漫画家になるには~「半分、青い。」の漫画家志望シーンから現代事情を考える

漫画家の作画風景。デジタル化が進むが手描きにこだわる人も(写真はイメージ)(写真:アフロ)

「半分、青い。」ヒロインが漫画家に弟子入り

朝ドラは見たり見なかったりの石渡です。「わろてんか」は中盤あたりではまり、以降、全部見ることに。その続きで現在放送中の「半分、青い。」も見ています。

さて、先週(4月29日~5月5日)の放送では、ヒロイン(永野芽郁)が売れっ子漫画家(豊川悦司)のトークショーに参加。そこで縁あって、すったもんだした後に弟子入りが決まります。

今後の展開が気になるところですが、それはさておき。

漫画家に弟子入り、漫画家デビューを目指す、という展開には、漫画家志望である中高生の親・祖父母の方は気になったことでしょう。

今回は、漫画家志望の中高生はどんな進路選択があるのか、まとめてみました。

漫画家に弟子入りはかつては王道

朝ドラ「半分、青い。」では、有名漫画家に弟子入りします。

この弟子入りして、漫画家を目指すという手法、かつては王道でした。

古いところで言えば、『サザエさん』の長谷川町子は田河水泡(『のらくろ』)に弟子入りしています。

現代だと、アシスタント勤務も含めると、やはり主流と言えます。

アシスタント雇用者である漫画家が、後進を育てようとする発想だと休憩時間にネーム(絵コンテ)を見て講評することが多くあります。

この講評がなくても、プロの技術に触れられる、というのは大きなメリットでしょう。

ただ、現代だと弟子入り、というところまで行ける漫画家は相当限られます。そもそも、そんな余裕のある漫画家自体、少ないですし。

それと商業誌で描く漫画家(または同人誌で稼げる漫画家)だとアシスタントを応募することは多いです。ただし、その場合、アシスタントを任せられる技量を持っていることが前提です。

「半分、青い。」では、ヒロインがマンガの描き方がわからず、定規で線を引く、画用紙に描く、などのシーンがあります。現在だと、このレベルでアシスタントの話は相当苦しい所です。

葛西りいち『あしめし』表紙。タイトルは「アシスタントでメシが食えるのか」の略。全3巻。(Amazon画像より)
葛西りいち『あしめし』表紙。タイトルは「アシスタントでメシが食えるのか」の略。全3巻。(Amazon画像より)

アシスタントについては、『あしめし』(1~3巻、葛西りいち)に詳しく描かれています。

新人賞応募→スクール参加も

朝ドラのように、そう簡単には有名漫画家に会えない、という方も多いはず。その場合、各漫画雑誌の新人賞に応募するルートがあります。

こちらも実は漫画家のキャリアとしては主流のルート。

というのも、先ほどご紹介した弟子入り・アシスタントも、新人賞応募から始まることがあるからです。

それと漫画雑誌によっては、応募者を集めて漫画家の講演などスクールを実施するところもあります。

細かくフィードバックをする雑誌もありますし、優秀者には担当編集がついてデビューを目指す、というケースもあります。

漫画家志望であれば、新人賞に応募して損はないでしょう。

漫画がサブカルのメインから転落という大前提

弟子入り・アシスタント、新人賞応募、という主流ルート以外にも漫画家を目指す方法はあります。

それを説明する前に、朝ドラの舞台設定と現在の漫画事情について、お伝えします。

「半分、青い。」の年代は1970年代から開始。そして、漫画家志望の週は1989年~1990年となっています。ちょうど、バブルの絶頂期から崩壊に向かうあたり。

そして、当時は出版業界、特に漫画は隆盛でした。

「少年ジャンプ」だと、「ドラゴンボール」「幽☆遊☆白書」と揃い、さらに1990年からは「SLAM DUNK」も連載開始。さらに人気化。1995年には653万部を記録、ギネスにも掲載されました。

ところが、その後、人気連載が続々と終了したこともあり、現在(2017年10月~12月)では181.3万部(日本雑誌協会調べ)まで落ち込んでいます。

トップランナーの「少年ジャンプ」ですら、この状態ですから、他の雑誌はなおさらです。

漫画は今まで漫画雑誌で連載(定期収入)→連載をまとめての単行本刊行(ボーナス)という収入モデルがありました。今、この収入モデルが成り立ち、高収入を得られるのは大御所クラスの、それもごく一部です。

