コスパのいい大学~偏差値40~50台私大・学部の人気化&穴場予想59校

受験会場に向かう受験生(写真はイメージ)(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

一人負けの日大、今年は逆襲か

2020年入試(一般入試)がいよいよ始まります。

今回は、偏差値40~50台前半の私大で人気化しそうな大学・学部を首都圏・関西圏でそれぞれ文系・理系別に解説していきます。

その前に、首都圏で日本大学について。偏差値40~50台前半、いわゆる中堅私大は2019年入試では志願者数を大きく増やしました。東洋大学は倍率は下がりましたが、志願者数は約7000人増加しています。志願者数(前年比約1.4万人マイナス)、倍率ともに下がり、一人負けとなったのが日本大学です。

日東駒専の志願倍率変遷
日東駒専の志願倍率変遷

※以下、志願倍率・募集人員は『蛍雪時代臨時増刊 大学受験案内号』記載の数値

※偏差値は河合塾偏差値で学科、受験方式などにより差あり

※「ー」は非公表・設立前など

※一部学部は文理融合ないし文系寄り(または理系寄り)の学科・専攻等を含む

やはり、アメフト騒動の早期収束に日大が失敗。その結果、4か月以上、「バイキング」「ひるおび」などワイドショーでネタにされ続けた影響は大きかった、と言えるでしょう。

かく言う私も、そのワイドショーに相当数出演して、田中理事長などの経営責任などを追及していました。それもあって、日大関係者は「お前が言うか」とお怒りかもしれません。

が、私が追及したのは田中理事長はじめとする経営責任であり、日大の学部教育や施設・設備について批判したことはありません。

むしろ、学部学科の特徴を掴んだうえで受験生に勧めたこともあります。

日大の経営幹部諸氏からすれば、「ワイドショーがあれほど騒がなかったら志願者数を減らさなかった」とお思いでしょうし、コメンテーターとして出演していた私にも含むところはあるでしょう。

が、私からすれば、「責任をちゃんと認めて収束していれば、日大の良さを損なわなかったのに」とすら考えます。

まあ、このあたりはおそらく平行線なのでこの辺で。

話を日大に戻すと、一般入試の倍率は2019年が3.3倍で2018年の3.7倍から落ちています。2010年代は3倍台を推移していました。

これがどういう数字か、と言えば、同じ中堅私大の東洋、駒澤、専修はアメフト騒動の影響を受けていない2018年入試でもすでに日大を上回っています。

これは、日大が他の3校に比べ、1キャンパス1学部が基本で、しかも独立性の高さが敬遠されているもの、と私は推察します。

キャンパスがバラバラの日大だが

日東駒専のキャンパスと学部
日東駒専のキャンパスと学部

表にあるように、駒澤大学は全学部が同一キャンパス。専修大学は本部のある神田キャンパスに3学部、神奈川・生田に5学部とまとまっています。東洋大学は本部のある白山キャンパスに7学部あり、他4キャンパスにそれぞれ学部があります。

一方、日本大学は16学部中9学部がそれぞれ独自のキャンパスで学びます。残り7学部は他学部と一緒のキャンパスですが、1キャンパスにつき学部数は多くても2学部。

この統一感のなさ、専門学校を統合・買収した結果など諸説ありますが、ここでは省略。

いずれにしても、統一感のなさ、2016年の危機管理学部、スポーツ科学部新設以外、学部・学科の新設で目立った動きがほぼないのが日大です。

東洋大は文系学部・低学年のキャンパスだった朝霞を白山に統合。学部新設にも積極的です。

駒澤大学は元から全学部が同一キャンパスで学部新設も進めました。

専修大学は法学部、商学部を神田キャンパスに移転しています。

キャンパスがまとまっていると、活気も出ますし、学生からすれば、選択科目やサークルなどでも選択肢が増えるメリットがあります。

このあたりが東洋、専修、駒澤の3校に比べて日大が倍率で差がついている所以でしょう。

ただ、それぞれの学部は規模が大きいですし、スケールメリットはそこまで気にする話でもない、とも言えます。

2020年入試では、アメフト騒動やスケールメリットがどうこう、という話を飛ばすほど、日大は倍率が上がるのではないでしょうか。

首都圏のコスパのいい大学/文系・偏差値50台

では、ここからは個別の大学について見ていきます。

まずは首都圏・文系学部の偏差値50未満となる10校・学部です。

コスパのいい大学・首都圏・偏差値50台(入試形式などで一部は偏差値50未満)
コスパのいい大学・首都圏・偏差値50台(入試形式などで一部は偏差値50未満)

神奈川大学法学部

寸評:1928年開設の横浜学院を前身とする名門私大。例年12月には給費生試験を全国で実施していることでも有名。2019年入試では大学全体の倍率が3.9倍(2018年3.4倍)と微増。ただ、東京の私大人気を考えれば、さらに人気化してもおかしくない。法学部は法律学科と自治行政学科の2学科。公務員養成プログラムを2009年に設け、夜間の時間帯に公務員予備校の講義を受講。元宮城県知事でコメンテーターの浅野史郎が特別招聘教授で自治行政論を担当。

