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三笘、久保など。スペイン撃破でカタールW杯16強へ!”森保ジャパン”3試合目のキーマン5人+a

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

W杯もグループステージの3試合目に入りしました。

すでに「Jリーグに来てほしい!カタールW杯で活躍が目立つ”非欧州ビッグリーグ”のタレントたち」を出しましたが、今回は日本代表にフォーカスしたいと思います。

ドイツに勝利したものの、コスタリカに敗れたことで一転、日本代表は厳しい声にさらされていますが、3試合目のスペインに勝てばノックアウトステージのラウンド16に進めるというわかりやすい構図になりました。

森保一監督が送り出す、全ての選手に期待したいですが、スペイン撃破のキーマン5人を紹介します。

久保建英(レアル・ソシエダ)

現在スペイン1部でプレーしている唯一の選手で、スペインメディアでも一番警戒するべき選手として話題を集めている。技術面もさることながら、やはりモチベーションが非常に高く、コスタリカ戦で使われなくても前向きに取り組めている様子なのは、やはり一番の活躍場所が残されているからだろう。ドイツ戦では左サイドだったが、ボールを握られる時間も長くなる中で、インサイドよりのポジションで起用してもらいたい。左足のシュートは直接FKでもトライしてほしいところだ。

「わかったところで止められなければ何の意味がないので、結局クオリティ、プランを出さないと意味がない。スペインのクオリティはすごく高いと思いますし、うまい選手もたくさん集まっているので、速い、強いといろんな特徴を持った選手がいる。ここで口だけの選手になりたくないので、明日チャンスがあればピッチ上で語れるような選手になりたい」

柴崎岳(レガネス)

筆者撮影
筆者撮影

ここまで出番はなしだが、中盤の要である遠藤航が別メニュー続きでおそらく難しいので、ここは大舞台に強い男の見せ所だろう。守備の強度もドイツ戦よりはテクニカルな要素が大きくなる。ボールを握られる中でも要所を押さえてボール奪取に繋げられるか。そこからファーストパスも注目ポイントになる。スペインに即時奪回をさせないように確実につなぐだけでなく、アタッカーを縦に走らせる高速パスにも期待したい。

「一本のパスで局面を変えることを強みにしているので、そういったところにチャンスがあるのかなと。いろいろな想像はできますけど、僕の中では点が欲しい時とか、そういった姿勢を見せなきゃいけない時に、相手に少し怖さを与える意味でも、そういったプレーが非常に重要になるかなと思います」

冨安健洋(アーセナル)

ドイツ戦の後半から投入されて逆転勝利を支えたが、コスタリカ戦の前後は別メニューが続いていた。スペイン戦の前々日にようやく全体練習に復帰。15分以降は非公開だったのでどこまで動けていたか不明だが、どれだけボールを持っても最後はバイタルエリアの脇を狙ってくる相手に対して、冨安の守備対応は鍵になる。サイドバックであれば機をみた攻撃参加にも期待だ。

「トーナメント1回戦のつもりでやれればいいかなと思います。僕だけじゃなくてオリンピック世代、オリンピックに出てスペインに対しての気持ちをより一層持っている選手たちが多いですし、そういう意味ではそのリベンジをしっかりと果たすことができればいいかなと思ってます」

前田大然(セルティック)

スペインのディフェンスからすると、日本で一番厄介なFW,だろう。ビルドアップでは一度外しても、すぐに2度目、3度目のプレスが来る。そこからパスを出されても、そこに追ってくるということで、しつこい守備がボールを握られる中でもスペインのリズムを壊す重要なポイントになりそうだ。特にGKウナイ・シモンにバックパスが出たら前線カットからのゴールもあり得る。ハイラインの背後に飛び出すことができれば、GKとの1対1のチャンスも。そこで決め切れるかどうかに日本の命運がかかるかもしれない。

「昨日試合見てて結構GKが結構プレスかけられると結構オドオドしてるみたいな感じだったんで、そこはチャンスかなと思ってます。ここからはもう気持ちの勝負やと思うんで、まず気持ちで上回らないと勝てないと思うんで、まずそこからかなと思います」

三笘薫(ブライトン)

サイドでボールを持てば突破してクロスやインに切り込んでのシュート、ラストパスにつなげる。ラ・リーガにはあまりいないタイプのドリブラーなので、右サイドバックにカルバハルが来てくれた方が”初見殺し”にもってこいかもしれないが、チェルシー所属のアスピリクエタとの勝負でも十分に高いは可能だろう。またボールを持っての仕掛けだけでなく、ゴール前に飛び出して合わせるフィニッシュによるゴールにも期待だ。

「もう後悔しない戦いをしないといけないと思いますし、ドイツ戦のような戦いになる可能性がありますけど、今日のような試合をして、試合が終わったあとに全員が後悔が残るような試合には絶対にしないように。アグレッシブに行くかどうかはわからないですけど、本当にもう1回しっかりと準備して、自分たちのすべてを出したい」

今回、筆者は注目の5人にあげませんでしたが、谷口彰悟のスペイン戦での活躍を評価して、試合後のコメントを紹介します。

筆者撮影
筆者撮影

谷口彰悟(スペイン戦後コメント)

「いつチャンスが来てもいいような準備はしていましたし、今日は初めてピッチに立たせてもらいましたけど、もちろん緊張しましたけど比較的落ち着いて試合に入ることができました。このスペイン戦で勝ち点3を取って突破するというタスクをしっかり達成することができてとにかくうれしいです」

「こういう相手でもとにかくゼロの時間を長くしようとみんなで話して入りましたけど、ああいう形で先に失点してしまって。でも、とにかく0−1でもしっかり我慢しながら、他会場の状況も含めて、とにかく我慢強く戦うことは試合前から、みんなで合わせていたので。最小失点に抑えながらとにかくチャンスをうかがうことは今日もできたかなと思います」

「とにかくもう一回仕切り直して、我慢強くやりながチャンスはあるぞとはロッカーでも話していましたし、メンバーが多少変わって、薫や律が入ったりというところで。(堂安)律は時間を作れますし、(三笘)薫はウイングバックでしたけどできるだけ高い位置で仕事をさせたいというところで、高い位置からハメにいかせたりとか。そういうところをちょっとずつ変えながら後半に入ろうと。そこで相手を惑わすことができて逆転に持っていけたので。しっかりチームとして選手の特徴を活かすことができたと思います」

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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