「3ヶ月で解約可能」なサブスクで今秋導入されるボルボのEV、C40リチャージ【動画あり】

筆者撮影

 ボルボ・カー・ジャパンは2021年3月3日、前日に本国でオンライン発表された「C40リチャージ」のデザインプロトタイプである、C40 Design Prototypeを、東京・青山にあるボルボスタジオ青山で報道陣に披露した。このモデルは世界に3台のみ存在するもので、他にはニューヨークとミラノでも展示された。

 今回、ボルボ・カー・ジャパンはこの電気自動車C40リチャージの販売を今秋に予定していると発表すると同時に、日本では2030年までに販売するモデルの100%を電気自動車にすると発表した。また同時にその前段階として2025年までに、販売するモデルの35%を電気自動車にするとも発表した。日本では現在、2030年に自動車の電動化(EVだけでなく、ハイブリッド等も含む)を目指しているが、そこからするとひと足もふた足も先の世界が提示されたような感すらある。しかもボルボ・カー・ジャパンの現在の販売における電気自動車比率は0%だから、これをあと4年で35%にするという目標はかなり高いハードルのように思える。実際、2025年の段階で年間販売目標2万5000台のうち約35%となる9000台の電気自動車販売目標が掲げられた。

 C40リチャージのメカニズムは、既に本国等で送り出されているXC40リチャージに近い。同じCMA(コモン・モジュラー・アーキテクチャ)を用いており、ここにクーペ的なルーフを持ったクロスオーバーSUVのボディを架装した。C40のCはクロスオーバーを意味する。バッテリーは78kWhで航続距離は420km、前後のモーターで走るAWDとなる。トピックとしては今回、ピクセルテクノロジーを採用した最先端のライトを採用したことや、インテリアでは本革を使うことをやめるなどもしている。またOTA(Over-The-Air)によるシステムのアップデートにも対応する他、インフォテイメントはGoogleと共同開発されたAndroidオペレーティングシステムが採用される。詳しくは動画を参照していただきたい。

 しかしながらクルマの内容以上に注目なのは、その売り方だ。まずボルボ・カー・ジャパンの販売する電気自動車はオンラインのみの対応になるという。もちろん電気自動車以外のPHEVなどは店舗でも販売されるのでディーラーが消滅するわけではないが、それでもかなり踏み込んだ販売方法といえるだろう。

 そんなC40リチャージは、今秋の販売が予定されているわけだが、当初の100台はサブスクリプションでの契約になるのだという。しかもこのサブスクリプションは車両代の他に任意保険など様々なものが全て含まれるわけだが、驚きなのは3ヶ月で解約可能という内容となることだ。電気自動車の購入に関しては、確かに慎重になる場合が多い。例えば航続距離は本当に大丈夫だろうか? リセールが悪いと聞くが大丈夫だろうか? といった心配が通常のクルマとは比べ物にならないほどある。それがゆえに各社販売には知恵を絞っており、例えば先日販売開始されたマツダのMX-30EVでは、3年後の下取り時に車両価格の55%を保証するプランを用意するなどしている。

 しかし今回、ボルボ・カー・ジャパンが提案するのはサブスクリプション。これで電気自動車を選ぶ障壁がかなり下がるといえる。しかも3ヶ月で解約可能となるならば、実際に乗って生活の中でじっくり使ってみて、電気自動車が納得の行く商品なのかを見極めることができる。

 ボルボ・カー・ジャパン株式会社代表取締役社長のマーティン・パーソン氏もこの点には自信を持っており、「我々は電気自動車の購入のハードルを可能な限り下げてご提案したい」とコメントした。

 電気自動車の販売を活性化させるための手段として、果たしてどのような結果をもたらすのか? これに関してはとても注目できる。しかも今回ボルボ・カー・ジャパンが発表したこのサブスクリプションは電気自動車の売り方の貴重なサンプルとなるばかりではない。事実、3ヶ月で解約可能なサブスクリプションを設定することは、既存の自動車サブスクリプション・サービスに対しても何かヒントをもたらすのではないだろうか?

 最近登場する新型車において電気自動車や電動車両の割合が増えていることは、新たな時代の到来を感じさせる。が、それと同時に生活の中における自動車の買い方や付き合い方においても、新たな時代へがやってきているのかもしれない。