久保建英の「トップチーム登録」で話題になったJリーグの「2種登録」とは?

15歳の久保建英は日本クラブユース選手権で得点王に輝いたが、ジョーカーだった。(写真:アフロスポーツ)

9月16日にFC東京は15歳の久保建英を16歳の平川怜とともに「トップチーム登録(2種)」したことを発表した。久保は50番、平川は14番を付けることも公表されている。もっとも、この方針は数日前には明るみになっており、一部報道では「久保建英トップチーム昇格へ」と題した記事が掲載され、ヤフートピックスにもリンクされたため、ネット上でも大きな話題となった。

もっとも「トップチーム登録」は「トップチーム昇格」と本質的に意味が異なる。今回の久保と平川に関しても“2種登録”と付いている通り、日本サッカー協会第2種チーム(ユースカテゴリー)に所属しながら、Jリーグの公式戦に出場が可能になるための登録ということだ。そこにはFC東京Uー23が参加しているJ3も含まれる。確かにルール上はトップチームが在籍するJ1の試合に出場することも可能だが、現実的にはUー18の活動にも参加しながら、U-23が戦うJ3でのベンチ入りや出場を目指すことになるはずだ。

そもそも“2種登録”が大量に増えた背景にはFC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪の3クラブによるU-23の創設がある。今年2月にはセレッソ大阪が9人の選手を2種で「トップチーム登録」してニュースになった。その際、当時は中学3年生だったDF瀬古歩夢の登録も噂されたが結局は見送られ、7月に6人の選手とともに追加された。FC東京でも今年の春にUー18所属の7人が「トップチーム登録」され、8月にトップ昇格が内定したGK波田野豪、DF岡崎慎、MF鈴木喜丈も含まれていた。そこから新たに4人が入れ替わり、さらに久保と平川が加わったというのが流れだ。

中学生にして、FC東京Uー18が参加した日本クラブユース選手権で5得点をあげ、小柏剛(大宮ユース)、滝裕太(清水ユース)とともに得点王に輝き、優勝に貢献したことは確かだが、途中出場のジョーカーとしての役割を担っており、先発でフル稼働していたわけではない。正確なボールタッチやシュートなど技術は申し分無く、アタッカーの割に守備センスは高いが、トップレベルで見れば体力やコンタクトプレーはまだまだ向上が必要だ。

筆者の見解としては、そうした事情が無ければ「トップチーム登録」に関してはUー18で、もうしばらく様子を見守って検討されていたはずだ。現在ドイツのアウクスブルクでプレーする元ガンバ大阪の宇佐美貴史もジュニアユース年代から飛び抜けた存在として、早くからトップ昇格を期待する声が出ていたが、ユースでしばらく経験を積ませ、満を持して17歳でのJ1デビューとなった。同じガンバ大阪ユース出身の堂安律(ガンバ大阪)は完成度の高さが評価され、ACLのFCソウル戦で、16歳11ヶ月でのトップデビューを飾っている(同クラブの最年少記録は高木彰人の16歳8ヶ月)。

なおFC東京の最年少記録は呉章銀(オ・ジャンウン/現・水原三星)の16歳8か月。彼も当時は2種登録だった。現在インドで平川や瀬古とともに、Uー16アジア選手権に臨んでいる久保は2001年6月4日生まれ。年数にして15歳と3ヶ月だ。そのため15歳10ヶ月でJ1出場を果たし、15歳11ヶ月で最年少ゴールを記録した森本貴幸(現・川崎フロンターレ)と比較する声も多いが、当時とは事情が異なるという認識があまり広まっていない。J3はともかく、J1での出場を大々的に期待するのは時期尚早にも思われる。

一部では18歳の誕生日を迎える2019年に、前所属のFCバルセロナへの再加入が内定しているとも報じられた久保。FC東京に所属している間に、なるべくトップチームでプレーを観たいという期待も高まりそうだが、まずはUー16日本代表のメンバーとともに、来年行われるUー17W杯の出場権を獲得することが重要になる。アジアを突破し、そこから世界を目指せることは代表メンバー、今回は選ばれなかった同年代の選手にも大きな刺激になるはずだ。久保に関しても、そうした環境での成長を見守り、後日あらためてJ1デビューの期待を話題にしても遅くはない。