杏林大学総合政策学部

寸評:杏林大学は元は医学部の単科大学。1984年に社会科学部を新設、これが2002年に総合政策学部と改称。八王子駅からバスで30分以上かかる立地の悪い、八王子キャンパスにあり、長期低落。2016年に三鷹キャンパスに移転し人気化。総合政策学部は総合政策学科1学科で5コースあり、経済コースは実質的な経済・経営系学部。政治コース、法律コースは実質的な法学部。他に福祉政策コース、国際関係コースがある。立地の良さを考えれば今後も人気が続く見込み。

産業能率大学経営学部

寸評:キャンパスは世田谷区等々力で東急線自由が丘駅から徒歩12分という好立地。小規模大学で注目は集めないが、企業出身教員が7割を占め、早い時期からアクティブラーニングに力を入れるなど教育にも熱心。横浜DeNAベイスターズや湘南ベルマーレ、横浜ビー・コルセアーズなどスポーツチームとの連携しての課題解決型授業も多い。他大学併願者向けの入学金返還制度もあり、3月11日までに手続きすれば授業料だけでなく入学金も全額返金。

創価大学経済学部

寸評:創価学会が設置。関連校の創価高校、関西創価高校からの内部進学者が多い。当然ながら創価学会員が学生の多数を占める。非・創価学会員でも受験・進学は可能。八王子駅からバスで20分という立地の悪さに加え、創価学会の大学というイメージから例年、そこまで高倍率とはなっていない。ただ首都圏私大の異様な人気化を考えれば同大もこの影響で人気化は必至か。経済学部は英語で経済学を学ぶインターナショナル・プログラムを実施。

東洋大学情報連携学部

寸評:文系科目で入れる入試もあるため文系に分類したが、学部サイトでは「文芸理融合」を標榜。1年次からプログラミングを学び、2年次に4コースから選択。うち、ビジネスコースが経済・経営系学科に近い。情報の専門家として有名な坂村健が学部長。東洋大学の本キャンパスである白山キャンパスではなく、赤羽台キャンパスで学ぶ。大教室は少なく、小教室が中心で少人数教育にこだわる。

二松学舎大学国際政治経済学部

夏目漱石が学んだ伝統校で文学部中心と思われがちな小規模校。実際に前身は漢学塾であり、国際政治経済学部は1991年設置と後発。一時は柏沼南キャンパスに分かれていたこともあり、やや低迷していた。ただ、2009年に東京のど真ん中、九段キャンパスに全学年を集約。小規模校ということもあり、地方どころか首都圏でもあまり知名度がないこともあり、倍率上昇は他校ほど極端ではない。しかし立地の良さを考えれば今後の人気かは必至。

日本大学法学部新聞学科

高校生・大学生どころか親世代でも新聞離れは顕著。それもあってか、新聞学科は人気を集めていない。学科名からすれば新聞業界のみ対象と思われがちだが実際はマスコミ全般が対象。放送、広告業界出身の教員が実習を担当し、就職先も新聞、テレビ、出版、広告などマスコミ業界が一定数を占める。新聞学科は上智大学が1936年設置でその後、早稲田、慶応義塾、明治、関西、東京などで開設も、その後、改称ないし閉鎖。現存するのは上智大学と日本大学のみ。マスコミを少しでも検討しているなら志望校に加えて損はない。

日本大学危機管理学部

2018年のアメフト騒動では「危機管理学部なのに大学の危機管理に全く対応できていない」と散々揶揄され、2019年入試では志願者数が減少した。本来は警察官、消防官、自衛官など公務員を養成する学部としてはかなり陣容が充実。他大学の公務員養成系学部・学科だと最初から職種を限定しているが、同学部は1年次は危機管理全般を学ぶ。その間に将来を検討し2年次からコース選択、という制度設計もうまい。民間企業就職への転換でも対応できるコースあり。学部名と異なり、学位は「法学士」。つまり法学系の学部。三軒茶屋キャンパスという立地も良く、2020年入試以降は人気化する可能性が高い。

日本大学危機管理学部のカリキュラム。2年次から選択できる点が絶妙(同学部サイトより引用)
日本大学危機管理学部のカリキュラム。2年次から選択できる点が絶妙(同学部サイトより引用)

日本大学国際関係学部

お笑い芸人のキャイーン・天野ひろゆきの出身。天野が高校(愛知県)でよく考えずに「東京の大学だろうから」と推薦で合格したところ、静岡県三島市の立地をあとから知ったエピソードがある。三島という立地が敬遠されがちだが、新幹線停車駅で東京までは1時間圏内であることを考えれば、それほど悪いわけではない。なおキャンパスの北口校舎は三島駅北口から徒歩1分。東京の国際系学部が軒並み人気化していることを考えれば、ここも人気化していく可能性が高い。

日本女子大学家政学部家政経済学科

女子大で経済・経営系学部はかなり少なく、首都圏で学部単位だと昭和女子大学グローバルビジネス学部(2013年設置)と跡見学園女子大学マネジメント学部(2002年設置)のみ。それと共立女子大学が今年、ビジネス学部を設置。学科・コース単位だと実践女子大学人間社会学部現代社会学科、津田塾大学総合政策学部総合政策学科などが該当。いずれも2000年代に入ってからの設置だが、家政経済学科は1964年設置で伝統あり。女子大、家政学部という学部名、偏差値55前後でハードルがやや高い、という条件からそこまで人気化していない。が、経済・経営系学部の異様な人気化を考えれば、ここももっと人気を集めてもおかしくない。個人的には、早いうちに経済・経営系学部として独立させて欲しいところ。

