシーズンを消化できたとしてもポストシーズンを含めると約8ヶ月間は必要となり、まさに東京五輪期間とバッティングすることになる。

【究極の選択を迫られそうな選手たち】

 しかも東京五輪期間中はポストシーズンと重なる可能性が高く、選手にとっても最も重要な時期だ。チームは絶対に選手が離脱して欲しくはないし、選手もNBAか、代表活動を優先するのかで、究極の選択を迫られることになりそうだ。

 特にNBAのタイトルを争う強豪チームの主力選手になればなるほど、NBAを優先する可能性が高く、そうした選手たちは裏を返せば、現在のNBAのスター選手ということになる。彼らがNBAを優先すれば、必然的に例年のようなドリームチーム編成は厳しくなってしまう。

 またESPNによれば、今シーズンも八村塁選手をはじめ108人の外国籍選手がNBAに在籍しており、彼らもまた基本的に、各国代表チームの主力選手たちばかりだ。

 もし彼も同様にNBAを優先するようなことになれば、各国代表もベストメンバーを編成できなくなってしまう。

 東京五輪を楽しみにしていたバスケ・ファンにとっては、悲し過ぎるニュースという他ない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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