アルバルク東京に連敗しながらも自信を深めた大阪エヴェッサが向き合う最後の課題とは?

アルバルク東京戦に臨む大阪エヴェッサの選手たち(筆者撮影)

【Bリーグ発足以来ずっとA東京に連敗】

 大阪エヴェッサが、2019年最後の試合となったアルバルク東京戦に66対67、55対62で連敗を喫し、琉球ゴールデンキングスと並走していた西地区首位の座から陥落した。

 アルバルクはエヴェッサにとってBリーグ発足以来0勝8敗と未勝利の相手。8敗のうち6試合が10点差以上つけられる大敗という状況で、これまで両チームの間には歴然とした差があった。

 しかし今回の対戦では、第1戦は終了間際に連続シュートを放ちながら決めることができずに1点差負け。第2戦も試合途中まで13点差をつけるなど試合の主導権を握りながら終盤で逆転負けしたものだった。

 結果として連敗となったが、リーグ3連覇を目指すトップチームのアルバルクと、以前のようなチーム差は無く、むしろかなり拮抗しているのは明らかだった。

 特にエヴェッサ戦まで平均得点80.8点のアルバルクを2試合とも70点未満に抑えた、エヴェッサのディフェンス力の高さを改めて実証してみせることになった。

【天日HCは「(チーム力の差は)無い」と断言】

 2試合ともに、あと一歩のところで勝利を逃した天日謙作HCは、明らかに悔しそうだった。第2戦終了後に相手コーチ陣と挨拶する際、ルカ・パヴィチェヴィッチHCと目を合わせることなく、無表情のまま握手を交わす様子が印象的だった。

 その悔しさこそ、天日HCが現在のチームに抱いている期待度の表れなのだろう。それは試合後の発言にも如実に滲み出ている。

天日謙作HC(筆者撮影)
天日謙作HC(筆者撮影)

 「(アルバルクとのチーム力の差は)無いです。全然無いと思います。相手もいっぱいミスをするし、相手を見ていても『何だ、このミスは』みたいなのもいっぱいあると思うんですよ、僕らと一緒で。

 だから(差は)全然無いと思うので、ここからどう取り組んでいくかというのが、そこ(強豪チーム)にいくか、いかへんかだと…。彼らはちょっと先にいっているだけですよね」

【主将ブラウンも「チーム状態に満足している」と納得の表情】

 天日HCのみならず、キャプテンのアイラ・ブラウン選手もアルバルク戦2試合で、チームとして自信を深めることができたと力説する。

 「リーグ連覇している強豪相手に第1戦に1点差で敗れ、第2戦も7点差で敗れたが、このチームは長い間、強豪チームと互角に戦えるような位置にいなかった。正直言って、自分は現在のチーム状態にすごく満足している。

 我々は日々チームとして進化してきたし、これからもこれを継続していきたい。現時点でリーグのベストチームになっている必要は無い。重要なのはリーグの終盤でチャンピオンシップを争う際にベストになっているかどうかだ。それまで正しい方向に向かって進化し続けることだ」

アルバルク東京戦でダンクを決めるアイラ・ブラウン選手(筆者撮影)
アルバルク東京戦でダンクを決めるアイラ・ブラウン選手(筆者撮影)

【今後の課題はチームとしてのオフェンス力の徹底】

 試合内容はともかく、結局エヴェッサはアルバルクに連敗した。両試合とも前半のリードを守り切れず、終盤で逆転負けするという展開だった。

 ディフェンス面では前述通り、すでにリーグ屈指の鉄壁力を誇っている。あとは相手ディフェンスが激しくなってくる試合終盤で、しっかり得点を決められるオフェンス力ということになる。

 この点についても、天日HC、ブラウン選手の見解は完全に一致している。

 「(試合の)どこかで自分1人でチャンスを広げようとするシチュエーションが大分あるんですよね。やはり(サンロッカーズ)渋谷に勝ったり、クロスゲームに勝ったりしている時はボールが動いていると…。

 なのでロッカーで(選手に)伝えたのは、無理矢理こじ開けるというシチュエーションがないように、チームメイトを信じてやると…。特にゲームが拮抗していた時に、それができるかというのがこれからではないでしょうかね」(天日HC)

 「(アルバルクは)しっかり訓練されたチームだ。チームとしていろいろな作戦を持ち、常に試合に効果的なプレーをしかけることができる。だが我々は簡単なシュートを決めるのに苦労してしまうことがある。そうしたチームとしてのちょっとした適応力が必要になってくると思う」(ブラウン選手)

 エヴェッサには大事な局面で、ボールを託せる絶対的なエースがいるわけではない。だからこそチーム全体でボールを共有しながら、より確実性の高いシュートを決めるオフェンス力が求められる。

 エヴェッサが本領発揮するのはまだまだこれからだ。今後どこまでチームとして熟成していけるのか、注目していきたい。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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