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NBAが即座のシーズン中断を発表! 選手が新型コロナウイルス検査で陽性反応

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
リーグ選手が新型コロナウイルスに感染しシーズン停止を発表したNBA(写真:ロイター/アフロ)

【NBAが緊急声明を発表】

 新型コロナウイルスの猛威が止まらない。遂にNBA選手1人に陽性反応が出る事態になってしまった。

 3月11日(現地時間)日に実施される予定だったサンダー対ジャズ戦の開始直前に、ジャズ選手の1人が新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことが判明。試合は急きょキャンセルになった。

 これを受け、NBAは即座に声明を発表し、11日の試合を最後に、シーズンを中断することを明らかにした。

 今後については協議を重ねていく予定だが、現在も米国内で感染が拡大しており、シーズンが再開されるかどうか見通せない状況だ。

【ウォリアーズ戦は無観客試合を検討】

 NBAでは新型コロナウイルスの感染が拡大していく中で、シーズン継続について協議が続けられてきた。

 米メディアの報道によれば、3月12日のウォリアーズ対ネッツ戦も、主催チームのウォリアーズが無観客試合で実施することを検討していたという。

 さらには新型コロナウイルスの感染地域でアリーナが使用できなくなった場合などは、感染が広がっていない地域に場所を移し、シーズンを継続していくことも協議されていたようだ。

【選手間感染という最大のリスク】

 しかし選手が新型コロナウイルスに感染してしまったことで、すべての案が実現不可能となった。

 チーム内の選手やコーチたちはロッカールームや移動中のチャーター機で、常に濃厚接触を避けることができない。試合中も相手チームと常に接触することになる。どうしてもリーグ内で集団感染のリスクが生じてくる。

 現時点で選手の感染経路は明らかになっていないが、感染経路が不明なら尚更ファンを集めて試合をするのは難しくなる。NBAの即断は仕方がなかったといえるだろう。

 いずれにせよシーズンが再開できたとしても、シーズンすべての日程を消化するのは難しい状況で、このままシーズンが終了してしまう可能性も残されている。

 現状ではNBAばかりでなく他リーグの選手たちにも感染が拡大する恐れがある。まさにすべてのリーグがシーズン継続の危機を迎えている。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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