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「マリノスのプリンス」山田康太U-19のピッチに立つ。”大会に来たくても来れなかった選手”の分まで。

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

インドネシアで行われているAFC U-19選手権(U-19アジア選手権)で影山監督が率いるヤングジャパンは北朝鮮に続きタイを3−1で破り、2試合でグループリーグの首位通過を決めた。

後半の開始からピッチに立ったのがMFの山田康太(横浜F・マリノス)だ。「本当にピッチに立ちたかっただろうと影山監督から言われていて、暴れてこいと細かい戦術的なことは何も言われずに、自分がしっかりやってこいと言われた」と振り返る”マリノスのプリンス”は中盤でボールを動かしながら、機を見た攻め上がりで積極的に攻撃に絡むシーンが目立った。

「100%準備して、チームの優勝に貢献できるように頑張りたい」と語る山田は「この大会に来たくても来れなかった選手」の気持ちも背負い、インドネシアの地で戦っている。そしてルヴァン杯の決勝に臨む所属クラブに対する思いも語った。

■山田康太

プレーする前からやれる自信はあるし、ただ自分のポジションにはいい選手が揃っていて、自分にはないものを持っていて、自分にしかないものがあると思っているので。誰が出ても本当にいいサッカーができるというのは前々から思っていたことで、ちょっとチーム(マリノス)より後ろ気味という感じなので、慎重なタッチになっちゃいましたけど次出たら、もう少し自分らしさを出したいと思います。

ーー他の選手にないものとは?

みんな足下の技術は高いと思うんですけど、自分も他の人とは違う感覚のタッチでタイミングをずらしたりとか、パスの交換でボールを動かしたり、飛び出したり、守備のハードワークだったり、全体的に高いレベルでこなして行かないといけないボランチだと思っています。

ーー今季マリノスではほとんどボランチをやっていない中でどうイメージして入りましたか?

やっぱりチーム(マリノス)に求められていることと代表で求められていることは違うと思いますし、影山監督に求められることをしっかりやりながらも、最後なんかはいい球離れでしっかり繋いだり、自分の持ち味は要所要所、ああいう間延びした展開でも出せたかなと思っているので。そういうのはしっかり表現していけば。

ーーミドルシュートが入ったらもっとよかった?

そうですね(笑)。久々に試合に出て飢えていたので、得点に。めちゃくちゃ呼んだんですけど、郷家(友太)が落としてくれた時とか。ちょっとボールの感触的にふかしちゃうというのは練習でも焼き付いちゃってて、置きに行ったら飛んで行っちゃった。

ーースタメンの伊藤洋輝選手と持ち味が違う中でもハーフタイムで出る前に言われたことは?

本当にピッチに立ちたかっただろと影山監督から言われていて、暴れてこいと細かい戦術的なことは何も言われずに、自分がしっかりやってこいと言われたので、楽しくできてよかったです。

ーー後半は相手がシステムも変えて前がかりになって、攻撃で自分の良さを出しながら、でも守備でもというところで難しかった?

そうですね。齋藤(未月)選手、同じボランチで出ていた選手が少し疲れていたのがプレーに出ていたので、自分がボールを触って動かしたいなというところは本音だったんですけど、未月くんもボール動かさなきゃっていうことで落ちてきてたので、そこはもうちょい声かけて、自分がボール捌くから、未月くんは守備のセカンドだったり攻撃の芽をつむことに徹してくれと伝えればよかったです。

ーー今大会をどういうものにしたいですか?

必ず出場権を勝ち取りたいと思いますし、この大会に来たくても来れなかった選手がいるので、自分がもし出場機会が少なかったとしても、腐るのは絶対に違うと思うので、そこはやっぱり100%準備して、チームの優勝に貢献できるように頑張りたいです。

ーー今U-19に集中していると思うけど、所属クラブのマリノスもいい状態になり、ルヴァン決勝にも進出している。メッセージをお願いします。

本当に応援しているし、必ず優勝して、マリノスはタイトルとるべきクラブだと思うので、そういうチームになって行くためにも、まあ自分が言うのもなんですけど(笑)、優勝してほしいなと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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