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2006年MVPのハワードがロッキーズとマイナー契約

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
現役続行を諦めていないライアン・ハワード選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マイナーリーグのシーズンが残り3週間となった8月12日、ロッキーズがライアン・ハワード選手とマイナー契約を結んだことを明らかにした。

 ハワード選手といえば、2004年にフィリーズでMLBデビューを飾ると、左の長距離砲として頭角を現し、2005年に新人賞、2006年にはMVPを獲得し、一躍球界屈指の強打者として認知された。2008年には本塁打、打点の二冠王を獲得する活躍をみせ、フィリーズのワールドシリーズ制覇にも貢献。主力選手として黄金時代を築き上げた。

 しかし2011年シーズンのプレーオフ中にアキレス腱断裂の負傷をおったことを機に、彼の野球人生は暗転してしまう。2012年のシーズン途中で復帰を果たしたものの、長期的な不振に陥りかつての打撃は完全に陰を潜める状態に。そして昨シーズン終了後にフィリーズが保有していた年俸2300万ドル(約25億円)を保証した2017年の契約オプション権を破棄したため、チームを去ることになった。

 37歳で迎えた今シーズンは所属先が決まらないままシーズンが開幕。それでもなんとか4月にブレーブスとマイナー契約で合意するに至った。その後若手中心の延長キャンプを経て3Aに配属されていたが、11試合の出場で打率.184、1本塁打に留まり、5月8日に解雇されていた。

 だが現役続行の意志は強く、解雇後も「これが終わりを意味するものではない。まだ挑戦していきたいというプランは変わらないし、その意志もまったく変化していない」と話し、引き続き挑戦の場を求めていく意志を示していた。

 ようやくハワード選手の希望通り挑戦できる場が見つかったとはいえ、前述通りマイナーのシーズンは残り3週間。メジャー昇格に向けてアピールするには時間がなさ過ぎる。もちろんシーズン終了後にロッキーズに残留できる可能性もないように思える。

 ロッキーズでも3Aに配属されることが決まったハワード選手。果たしてこの3週間で何をするつもりなのか。そしてまだ現役を続ける意志は強いのだろうか。彼の本人を知りたいところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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