首都圏のコスパのいい大学/文系・偏差値40台

続いて、首都圏・文系学部で偏差値40台の10校・学部です。

コスパのいい私大・首都圏文系・偏差値40台10校
コスパのいい私大・首都圏文系・偏差値40台10校

桜美林大学リベラルアーツ学群

寸評:桜美林大学はキリスト教系大学で1966年開設。筑波大学と同じ学群・学類制を取っているが、要するに学部・学科と同じ。リベラルアーツ学群は教養系学部であり、名称の分かりにくさと町田キャンパスという立地でやや損をしている。ただ、長年のリベラルアーツ教育の蓄積があり、プロジェクト科目は20人規模の少人数教育。

国士舘大学21世紀アジア学部

寸評:学部名称から週刊誌やテレビ番組の珍名学部特集では必ず名前が出るほど独特。2002年設立で、アジア関連に特化した国際系学部。もういい加減に国際学部とか国際教養学部あたりに改称すればもっと人気化するはず。立地も本キャンパスである世田谷キャンパスではなく町田キャンパスでやや不便。ただ、他大学の国際系学部が軒並み人気化していることを考えれば、ここも人気化は必至か。

清泉女子大学文学部スペイン語学科

寸評:山手線五反田駅から徒歩10分という好立地ながら、小規模、女子大、低知名度というネガティブ要素でそこまで人気になっていない。ついでながら、文学部には地球市民学科があり、いわゆる国際系学部・学科なのに、これも学科名で損をしているような。スペイン語学科は首都圏私大だと神田外語、上智、拓殖、神奈川と同大の5校のみ。中南米のスペイン語圏と取引の多い商社、メーカーから総合職採用が近年増加中。河合塾偏差値47.5はこの就職状況を反映した数字とはいいがたい。

玉川大学経営学部

寸評:玉川大学はリベラルアーツ教育で高い評価を受けている。立地も小田急線玉川学園前駅から徒歩3分という好立地。では何が人気化を阻んでいるかと言えば、学費の高さ。経営学部は初年度納付金が約172万円で他大学に比べ40万円~60万円程度、高い。だが、学費に見合った教育を受けられると考えればそれほど敬遠するほどでもないと考える。

東京都市大学環境学部

寸評:1997年設立の環境情報学部を2013年にメディア情報学部と同学部に分割。文理融合の学部は特徴が掴みにくいことから一部の教養系学部を除けば、どこも人気を集めづらい。本キャンパスである世田谷キャンパスではなく横浜キャンパスという立地もややマイナス。ただ、設置されている環境経営システム学科は環境問題を軸とした経済・経営系学科。今後、見直されて人気化してもおかしくはない。

東京農業大学国際食糧情報学部

寸評:実質的には農業・食糧問題を軸とした経済・経営系学部。本キャンパスである世田谷キャンパス(経堂)にあることを考えれば、他の文系大学なら河合塾偏差値45.0、倍率2.5倍にとどまっているわけがない。どう考えても設置大学と学部名称から受験生が敬遠しているとしか思えない。農業系大学らしく、同学部も教員と学生が一緒に学べる研究室などを広く確保。これは他の文系大学にない特徴であり、学部生と教員、大学院生などとの距離が相当近い。これは見えざる教育効果、コミュニケーション能力の上昇効果がある。

文教大学経営学部

寸評:1980年設置の経営情報学部から2014年に経営学部が分離独立。文教大学の本キャンパスは埼玉・越谷で教育学部が看板学部だが、経営学部は神奈川・湘南キャンパス。東海道線茅ヶ崎駅からバスで25分と不便な立地で経営情報学部時代は不人気だった。が、経営学部に分離独立後は人気が上昇。さらに2021年4月には東京都足立区にある東京あだちキャンパスに移転予定(東武伊勢崎線谷塚駅から徒歩13分)。2020年入学者は1年だけ湘南キャンパスとなる。好立地移転で今後、人気化は必至。

文京学院大学経営学部

寸評:

経営学部や外国語学部のある本郷キャンパスは東大本郷キャンパスのすぐ近くという好立地。2010年の2.3倍から2019年は5.2倍と志願倍率を大きく上げているが、今後もさらに上がる見込み。女子大学が共学化によって逆に不人気となる例は多いが文京学院大学は数少ない成功例。本郷キャンパスはアクティブラーニングなどを意識したつくりになっているのも好材料。五街道を歩くだけでなく学生が自ら企画する五街道ウォークなど学生が成長できるプロジェクトを多数用意。経営学部はマネジメント専攻とマーケティング・デザイン専攻に分かれ、後者はキャラクター・アニメなどのコンテンツ制作なども学ぶ。漫画・アニメが好きだけど漫画・アニメ系学科に行くほどでない、という受験生にはちょうどいい。

五街道ウォークに参加する文京学院大学の学生(2016年・石渡撮影)
五街道ウォークに参加する文京学院大学の学生(2016年・石渡撮影)