漫画業界の苦境は割愛しますが、「半分、青い。」に出ているような状況からは一変していることを前提条件としてご理解ください。

中高生の進路選択の前に~ネット投稿・同人誌

では、漫画家志望の中高生は卒業後、どんな進路選択があるのでしょうか。進路選択の前に考えてほしいのは「ネット投稿」「同人誌」「プロデビュー狙い」の3点です。

まず、ネット投稿について。

「半分、青い。」の時代設定である1990年と異なり、今はネットが全盛の時代。

そして、どの地方であってもネットがあれば、簡単に自分の描いた絵を投稿、公開することができます。

pixivなどはその典型でしょう。このネット投稿からファンが付くこともありますし、商業誌編集者から声がかかることもあります。

同人誌も同様です。ネット投稿と異なり、製本には費用がかかります。20ページの本を100冊印刷すると1.5万円~2万円。カラー印刷や使用する紙などによって前後します。中高生にとっては少なくない額ですし、これに同人誌即売会への参加費用、販売の手間などを考えるとなかなか大変です。

それと、ネット投稿にも言えますが、アンチファンから心無い言葉を投げかけられる(コメント投稿)ということもあります。

さらに言えば、アンチどころか、相手にされない、ということもあります。同人誌即売会だと、お金と時間をかけて製本、即売会参加費用を払っても開催時間中、ほぼ客が来ない、ということがあります。

実は私もライターになる前、今から20年も前に同人誌即売会に売り手側(サークル)として何回か、参加したことがあります。付言しますと、漫画ではなく、文章の同人誌でした。これがまあ売れず(売れるわけがない)。無関心の恐ろしさを身をもって知った次第です。

これは、文章の同人誌だったからダメ、というわけではありません。イラスト・漫画の同人誌でも同様です。

よく、超大型イベント・コミックマーケット(通称・コミケ)で、1日の売り上げが1000万円を超えた、という話があります。確かにそういう漫画家(サークル)もいますが、それはごく少数です。

大半のサークルは20冊~30冊程度売れれば上出来。10冊以下、ということも良くあります。

全く売れない、相手にもしてもらえない、という経験は中高生にはきついかもしれません。が、そういうのも経験としてはいいのではないでしょうか。

同人誌即売会だと、無理に売り手(サークル)として参加しなくても、来場するだけ(一般参加者)でもいいでしょう。

入場費は無料か、カタログ購入(500円~1000円前後)が必須。

同人誌即売会によっては、商業誌編集部がブースを出し希望者の作品を添削することもあります。特に熱心なのがCOMITIA(コミティア)。年4回、東京ビッグサイトで開催されます。2018年5月5日開催分だと118誌も参加しています。編集部への持ち込みは出版社別に回ると相当時間がかかりますが、この出張編集部だとまとめて回ることが可能。

漫画編集部を舞台にした『重版出来!』(松田奈緒子)でも、この出張編集部が登場。別の編集部でダメ出しされた漫画家志望者が違う編集部で受け入れられプロデビューしていきます。

それと、この同人誌即売会は編集者が一般参加者として来場。良質な新人発掘をすることもあります。

女子高生のアニメ制作をテーマとして「俺マン2017」1位&「ブロスコミックアワード2017」大賞となった「映像研には手を出すな!」の大童澄瞳はコミティアで月刊スピリッツの編集者から声を掛けられてプロデビューしています。

中高生の進路選択の前に~プロデビュー狙い

漫画家という職業は医師や看護師などのように国家資格が必要ではありません。作画と物語構成の能力があれば何歳からでもデビューできます。

若い時期からプロデビューする例もあり、「ちゃお」などで連載中の、やぶうち優のデビュー年齢は13歳。

同じく「ちゃお」で連載中の、ときわ藍は中学3年生(14歳)でデビューしています。

中日新聞2016年4月22日朝刊「中学生で漫画家デビュー 幼い頃からの夢を実現 「ときわ藍」さん わくわくさせたい」には、こうあります。

愛知県に住む中学生の少女が3月、少女漫画誌『ちゃお』(小学館)で念願の漫画家デビューを果たした。「ときわ藍(らん)」のペンネームで踏み出した夢への第一歩。今月県内の高校に進学し、「読者がわくわくする作品を描きたい」と意気込みを新たにしている。(岡村淳司)

