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米記者ツイート「レンジャーズはダルビッシュを放出する意志無し」

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
米国でもトレードの有力候補として名前が挙がるダルビッシュ投手だが…(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ここまで43勝45敗と負け越しでシーズンを折り返すことになったレンジャーズ。ア・リーグ西地区でエンゼルスと並び2位タイにつけているとはいえ、首位を走るアストロズに16.5ゲーム差離されている状態で、逆転優勝を狙うにはかなり厳しいと言わざるを得ない。

そんな状況下でウェーバー無しのトレード期限が迫り、米国メディアの中でもレンジャーズがトレード市場で“売り手”に回り、今シーズン終了後にFAの資格を得るダルビッシュ有投手やジョナサン・ルクロイ選手がトレード有力候補として度々名前が浮上してきている。スポーツ専門サイトの『The Score』では、トレード期限内に移籍する可能性が高いオールスター選出6選手の1人にダルビッシュ投手を選んでいるほどだ。

しかしそれを真っ向から否定する記者が現れた。MLBネットワークやFOXスポーツで活躍するジョン・モローシ記者だ。7月12日付けで以下のようなツイートを公開している。

内容を解説すると、現在水面下で行われている各チームとの交渉の中で、レンジャーズは主力選手を放出するつもりはなく、むしろ後半戦に向け補強に取り組むため、“買い手”としてトレードで選手を獲得する意志を伝えているということだ。つまり噂の上がっているダルビッシュ投手やルクロイ選手を交渉のテーブルにも挙げていないことになる。

確かに逆転地区優勝は難しいとはいえ、ア・リーグのワイルドカード争いでは47勝43敗のレイズに3ゲームしか離されていない。後半戦の戦い方次第で十分にプレーオフ進出を狙える位置におり、チームとしてまだまだ望みを捨てるわけにはいかないのだ。そのためにも勝利数、防御率、奪三振数で“チーム三冠王”のダルビッシュ投手を放出することはできるはずもない。

モローシ記者のツイートが事実ならば、ダルビッシュ投手はこのままレンジャーズでシーズンを終えることになる。レンジャーズとしてはFA公示日前に契約延長に合意したいところだが、やはり普通に考えればダルビッシュ投手FAを選択し、あらゆるチームと交渉する道を選ぶことになるのだろう。

いずれにせよ、ダルビッシュ投手の去就についてはシーズン終了後まで待つしかない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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