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レッドソックスが選手間のソーシャルディスタンス確保のためMLB最古球場を大改装

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLB最古球場として知られるフェンウェイ・パーク(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【レッドソックスがキャンプ開始前に球場を大改装】

 現地時間の7月3日からサマーキャンプをスタートさせたレッドソックスだが、新型コロナウイルス対策で選手間のソーシャルディスタンスを確保するため、本拠地球場のフェンウェイ・パークを大幅改装している。MLB公式サイトなどが、報じている。

 フェンウェイ・パークは1912年に開業したMLB最古の球場と知られ、これまでも何度となく大がかりな改装工事を実施してきたが、クラブハウスのスペースはさほど変わっておらず、他チームの本拠地球場と比較してもかなり狭いクラブハウスで有名だった。

 自分もフェンウェイ・パークでの取材経験を有しているが、試合後のクラブハウスは選手とメディアで足の踏み場もないくらいの状態だった。

 そのためチームとしては選手たちの安全面に配慮し、選手が使う施設を大幅に改装したようだ。

【スイートルールをロッカールームに転用】

 今回の改装で最も特徴的なのが、当面は無観客試合で実施されることを考慮し、普段はグループ観戦やパーティなどに使用されているスイートルームを、選手のロッカールームに転用していることだ。

 このスィートルームの様子をマイケル・チャビス選手が、動画撮影してツイッター上に投稿している。これを見る限り、かなりスペースのあるスイートルームを選手2人に割り当てられているのが理解できる。またチャビス選手は、新しいロッカールームから見えるフェンウェイ・パークの眺望も紹介している。

 フェンウェイ・パークでは計30選手がトレーニングを行っており、全選手がしっかりソーシャルディスタンスを確保できる配慮がなされているようだ。

【右翼側の売店エリアを屋外のトレーニング施設に】

 さらにクラブハウスののみならず、トレーニング施設も同様の配慮がなされている。

 通常は右翼側にある売店コンコースエリアを、選手たちのトレーニング施設として使用。元々屋内にあったウェイトジムや室内打撃ケージをここに移し、選手たちがある程度の距離を空けてトレーニングできるようになっている。

 この施設についてもレッドソックスが、ツイッター上に画像を公開している。屋外施設であるが観客席が屋根になっており、雨天時でも問題なく使用できる。

 ちなみにフェンウェイ・パークのビジター用クラブハウスはさらに狭く、公式戦が実施されるようになれば、相手チームへの配慮も必要になってきそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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