ときわさんは幼い頃から大の漫画好きだった。小学三年生で、『コロコロコミック』の漫画賞に初めて投稿。このときはあいにく落選だったが、以来、暇があれば机に向かい、せっせとペンを走らせてきた。十四歳で描き上げた八作目の『アイドル急行』が昨年、新人の登竜門として知られる「新人コミック大賞」(小学館主催)の大賞を受賞。今年の『ちゃお』四月号に読み切り作品として掲載された。

(中略)

同誌で中学生がデビューしたのは、今も第一線で活躍するやぶうち優さん以来、およそ三十年ぶりだ。ちゃお編集部の担当者内田沙希さん(26)は「絵がうまいだけでなく、映画的な構図などにセンスを感じる。きちんと自己主張があり、助言したことを吸収するのも早い」と高く評価する。

(中略)

ときわさんは四月から夜間の高校に通い、都市部にある母の工房で執筆活動に励んでいる。夏ごろに『ちゃおデラックス』で次の作品を発表する予定だ。

最初からうまく行くものでないというツッコミはあるでしょう。が、プロを目指すのであれば、最初からプロデビューを目指す方がよりよいのではないでしょうか。

各編集部の漫画家志望者向けサイトも要チェック

漫画家志望ということであれば、商業誌の漫画雑誌サイトも確認したいところ。

新人賞応募や持ち込みの注意書きなどは必ず掲載されています。

雑誌によっては、マンガの描き方、お悩み相談なども掲載しています。

講談社「なかよし」サイト。道具の使い方からセリフの入れ方まで全24項目と細かい
講談社「なかよし」サイト。道具の使い方からセリフの入れ方まで全24項目と細かい

特に細かいのが、講談社のマガメガ(「少年マガジン」・「別冊少年マガジン」・「マガジンspecial」の合同)。

「漫画家への花道」欄をクリックすると、漫画家インタビューから編集者対談、作画指導、取材ノウハウまで108本(2018年5月6日現在)も掲載。下手なマンガノウハウ本より参考になります。

講談社マガメガの「漫画家への花道」サイト。108本全部読めば、もう漫画家になれる(たぶん)
講談社マガメガの「漫画家への花道」サイト。108本全部読めば、もう漫画家になれる(たぶん)

中高生の進路選択~マンガ系専門学校

漫画家志望の中高生の進路選択としては、プロデビュー以外だと、専門学校か大学のどちらかを検討することになるでしょう。

まずは専門学校から。

マンガ関連の専門学校は上記に挙げた他にも多数あります。

元編集者や元漫画家が講師であり、作画・物語構成などの技術を教えてくれるところがメリット。

それと、商業誌の各編集部とつながりがあり、講評会などを設ける専門学校もあります。

一時期は漫画家の人材供給源として大きな存在でした。現在もある程度の影響力を保っています。

ただ、マンガ関連の専門学校は現在、環境の変化や新たなライバル出現で苦しんでいます。後述する4年制大学のマンガ系学部は相当、マンガ関連の専門学校から客、もとい、受験生を奪っています。

それと、作画技術などはネットや作画ソフトの普及・高度化で必要性を感じない志望者が増えつつあります。

さらに学費が2年間で250万円~300万円程度で、けっして安くはありません。それでいて、仮に漫画家デビューに失敗した場合、民間企業の一般就職では「専門性を持たない専門学校卒」として、大卒や専門性ある専門学校卒よりも低く見られてしまいます。失敗した場合の代替進路が限られてしまうわけで、そのあたりを不安に感じる保護者や高校生は多数います。

そのため、専門学校によっては、かなり強引な勧誘をする、あるいはオープンキャンパスに保護者をシャットアウト。高校生に対して「夢に向かっていくことこそ大事」と煽ってその気にさせるなどの例もあります。そのため、高校によっては生徒の将来を考えてか、マンガ関連の専門学校(他に声優・ファッションなどクリエイティブ系全般も同じ)のパンフレット・ポスターは送られたそばから捨てる、というところもあるようです。

私としては、専門学校が年度別のデビュー・民間企業就職者の実績を公表していない以上、判断しようがありません。ただ、実績を公表しない、というのは、言い換えればできない、ということでもあり、それが全てではないか、とも考えます。