武蔵野大学データサイエンス学部

寸評:ビッグデータなどを扱う情報系学部は新設が相次ぎ、どこも人気化している。武蔵野大学データサイエンス学部は2019年新設ながら初年度にいきなり志願倍率7.3倍となっている。2020年入学者は1年間、武蔵野キャンパス(吉祥寺駅からバスで15分)で2年次以降は有明キャンパス(東京ビッグサイトのすぐ近く)。2021年入学者以降は4年間、有明キャンパスとなる。2020年に5Gが導入され今後、さらに情報化社会となることを考えれば同学部はその一翼を担う存在。好立地化もあり、今後、さらに人気上昇となることが予想される。

立正大学地球環境科学部

寸評:立正大学は熊谷キャンパスと品川キャンパス(大崎)に分かれ、かつては1・2年次が熊谷、3・4年次が品川だった。2002年から2014年にかけて、経済、経営、法、文など主要学部が4年間、品川キャンパスとなる。そんな中、地球環境科学部は4年間、熊谷キャンパス。立地の悪さに加え、文理融合で特徴が掴めない学部名で損をしている。同学部は理系寄りの環境システム学科と地理学科の2学科。地理学科は元は文学部内にあり、「地理の立正」「地理の東大」などと称されたことも。現在も地理関連の学科としては全国トップレベルの規模を誇る。就職先も観光業界を含め各業界からの求人が多い。教育内容や就職実績を考えれば、偏差値40台・志願倍率2.9倍は相当乖離がある。

首都圏のコスパのいい大学/理系・偏差値50台

続いて首都圏・理系の偏差値50台、11校・学部です。

首都圏・理系・偏差値50台
首都圏・理系・偏差値50台

北里大学理学部

寸評:

基礎研究の理学部系統は「実学にあらず」と計算されがち。それもあってか、理系総合大学の北里大学理学部は偏差値が50台ながら倍率は2倍台と低迷。ただ、基礎研究と言っても、化学科は1962年(当時は衛生学部化学科)以来の伝統あり、化学業界中心に高い評価。物理学科も物性物理学の学生はメーカーへの就職が堅調。などの事情を考えればもっと人気化していくはず。

工学院大学 工学部

寸評:理学部系統に比べて人気が続く工学部系統だがそれでも文系学部ほど倍率・偏差値などは高くない。工学院大学は1・2年次が八王子キャンパス、3・4年次は新宿キャンパス。最初から新宿キャンパスだともっと人気化する見込み。ただ、現状でも教育内容や就職実績を考えれば、もっと高い評価を受けて当然。電気電子工学科には鉄道工学に強い教員が在籍し、鉄道ファン向けに社会人講座があるほど。

芝浦工業大学工学部

寸評:理工系大学としてはメーカーの採用担当者が高く評価する大学の一校。理工系特有の偏差値バイアス(就職実績の割になぜか偏差値は低く出る)なのか、1・2年次が大宮キャンパスという不便さが受験生から敬遠されているのか、偏差値50台。3・4年次が豊洲キャンパスという好立地に、就職実績の高さを考えれば本来は偏差値60台でもおかしくない大学。ちょうど本稿執筆中にTwitterをうだうだ見ていたところ、電子部品業界セミナーの案内があり、6社中5社が平均年収が700万円台、1社が800万円台の優良企業ばかりだった。こういうセミナーが就活シーズンともなると、連日あるほど、企業の評価は高い。

芝浦工業大学キャリアサポート課のTwitterアカウント。優良企業がズラリと並ぶ。
芝浦工業大学キャリアサポート課のTwitterアカウント。優良企業がズラリと並ぶ。

玉川大学農学部

寸評:農学部系統が全国的に不人気化。その影響を玉川大学農学部も受けている。ただ、教育力・研究力を考えれば人気が下がりすぎ。玉川大学は1930年以降、ミツバチ研究を続け1979年にはミツバチ科学研究センターを設立。布団蒸し殺法や生態系など世界的な発見に至っている。農学部内に理科教員養成プログラムを設けているのもユニーク。

千葉工業大学工学部

寸評:2010年に大学全体での志願者数は19795人だったが、2019年は90876人と4.5倍増。千葉・神奈川・埼玉の3県には日本工業、埼玉工業、神奈川工科、湘南工科などがあるが、完全に追い抜き東京の工業系私大のトップ、芝浦工業大学などを脅かすほどに。ロボット、宇宙などの分野に注力。広報戦略がうまく、東京スカイツリーに技術公開の宣伝拠点を設けている。中退率・留年率引き下げも好評。2016年に工学部を改組し、創造工学部と先進工学部が分離独立。早稲田、関西など難関大と同じ手。これを中堅以下の私大が真似すると痛々しい結果しか残らないが、千葉工業大学は結果として志願者数をさらに増やすことに成功。工学部は機械工学科など6学科構成。すでに人気化しているが、3・4年次が津田沼キャンパス(JR津田沼駅から徒歩数分圏内)という立地の良さもある。今後もさらに人気化の見込み。

東海大学海洋学部

寸評:

キャンパスは静岡県清水市に立地。立地は悪いが、海洋調査研修船などを所持することを考えれば、むしろ好立地か。理系項目で紹介しているが実際は文理融合学部で、海洋文明学科、環境社会学科が文系寄り。海洋地球科学科、水産学科、海洋生物学科、航海工学科は理工系寄り。日本は海洋国家と言いつつ、海洋を軸とする学部は私立大学だとこの東海大学くらい(学科レベルだと私立大も数校ある)。就職先も海洋・水産関連の食品メーカー、機械メーカー、小売・流通などに順調に就職。学部サイトの就職欄では水族館の就職先一覧を掲載。水族館就職はどの大学でもほぼ絶望的なのでわざわざ掲載するのは珍しい。

