ポストシーズンの田中将大は2000年ロジャー・クレメンス以来の絶対的安定感

アストロズ戦で7回無失点の好投でチームにシリーズ3勝目をもたらした田中将大投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 シーズン中は好不調の波が大きかった投球が嘘のようだ。ポストシーズンに入った途端、田中将大投手は投げる度に好投を演じ、まさにヤンキースの“真のエース”として輝きを放ち続けている。

 現地18日のア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦に登板し、7回3安打無失点8奪三振の好投で演じシリーズ3勝目をもたらした。6回2失点ながら敗戦投手になった第1戦の借りをしっかり返し、チームも8年ぶりのワールドシリーズ進出に王手を賭けた。ポストシーズンでは地区シリーズ第3戦の登板を含めここまで3試合の登板で、2勝1敗、防御率0.90と絶対的な安定感を誇る。シーズン中に批判を繰り返した地元メディアも、今や賞賛の嵐で沸き返っている。

 スポーツ専門サイトの『The Score』もその1つ。データを用いながらかつてのヤンキースのエース投手を引き合いに出して田中投手を絶賛している。

 ここまで地区シリーズ第3戦、リーグ優勝決定シリーズ第5戦と2試合で7イング以上無失点を記録している田中投手だが、実はヤンキースでポストシーズン中に2試合で7イニング以上無失点を記録しているのは、2000年のロジャー・クレメンス投手以来の快挙なのだという。

 クレメンス投手といえば、通算354勝を記録するMLBを代表する大エースだ。1999~2003年の5年間ヤンキースに在籍し、ワールドシリーズ出場4回(うちワールドシリーズ制覇3回)と、ヤンキースの黄金時代を支えた立役者の1人だ。

 2000年シーズンも37歳ながら先発3本柱の1人として活躍し、シーズン中はチーム最高の防御率3.70を記録。ポストシーズンに入ると地区シリーズは2敗しているものの、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズで完封、8回無失点の好投を演じ、チームの世界王者達成に貢献している。現在の田中投手は、この年のクレメンス投手以来の快投を演じているのだ。

 まさに大舞台で勝負強さを発揮し、“クレメンス級”の安定感を続ける田中投手。このままチームがワールドシリーズに進出するようなことになれば、田中投手がヤンキース伝説に加えられる可能性は十分にあるだろう。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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