中高生の進路選択~大学・マンガ系学部

京都精華大学がマンガ学部を設立したのは2006年。2000年にマンガ学科を芸術学部に開設し、それを学部に昇格。

その後、美術系大学・学部で設置が進みます。

マンガ系学部については当初は懐疑的な見方があり、かくいう私もその一人でした。

京都精華大学マンガ学部サイト。コースも細かく分かれる。
京都精華大学マンガ学部サイト。コースも細かく分かれる。

しかし、専門学校以上に著名な漫画家や編集者が大学教員に。京都精華大学は京都国際マンガミュージアムを開設するなど、漫画研究と次世代の漫画家養成を本気で進めようとしています。

実際に、京都精華大学からは、えすとえむ(「うどんの女」)、はまのゆか(村上龍『13歳のハローワーク』挿絵担当)などを輩出。現在も、在学生・卒業生があとに続いています。

これは他大学も同じで、東京工芸大学はオダトモヒト(「古見さんは、コミュ症です。」)、佐野水涼(「気づいてシンデレラ」)など、大阪芸術大学は森下真(「Im~イム~」)などをそれぞれ輩出しています。

私が注目したのは佐野水涼さんの「T京K芸大学マンガ学科一期生による大学四年間をマンガで棒に振る」。佐野さんの卒業制作(2011年)であり、これは佐野さんのpixivで公開、ネットで話題となりました。

佐野水涼の卒業制作。単なる悪口になっていない、漫画家漫画としては名作に入る(と漫画好きとしては思う)
佐野水涼の卒業制作。単なる悪口になっていない、漫画家漫画としては名作に入る(と漫画好きとしては思う)

これをもって東京工芸大学ないしマンガ系学科が大した教育をしない、と批判される方もいます。

私はやや違った見方をしておりまして、漫画家に慣れない焦り、絶望を、実にテンポよく読ませる作品に仕上げたもの、と考えます。

どこまでが個人の力でどこまでが教育の賜物か、そこは不明です。とは言え、こういう作品を卒業制作として出せる、という時点で大したもの、と考える次第です。

4年制大学のマンガ系学科のメリットは、漫画家・編集者出身の教員による指導を受けられる点、商業誌編集者とのつながりなどは専門学校と同じです。

専門学校よりも漫画に熱い学生が集まりやすいのもメリットで、京都精華大学などのオープンキャンパスは大学近隣だけでなく地方からの参加者もいるとのこと。

それと、専門学校と明らかに違うメリットは仮に漫画家がダメだった場合でも、一般就職がどうにかなる、という点です。

就職先は出版業界に限りません(そもそも求人が少ないですし)。漫画とは無関係の業界であっても、4年制大学卒の扱いになります。漫画家がダメでも代替の進路がある、という点ではマンガ系専門学校とは大きく異なります。

ネックは学費で4年間総額が400万~600万円もする点でしょう。

中高生の進路選択~大学・芸術系学部

マンガ系学科ではなく、デザイン学科や絵画関連学科、文芸学科など美術系学部に進学、というのも選択肢です。

マンガ系学科のない美術系大学からも、

武蔵野美術大学だと、西原理恵子(「毎日かあさん」)、佐藤秀峰(中退、「海猿」)など。多摩美術大学だと、しりあがり寿(朝日新聞夕刊連載「地球防衛家のヒトビト」)、はるき悦巳(「じゃりン子チエ」)などをそれぞれ輩出しています。

そういえば、「半分、青い。」に登場する「いつもポケットにショパン」は、くらもちふさこの作品(ドラマでは、秋月羽織の作ということに)。くらもちは武蔵野美術大学造形学部に入学、日本画を専攻、漫画研究会にも所属します(大学はその後、中退)。

メリットは、マンガ系学科ほど専門性がないにしても、デッサンなど美術を学べる点。

それと、漫画家がダメでも代替進路(一般企業への就職)がある、という点です。

ネックは、マンガ系学科と違い、各学科の課題などをこなしつつ自身で漫画家を目指さなければならない点。当然ですが、芸術系学部だと学費の高さもあります。マンガ系学科と同じか、もう少し高くなる学科もあります。

中高生の進路選択~大学・文学部ほか

マンガや美術とは無関係の学部・学科に進学する、という手もあります。

漫画を構成するのは単に絵の上手さだけではありません。ストーリー展開や文章も必要。となれば文学部や文芸学科。秋月りす(関西大学文学部国文学科/「OL進化論」)、須賀原洋行(立命館大学文学部哲学科/「よしえサン」)などが文学部出身です。