東京農業大学農学部

寸評:

農業系大学の雄とされる東京農業大学。かつては箱根駅伝に出場し、応援団の大根踊りが名物だった。その箱根駅伝の低迷(2015年以降は関東学生連合での参加のみ)と合わせたのか、志願倍率は2010年比で微減の3.1倍。ただ、農業一筋で高い教育力、研究力に加えて就職実績も高いことを考えればもっと人気となってもおかしくはない。ただし、キャンパスは利便のいい世田谷キャンパスではなく、神奈川・厚木キャンパス。秋の大学祭は毎年、野菜配布などがあり、近隣住民が多数参加して盛り上がる。

東京電機大学未来科学部

寸評:1907年設立の東京・神田の電機学校が前身。都心にとどまっていれば良かったが、1977年に理工学部が埼玉鳩山キャンパスに移転。1990年には環境情報学部を千葉ニュータウンキャンパスに設立し、分かりにくさから人気が低迷。2012年、東京・北千住キャンパスを開設し、現在はシステムデザイン工学部、未来科学部、工学部、工学部第二部が利用。好立地もあって、すでに人気化しているが、今後もその傾向が続く見込み。未来科学部は建築、情報メディア、ロボット・メカトロニクスの3学科。建築学科は一級建築士の受験資格に対応した長期インターンシップなども実施。

東京都市大学情報工学部

寸評:東京都市大学は旧名が武蔵工業大学で現校名には2009年に改称。情報工学部は前身が2007年開設の知識工学部で2020年に情報工学部に名称変更予定。情報系学部としては文理融合系のメディア情報学部があるが、こちらははっきりとした理工系寄りの情報系学部。学部名をわかりやすくする変更は間違いなくプラス。立地も世田谷キャンパスの好立地。

日本大学理工学部

寸評:アメフト騒動とは全く無関係なのに2018年4.3倍から2019年3.3倍と人気を大きく下げた。立地が千葉・船橋キャンパスと東京・駿河台キャンパス(学科により異なる)。千葉工業大学の躍進も影響している可能性大。日東駒専クラスの中では一番規模が大きい理工系学部(駒澤・専修は理工系学部を持たず、東洋大学工学部はやや規模が小さい)。船橋キャンパスは航空宇宙工学科などが利用する交通試験路なども併設。建築学科は「構造の日大」と建築業界内では有名。本来ならもっと人気化しているはずであり、2020年入試では2019年の落ち込みを回復するはず。

日本大学生物資源科学部

寸評:アメフト騒動の他に、全国的に不人気な農学部系統ということもあって、人気を落とした。なお、学科の一つが獣医学科であり、表記の偏差値は獣医学科を除いている。キャンパスは神奈川県藤沢市の藤沢キャンパスであり、東京農業大学農学部(神奈川県厚木市)と競合するのも痛手か。農学研究は1949年の開設以来、続けており、研究力・教育力は高い。なお、学科は獣医学科含め、基本的に理系寄りだが、国際地域開発学科は農業経済系学科でもあり、文系でも受験可能。

首都圏理系・偏差値40台
首都圏理系・偏差値40台

桜美林大学航空・マネジメント学群

寸評:2019年まではビジネスマネジメント学群にあった航空関連の学類・コース(学群・学類は他大学の学部・学科に相当)が2020年に分離独立して新設予定。なお、表記の偏差値はビジネスマネジメント学群のもの。航空会社のエアラインパイロット養成は航空大学校が中心だったが、現在は東海大学などいくつかの大学も養成コースを開設。桜美林大学もその一校で、航空・マネジメント学群フライトオペレーション(パイロット養成)コースが該当。初年度納付金は256.4万円。これに日本での寮費用(年84万円)、海外訓練時の飛行訓練費等が130万円。他に生活費等も別途必要。4年間総額で1800万円と相当高額。学生は全員が、給付型奨学金で最大200万円、給付されるがそれでも高いことは高い。ただ、パイロットの高年収や慢性的な人不足を考えれば、そう高い学費、というわけでもない。なお、航空・マネジメント学群は他に航空管制、整備管理、空港マネジメントの3コースを設置。

桜美林大学航空・マネジメント学群のサイト
桜美林大学航空・マネジメント学群のサイト

神奈川大学工学部

寸評:神奈川県内にある伝統校。都内にあれば日東駒専クラスの人気を集めていてもおかしくはない。キャンパスも横浜市にある白楽キャンパスという立地の良さを考えれば、偏差値40.0~47.5、倍率3.5倍はお買い得。総合工学プログラムは最初から学科に所属するのではなく3領域から学科横断的に学習。3年次に各学科に配属、というユニークな形態。経営工学科は経済・経営学と工学のハイブリッドで文系就職、理系就職、どちらにも転べる。

国士舘大学体育学部スポーツ医科学科

寸評:学科名の分かりにくさで損をしているが、救急救命士の養成学科。学科名だけでなく、体育系学部の全国的な低迷、公務員志望者の人気が就職氷河期ほど高くない、本部・世田谷キャンパスではなく多摩キャンパスという立地の悪さなどの悪条件が揃ってそこまで人気にはなっていない。ただ、体育系学部は元々、警察官、消防官などの公務員志望者が多い。プロ選手志望ならともかく、スポーツを続けたいというレベルの受験生なら、こういう学科で救急救命士を目指すのも手か。学内に救急車や救急車を模した実習設備などを完備。消防関連の実務家教員も揃う。

