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マリナーズ・岩隈の戦線離脱がさらに長期化へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
当面はキャッチボールも禁止されたマリナーズの岩隈久志投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

岩隈投手に関する速報記事をアップしたのは、地元紙『The Tacoma News Tribune』氏のボブ・ダットン記者だ。

同記事によると、岩隈投手は前回のブルペン投球練習後に再び右肩に違和感を訴えたため、チームは当面の間“スローイング・セッション”(いわゆるキャッチボール)を禁止し、治療に専念させることを決めたという。また同時に右肩患部にコーチゾン(消炎効果)とPRP(多血小板血漿注入)の両方の効果を促す注射を施したということだ。

また記事では、ダットン記者が岩隈投手に直接質問し、これまでの経緯と現在の心境を聞き出している。もちろんそのコメントは通訳を通しての英文だ。本人の言葉をそのまま再現することはできないのでこの場では訳すことは控えるが、なかなか右肩の炎症が消えず復帰が予想以上に遅れている現状にもどかしさを感じている様子が十分に伝わってくる内容だった。

とりあえず1週間は右肩を安静にして、再びスローイング・セッションを再開する予定だという。そこからブルペン投球→シート打撃登板→リハビリ登板へと移行していくわけだが、順当にいったとしてもすべてのメニューを消化するには1ヶ月以上はかかることになりそうで、復帰がシーズン後半戦まで伸びるのは必至の状況になってしまった。

さらにダットン記者によると、岩隈投手は今シーズン投球回数で125イニングをクリアすると、年俸1500万ドルで来シーズンの契約が保証されるオプションを有しているそうだが、まだ94イニングを残しており、復帰時期等を考慮すればかなり厳しいと予想している。

メジャー移籍6年目を迎えた2017年は、岩隈投手にとって最も厳しいシーズンになってしまったようだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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