子どもの目線に立つ、という点では教育学部・教員養成系学部も有効です。それと教員養成系学部だと美術教員養成の学科・専攻もありますし。みずしな孝之(東京学芸大学/「いとしのムーコ」)、江川達也(愛知教育大学/「東京大学物語」)などが教育学部出身。

社会を批評する視点も必要です。と考えれば、社会学部。いしいひさいち(関西大学社会学部/朝日新聞朝刊連載「ののちゃん」)、カラスヤサトシ(関西大学社会学部/「カラスヤサトシ」)などが社会学部出身。

学部にこだわらなくても、規模の大きな漫画研究会のある大学に行く、という手もあります。早稲田大学漫画研究会は、ラズウェル細木(教育学部国語国文科/「酒のほそ道」)、国友やすゆき(「幸せの時間」)などを輩出。

明治大学漫画研究会は、かわぐちかいじ(「沈黙の艦隊」)、いしかわじゅん(商学部/毎日新聞朝刊連載「桜田です!」)などを輩出。

明治大学漫画研究会については、マイナビウーマンでこんな記事もありました。

遅咲きで漫画家デビューという例も

漫画の作画技術などは独学で習得し、一度社会人になってから漫画家を目指す、もしくは兼業を考える、という手もあります。

わたせせいぞう(「ハートカクテル」)は早稲田大学法学部卒業後、同和火災海上保険(現・あいおいニッセイ同和損害保険)に入社。会社にもイラスト執筆を報告し、上司からは「営業成績を下げたら絵はやめてもらうぞ」と言われて(リクナビNEXT 叱ってちょーだい「趣味と仕事は違いますよね…?」)、プレッシャーを感じながら両立を続けます。40歳で退社、専業の漫画家となります。

他にも、就職(自営業含む)をしてから転身した漫画家としては、

よしたに(明治大学理工学部→IT企業システムエンジニア/「ぼく、オタリーマン。」)、東村アキコ(金沢美術工芸大学→一般企業/「海月姫」)、ひぐらしカンナ(愛知教育大学→愛知教育大学附属高等学校など/「セラピストあるある」)、荒川弘(帯広農業高校→農家/「鋼の錬金術師」)、とりのなん子(短大→漫画家アシスタント、小岩井農場など/「とりぱん」)、田中圭一(近畿大学法学部→タカラなど/「うつヌケ」)などがいます。

自身の才能とどこに価値を置くか

こうした例を並べると、「どこが進学先候補としていいか、余計にわからなくなった」とする漫画家志望の中高生(または親)の方も多いでしょう。

それがこのコラムの目的でもあります。

マンガ関連の専門学校・大学について、作画技術などノウハウから理論まで幅広く学べる、と評価する意見もあれば否定的な意見もあります。

独学で身に付く、とする人もいればそうでない人もいます。

佐野水涼さんの「T京K芸大学マンガ学科一期生による大学四年間をマンガで棒に振る」が公開された2011年には、Twitterが全盛ということもあり、漫画家や関係者が是非をめぐって議論していました。そのまとめは今でも閲覧可能ですし、下手なシンポジウム抄録よりも読ませるものがあります。

このTwitterまとめでもマンガ系学部について様々な意見が出ていました。

漫画家志望の中高生(またはその親)の方にお願いしたいのは、どれが正しいか、ではなく、どれを使うか、です。自身の才能と進学にかかる費用、そしてどこに価値を置くのか、それによって選択肢は変わってきます。

ある人はマンガ系学部が向いていますし、ある人はそうではありません。

ある人は漫画研究会が向いているでしょうし、別の人はそうではありません。

全く無関係の学部・職業を選択し、そこから漫画家デビューできる人もいれば、そうでない人もいます。

どの選択をするにしても、オープンキャンパスなどに行って話を聞き、後悔しない選択をしてほしいと考えます。

付記(2018年5月6日・20時)

「半分、青い。」が元なのに、ドラマに登場するくらもちふさこを出さないのはどうか、とのご指摘を受け、一部加筆しました。ご指摘いただいたT様、ありがとうございました。

当初、トップで使っていたアフロ社の写真について、被写体の方の許諾を得ていないことが判明。別の写真に差し替えました。ご不快に思われた方に深くお詫びします。

付記・修正(2018年5月11日)

Yahoo!ニュース個人編集部の指摘により、誤字等を修正しました。