拓殖大学工学部

寸評:中堅私大グループ名の一つ、「大東亜拓桜帝国」の中で工学部を持つのは東海、帝京とこの拓殖の3校のみ。拓殖大学は工学部以外は文系学部ということもあり、工学部の影は薄い。立地も八王子国際キャンパスで高尾駅からバスで5分とやや不便。学内農園や農学部を学ぶ国際学部と連携してのスマートアグリプロジェクト、デザイン学科の学生によるアロマブランディングプロジェクトなどがユニーク。倍率・偏差値とも緩やかに上昇傾向にあるが、今後も続く見込み。

東海大学情報通信学部

寸評:「大東亜拓桜帝国」というグループ名称でもっとも損をしている(石渡調べ)大学が東海大学の理工系学部ではないか。本来の教育力・研究力を考えればもっと高い評価が出ているはず。ただし、東海大学にも問題があり、熊本キャンパスにある基礎工学部はともかく、理工系学部が4学部もあるのは乱立すぎ。特に情報系学科は理学部情報数理学科、情報理工学部情報科学科、同コンピュータ応用工学科、情報通信学部情報メディア学科、同組込みソフトウェア工学科、同経営システム工学科、同通信ネットワーク工学科と7学科の違いを受験生が把握できるわけがない。組込みソフトウェアというニッチながら携帯電話や自動車、家電製品などに固有機能を与えるコンピュータシステムを専門的に学ぶ。就職先も大手メーカーやITの優良企業などがずらり。東京のど真ん中、高輪キャンパスという好立地もあり、近年、人気が上昇中。

東京農業大学生物産業学部

寸評:農学部以上に不人気な理由はただ一つで立地。北海道・オホーツクキャンパスで4年間、学ぶ。広い北海道でキャンパスも広い。ここの人気が上がってくると、首都圏私大が激戦となっていることを示す。エミューを飼育し、その卵でどら焼きを製造。大学開発商品フェアなどでは飛ぶように売れる。

日本大学生産工学部

寸評:元は理工学部で1965年に経営工学科(現・マネジメント工学科)が分離独立する形で設立。理工学部、工学部と同じ機械工学科があり、電気電子工学科も生産工学部と工学部にあるなど、かなり似ている。ある意味、乱立状態で受験生には分かりにくいことも人気低迷の一因か。キャンパスは千葉県習志野市にあり、千葉工業大学の躍進も悪影響。ただ、志願倍率2.3倍は落ちすぎであり、2020年入試では見直しも。

日本大学工学部

寸評:日本大学は東京都内にキャンパスが集中している。理工学部、生産工学部は千葉県内で、工学部は福島県郡山市に立地。この立地の悪さから人気は長期低迷傾向にある。2019年はアメフト騒動の影響で志願倍率は2倍割れ。ただ、日大ファミリーの一員であり、設立は1949年と伝統もある。日大の広報下手もあって、注目もされていない。ここや東京農業大学生物産業学部などが人気化してくると、いよいよ受験事情は1990年代以前と同じ激戦状態に。

関西圏のコスパのいい大学/文系

続いて関西圏・文系の10校・学部です。

関西圏・文系
関西圏・文系

大阪経済大学経営学部ビジネス法学科

寸評:阪急京都線上新庄駅から徒歩15分、という立地の良さ。さらにZEMI1グランプリというプレゼン大会を全学的に開催するなどの教育プログラムが評価されて人気上昇中。2000年以前のビジネス週刊誌・大学特集ではほぼ名前が出なかったが、ここ数年、注目されるようになっている。経営学部ビジネス法学科は実質的には法学部と同じ。

大阪工業大学知的財産学部

寸評:知的財産という重要なテーマながら日本でもここだけのオンリーワン学部。2003年に設立。以降、珍名学部として揶揄されることもあって一時は人気が低迷。ただ、知的財産の専門家を揃え、知的財産関連の研究・教育もしっかり。ここ数年、人気を伸ばしている。法学部系統の変化球と考えれば、もっと人気となってもおかしくはない。

追手門学院大学経済学部

寸評:2019年末の「Fランク大学が都市部で消滅」記事を出した際、同大を中堅私大として紹介したところ、「あの追手門が中堅なわけがない」とのTwitterの書き込みがあった。表を見ればわかるが、2010年に比べ偏差値は10ポイント上昇し、志願倍率も10.1倍。データからは中堅私大でなければ何なんだ、という存在に。キャンパスは茨木安威キャンパスで茨木駅・茨木市駅からバスで20分と立地はやや悪い。ただ、キャンパスは2000年ごろから改修が進み一新。2017年にはライティングセンターを設立し、学生のレポート・論文作成をサポート。経済学部は2年次に5コースから選択。専門性を高める4プログラムも選択でき20通りの選択肢がある。さらに1部上場企業就職を目指す選抜プログラムを設けるなど内容が多彩。すでに志願倍率10.1倍と人気化しているが、今後も高い水準を維持する可能性大。

