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42歳のナックルボーラー、RA・ディッキーが現役引退か

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
今シーズン限りでの現役引退が濃厚になったRA・ディッキー投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブレーブスは現地23日、チームが保有する年俸800万ドル(約9億円)を保証するRA・ディッキー投手の来シーズンの契約オプションを拒否すると発表した。この結果チームは契約解除料の50万ドルを支払い、ディッキー投手はFAとなった。

 今月29日に43歳のディッキー投手はテキサス大で投手として活躍し、1996年にレンジャーズからドラフト1巡目指名された。2001年にMLBデビューを飾ったが安定した成績を残すことができず、2006年シーズンからナックルボーラーに転身。2012年のメッツ時代には20勝6敗、防御率2.73(さらに233.2イニング、230奪三振はリーグ1位)の好成績で、ナックルボーラーとして史上初めてサイヤング賞を獲得している。

 2013年からブルージェイズに在籍し先発陣の一角を守ってきたが、在籍4年間で49勝52敗、防御率4.05と安定感を欠き、昨年オフにFAとなりブレーブスと契約。今シーズンは30試合に登板し、10勝10敗、防御率4.26に終わっていた。

 ブレーブスの地元紙『Atlanta Journal Constitution』のデビッド・オブライエン記者によると、ディッキー投手はこのまま現役引退するだろうとしている。その根拠として、今シーズンの最終登板となった敵地メッツ戦後に報道陣に対し「最高のかたちでキャリアを終えられる」と話した後、予定されていたシーズン最終戦となるマーリンズ戦登板を自ら辞退していたことを挙げている。

 また元々チームはディッキー投手の契約オプションについてワールドシリーズ終了までに決定する方針を示していたが、今回早い時期にオプション拒否を発表したのも、ディッキー投手の引退の意志が固いと確認できたためだろううとしている。

 ちなみに今シーズンのディッキー投手は現役選手としてバートロ・コロン投手、イチロー選手に続く年長選手だった。通算成績は実働15年間で、120勝118敗、防御率4.04だった。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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