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MLBが来シーズンから統一のファン管理規則を導入へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLBから来シーズンから球場内の安全確保に乗り出した(写真:ロイター/アフロ)

 『ESPN』のスコット・ローバー記者が22日報じたところによると、MLBが来シーズンから球場内のファンを管理する統一した規則を導入する方向で準備を進めているらしい。

 これまでMLBでは球場内の管理は各チームに一任されてきたが、来シーズンからMLBが一括した規則を設定するというものだ。MLB広報担当のティム・ディーバン氏は「我々は各チームとともに、全球場のセキュリティ及びファン管理について協議を続けている。2018年シーズンからリーグ統一のファン管理規則を導入すだろう」と発言している。

 今回の取り組みの経緯となったのが、今年5月にレッドソックスの本拠地『フェンウェー・パーク』で起こった事件だ。試合中にファンがオリオールズのアダム・ジョーンズ選手に対し、人種差別的な誹謗中傷を行ったとして大きな問題に。レッドソックスはジョーンズ選手に謝罪するとともに、問題を起こしたファンを永久追放処分にするなどの厳しい措置を施していた。

 これを機に、MLBのロブ・マンフレッド=コミッショナーは全30チームに対し統一規則の必要性についての調査を開始する意向を表明し、オーナー会議でも協議が活発化していた。

 ちなみにMLB以外の他のプロスポーツでは、NFLが2008年から統一規則を導入するとともに、NBAでも悪質な行為を行ったファンを退場処分にする規則を、またNHLも悪質な罵倒行為やジェスチャーを行ったファンを退場処分にできる規則を設けている。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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