追手門学院大学ライティングセンター(同大サイトより)。日本では少なく、しかもあれこれ批判されやすい。欧米では難関大でもどこでも設置していて当たり前の施設
追手門学院大学ライティングセンター(同大サイトより)。日本では少なく、しかもあれこれ批判されやすい。欧米では難関大でもどこでも設置していて当たり前の施設

京都外国語大学外国語学部

京都産業大学外国語学部

寸評:京都外国語大学は1959年設立。京都産業大学外国語学部は1967年設立でそれぞれ伝統も実績もある。教育内容も評価が高い。その割に志願倍率4倍台はそこまで高いわけではない。関西圏は関西外国語大学が急成長し、特に航空業界志望の女子が関西外国語大学を第一志望とするようになった。その煽りを両校が受けている。それから、もともと関西大学外国語学部があるうえに、近畿大学国際学部(2016年)など競合相手が増えたのも痛い。京都外国語、京都産業とも、スペイン語の学科・専攻があり、スペイン語圏と取引の多い商社・メーカーが注目。両校は他にイタリア語、ロシア語(京都外国語は2020年に新設)の学科・専攻もあり、京都産業大学はインドネシア語、京都外国語大学はブラジルポルトガル語の学科・専攻もある。

京都女子大学法学部

寸評:女子大では珍しい法学部を2011年に設立。女子大ということもあり、志願倍率は3.0倍とやや低い。京都駅からバスで10分という好立地。女子大の強みを活かして、「女性のための法学科目」を設けるなど、法学系を志望する女子なら志望校候補としたいところ。京都のめぼしい私大が加盟するコンソーシアム京都に同大も加盟。同志社・立命館・京都など他の加盟校の科目やコンソーシアムオリジナル科目(受講は京都駅前)などを受講できるのも隠れた強み。

近畿大学経営学部

寸評:「近大マグロ」の開発から、「早慶近」などのコピー、つんくプロデュースの入学式など、何かと話題の近畿大学はすでに志願者数日本一となるほど人気化。ただ、学内に総合図書館とは別のライブラリーに英語学習施設(英語村)の新設など学生の居場所作りにも腐心するなど、人気となるだけのことはある。経営学部は4学科あり、そのうち、キャリア・マネジメント学科は人材マネジメントを専門に学ぶ。経営学に法学・社会学・統計学・心理学などが混ざった学問領域。

神戸学院大学現代社会学部社会防災学科

寸評:ポートアイランドキャンパスは神戸・三宮から20分圏内の好立地。現代社会学部は2014年設立で社会防災学科は災害関連の学科で企業・地域のリスクマネジメントなども学ぶ。今後の日本では災害対策が大きなテーマであり、大学で系統だって学ぶ需要は今後、さらに高まる可能性大。

四天王寺大学人文社会学部

寸評:かつては四天王寺国際仏教大学が校名であり、珍名特集で散々、揶揄されていた。2008年に現校名に改称。近鉄南大阪線藤井寺駅からバスで15分と立地はやや悪いが、就職拠点としてあべのハルカスにキャンパスを設けるなどしている。かつては低倍率大学だったが、2010年代後半からは中堅私大の一角に入っている。人文社会学部は学科で見る方がより正確で、文学系統の日本学科、国際学系統の国際学科、社会学系統の社会学科、福祉系統の人間福祉学科と4学科ある。

龍谷大学文学部

寸評:産近甲龍の一角で当然のように人気化。文学部は1・2年が本部のある深草キャンパス、3・4年が京都駅から徒歩10分の大宮キャンパス。文学部は7学科あり、真宗学科と仏教学科は他学科ほど志願倍率が高くない。真宗学科は学科名にある通り、真宗を深く学ぶ。仏教学科は「アジアの仏教と文化」「日本の仏教と文化」の2コースを設置。3年次に選択する。仏教を軸とした歴史、哲学に興味を持てるのであれば、他学科ほど志願者を集めない点でやや入りやすい、ともいえる。

関西圏のコスパのいい大学/理系

最後に関西圏・理系の10校・学部です。

関西圏・理系
関西圏・理系

大阪工業大学ロボット&デザイン工学部

寸評:2017年の新設。JR大阪駅から徒歩5分という好立地ながら、学部名が敬遠されたのか、まだ志願者数を大きく伸ばすまでには至っていない。ロボットとデザインという切り口から研究をする工学部系統で、3学科。ロボット工学科はそのままロボット工学を研究。空間デザイン学科は建築系学科。システムデザイン工学科はデザイン工学とシステム工学などの融合系学科。従来の機械工学、電気電子工学などのような分かりやすさはないが、こうした学科も今後増えていく。関西の理工系私大の伝統校の取り組みに注目。

大阪電気通信大学工学部

寸評:あの電通とは無関係の理工系伝統校。理工系学部しかない地味さもあって、まだ志願者数を伸ばすまでに至っていない。工学部は6学科あり、電気電子工学科は三菱電機など5社と連携した教育を展開。

関西大学システム理工学部

寸評:理工系は文系に比べ、どういうわけか偏差値が低く出る傾向あり。関西大学の場合、1958年設立の工学部を2007年にシステム理工学部、環境都市工学部、化学生命工学部の3学部に分割。システム理工学部のうち、採用担当者が採用したいと考える機電系の機械工学科、電気電子情報工学科は人気。ところが、理学系も入る数学科と物理・応用物理学科は前2学科ほどではない。数学科は他大学も含め、IT、金融、教育(数学教員)が就職の3本柱。これに理系出身者を欲しがるメーカー・商社なども含めると、就職状況は堅調。yという学科なのに、数学科だけだと全学部日程入試の志願倍率は1.8倍。学科系統の教育や就職状況などを考えれば、数学が好きなら志望校候補としたい。

