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【新戦略?】見た目がほぼ変わらないBMW3シリーズのマイナーチェンジ

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

既に日本でも発表されたBMW3シリーズのマイナーチェンジだが、面白いのは以前のモデルとほとんど見分けがつかないことだ。

通常、マイナーチェンジ=化粧直しによる販売のテコ入れ、という意味合いが強いが、BMW3シリーズは今回、化粧直しも前後のライトのデザインをわずかに変更した程度で、その他はマイナーチェンジ前を引き継いでいる。

これは今までのデザインが高い評価を得ているため、だからであるが、それにしてもビジネスを考えた時の“ヤマっけ”のなさにはこちらが心配してしまうほどだ。

というのもBMW3シリーズが属すセグメントは激戦区。メルセデス・ベンツCクラスやアウディA4といった名車が凌ぎを削る、世界でも有数の戦場。そうした中にあって、どんな手をも厭わない策略で各社が戦いを挑む中で、BMWは今回、ある意味静観をしているような雰囲気なのだ。

最大のライバルであるメルセデス・ベンツCクラスは、昨年にフルモデルチェンジを果たし、これまでとは大きくデザインを変更し、分かりやすくスポーティかつラグジュアリーな方向を見据えた。先代Cクラスは長年このクラスの牙城を守ってきたBMW3シリーズをついにその座から引きずり下ろし、そして昨年登場した新型では大きく引き離そうとしている。

またライバルであるアウディA4も、フルモデルチェンジを果たし新型へと進化して近いうちに日本上陸を果たす予定となっている。A4も今回の新型では、さらなる質感の高さ、そしてデザインの魅力を打ち出してくることは間違いない。

そうした状況の中にあって、BMW3シリーズの微動だにしない感はある意味不気味に思える。通常ならば登場から4年が経過してライバルも新しくなったことに対して、何かしらの手を打つはず…なのに、本当にわずかな変更にとどまった。

もっとも、BMW3シリーズは中身が相当に熟成された。特にサスペンションの熟成感はさすがといった感じで、これまで以上に上質な感覚を手に入れている。また同時に、新世代の直列6気筒エンジン搭載モデルが加わるなど、クルマ好きには嬉しいニュースもある。

しかし、一般の方にとっては分かりづらいマイナーチェンジであることも間違いない。

そう考えると、BMWが今回3シリーズで展開するこの手法が果たして、今後市場でどのような販売の推移につながる、それがとても気になるのだ。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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