京都産業大学情報理工学部

寸評:2018年の設立だが、前身はコンピュータ理工学部(2008年)で、さらにその前は工学部(1989年)だった。情報システム、脳科学など10コースから選択するが、複数コースを選択し幅広く学ぶのも良し、1コースのみで専門性を深めるも良し、どちらでも学生の選択による教育プログラム。なお、教員1人に対して学生6人という少人数教育は私立大理工系学部ではかなり珍しい。そういった点でもコスパがいい、と言える。

京都先端科学大学工学部

寸評:12月の記事にも出した京都先端科学大学。志願者数が順調とは言いがたかった京都学園大学が2019年に現校名に改称。数々の企業立て直しに高い技術力で有名な日本電産オーナーが理事長となって経営に取り組む。「大学は増えすぎ」だの「Fランク大学は潰れろ」だのネット世論から一部メディアも声高に叫ぶ中、工学部を新設する勇気にまず敬意を示したい。機電系の機械電気システム工学科のみの1学科。2020年新設であるにもかかわらず、河合塾偏差値45.0はそれだけ受験生からの期待が大きい表れ。

近畿大学農学部水産学科

寸評:近畿大学の人気を上げた要因がマグロ養殖。その水産学科を含むのが農学部。全国的に農学部が伸び悩み、近畿大学の場合、奈良キャンパスという立地もあってか、志願倍率・偏差値とも近畿大学の中にあって、そこまで高いわけではない。が、マグロ以外にも研究という点で注目されているのが近畿大学農学部。志願倍率・偏差値とも見合ったものではなく、理工系志望なら志望校候補としておきたいところ。

甲南大学知能情報学部

寸評:2008年設立の情報系学部。知能というキーワードを冠する学部が少ないこともあり、受験生からは珍名学部・マイナー学部扱い。ただ、情報系学部であり、AIロボットプロジェクトがあるなど、AIやビッグデータなどについても学べる。

摂南大学農学部

寸評:枚方キャンパスで学べる。大阪府内唯一の私立大農学部。大学サイトは「大阪府内唯一の農学部」とあるが、農学部系統では大阪府立大学生命環境科学域がある。というツッコミはあるが、龍谷大学農学部が滋賀県の瀬田キャンパスにあることを考えれば立地は相当いい。

同志社大学生命医科学部

寸評:2008年設立のバイオ・生命科学系学部。理工学部に機能分子・生命科学科があり、立命館大学生命科学部、関西大学生命工学部などと競合。将来の医学部新設を意識したかどうかは不明も「医」を冠しており、これが受験生の心理ハードルを上げている。そのせいか、志願倍率2.6倍は関関同立の学部とは思えない低さ。キャンパスはめぼしい文系学部の移転先、かつ本部のある今出川校地ではなく、京田辺校地。

大和大学理工学部

寸評:進学校の中高一貫校などを抱える西大和学園が2014年に教育学部、保健医療学部の2学部で新設。2016年に政治経済学部を開設し、2020年には理工学部を設立。2019年に3学部合わせた志願倍率は8.0倍で西大和学園の教育力の高さが評価されていると言えよう。学科は理工学科の1学科で、数理科学、情報科学、電気電子工学、機械工学、建築学の5専攻。それぞれの領域の枠組みを超えた自由なカリキュラムがユニーク。

※本稿掲載の大学は著者の取材等に基づく独断によるもので基準等があるものではありません

※志望校選定の際は大学サイト等の確認をお勧めします

※掲載校について、倍率の上昇等を保証するものではありません

訂正について(2020年1月23日10時52分)

工学院大学工学部の項目について、著者の確認ミスがありました。

「機械工学科は鉄道工学分野が強く」を「電気電子工学科には鉄道工学に強い教員が在籍し」に修正します。

工学院大学の関係者の皆様に深くお詫びします。

訂正について(2020年1月23日11時45分)

産業能率大学の部分で、「横浜ビー・コルセアーズ」を「横浜びー・コルセアーズ」と表記しておりましたので訂正します。

産業能率大学、横浜ビー・コルセアーズの関係者の皆様に深くお詫びします。

また、ご指摘いただいた片瀬様、ありがとうございました。

加筆修正について(2020年1月23日17時15分)

京都産業大学情報理工学部の部分で、「学生教員比が国立大並みで相対的にコスパはいい。そういう点を見て欲しい」とのご指摘を受け、少人数教育について加筆しました。ご指摘いただいた平#様、ありがとうございました。

訂正について(2020年1月31日10時41分)

キャンパス所在地の表部分で、専修大学ネットワーク情報学部を「情報ネットワーク学部」と表記しておりましたので訂正します。

専修大学の関係者の皆様に深くお詫びします。

また、ご指摘いただいたkajitani様、ありがとうございました。

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。2018年は肩書によるものか、バイキング、ひるおびなどテレビ出演が急増。ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。主な著書に『大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ)『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)『女子学生はなぜ就活に騙されるのか』(朝日新書)など累計28冊・55万部。

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