青森の農業高校講演からふるさと納税の教育活用を思いついた件

毎年、大学パンフレットからシラバスから聞き取り取材やらで命を削っている進路ガイド『時間と学費をムダにしない大学選び』、今年も刊行できました。

私が単著で刊行した『15歳からの大学選び』(小学館)が2004年。これも含めると、12年で10冊。

こういうのを出していることもあって、高校での講演のお話もぼちぼちいただくのですが、昨年は青森県立三本木農業高校からお話をいただきまして、行ってきました。

実業高校での講演は初めてでしたが、普通科以上に元気でこちらも楽しかったです。

ここ最近、私の講演は半分ワークショップ形式(企業のグループディスカッションをやらせて発表→講評・ネタ晴らし→就活や大学生活では暗記だけでなく教養も必要云々かんぬん)なので、高校生のノリも悪いと微妙なのでかなり助かりました。

まあ、元気がなきゃ、こういうの、作れないですし。

恋するフォーチュンクッキー 青森県立三本木農業高校Ver.

三本木農業高校は、私も講演の話をいただいて初めて知ったのですが、農業高校では全国トップクラス。

農作物の評価も高く、売りに出せばすぐ売り切れるとのこと。

お土産にリンゴジュース(非売品)を頂いたのですがとてもおいしかったです。

この話を聞いて、思いついたのが、ふるさと納税の活用です。

ふるさと納税は、金の手裏剣を出すとか、宝くじプレゼントとか、どんどん過熱しています。

あらぬ方向に暴走する「ふるさと納税」の「特典返礼品」…“金の手裏剣”“宝くじ”“Tポイント”総務省「待った」

特典競争になりすぎるのも困りますが、地方を活性化させるという点では、これはかなりのクリーンヒットです。

三本木農業高校講演の終了後、先生方とこの話になったとき、かなり盛り上がりました。

高校からすれば、商品・農作物などを提供して、代わりに高校への経済支援を受けられる、というメリットがあります。

いやでも、教育機関だからあまり商業主義的になりすぎるのも、などなど座は盛り上がり、調べて返信する、とお伝えしてから半年経過(三本木農業高校の先生方すみません…)。

まずは、2015年4月時点で、ふるさと納税に参加している高校があるかどうか、調べてみました。

●北海道遠別町・遠別農業高校/5000円以上

遠別農業高校加工品オリジナルセット

内容:もち米、ラムシチュー、レトルトカレー、ソーセージなど

●北海道美幌町・美幌高校/2万円以上

美幌豚ベーコン&美幌産グリーンアスパラガスセット

内容:美幌豚ベーコン(約330g)、グリーンアスパラガス(1.6kg)

※アスパラガス収穫時期の平成27年5月~6月ごろ送付

●岩手県奥州市・水沢商業高校/2万円以上

こめんしぇとクッキーの詰合せ

内容:洋菓子20個

※焼き菓子は水沢商業高校の生徒とコラボレート

●秋田県北秋田市・秋田北鷹高校/1万円以上5万円未満

比内地鶏とししとうプレミアムカレー&ししとうチョコレート

内容:比内地鶏とししとうカレー 甘口(240g)×1箱、辛口(240g)×1箱、甘口(130g)&辛口(130g)2パック入×1箱

ししとうチョコレート マイルド×1個、超辛×1個

※秋田県立秋田北鷹高校家庭クラブがカレーを考案

※ししとうチョコレートは道の駅たかのす ぶっさん館の製品

●山形県東置賜郡川西町・置賜農業高校/1万円以上

川西産米こだわりの米ギフト

内容:つや姫 5kg、コシヒカリ 5Kg

※稲の花(コシヒカリ)は、置賜農業高校の実習田で栽培された数量限定の米

●栃木県那須町・那須高校/5000円以上

那須かるた

※かるたは那須高校生徒が作成

●千葉県銚子市・銚子商業高校/2万円以上

銚子商業高校プロデュース キャベツメロンパン

内容:キャベツメロンパン10個

※銚子商業高等学校の生徒と地元老舗菓子店のコラボで生まれたご当地パン

●富山県滑川市・滑川高校(海洋科)/1万円以上

滑川高校海洋科缶詰

内容:サバ缶など数種類全10~13缶

※滑川高校海洋科生徒が製造

●三重県多気郡 多気町・相加高校/1万円以上

お食事券(2名様分)&『まごの店スイーツ』焼き菓子セット

内容:食事券2名分、焼き菓子セット

※食事券は高校生レストラン『まごの店』での利用

●広島県世羅市・世羅高校/1万5000円以上

世羅っとしたランニングセット

内容:ランニングウォーター20本、タオルマフラー1枚

●香川県琴平町・琴平高校/5000円以上1万円未満

こんぴらカルタ

内容:カルタ

※絵札、文字札ともに琴平高校の学生が琴平の各地を訪れて制作

●佐賀県・佐賀北高校、牛津高校/5000円以上

佐賀北高書道部の書(5文字以内)・牛姫工房草木染

内容:書(色紙・5文字以内)、草木染のティッシュケースかブックカバー

※いずれかを選択

※19年連続日本一の書道部による書

※草木染は映画「ソフトボーイ」の舞台、牛津高校の生徒の作品

●大分県日田市・三隅高校/1万円以上3万円未満

三隈高校 「三隈マーケット」オリジナルセット

内容:和風パスタ「梅ぇばい」5袋、日田梨入りゼリー「かぼなしくん」10個

大分県立日田三隈高等学校商業部「三隈マーケット」による企画・開発の商品

農業高校や商業高校が参加しているのは想定の範囲内。

意外なところだと、佐賀県の書(佐賀北高校)、草木染のティッシュケース(牛津高校)、広島県世羅市の運動部グッズ(世羅高校)、香川県琴平町・栃木県那須市のかるたセット(琴平高校、那須高校)。

正直なところ、私個人が欲しいか、と言われたら欲しくないものもあります(関係者の方ごめんなさい)。

ただ、それはあくまでも私個人ということであり、高校が特定分野でブランド化しているところなら、そのグッズを欲しいという方もいるでしょう。

ブランド化まで行かなくても、評価される技術があれば、それを欲しがる方は間違いなくいます。

それで、予算の足りない高校が備品や設備、部活用のマイクロバスなどが揃うなら、高校の敬遠面からすれば大きなメリットです。

熊本県の夢教育応援分(寄付者が指定した高校に寄付の半額を配分)

という使い道は他の自治体も真似していいでしょう。

しかし、それだけでなく、高校側が自立的に参加するのもいいのではないでしょうか。

もちろん、高校は一般企業と異なり、教育機関です。

たとえば、提供する製品・農作物などは無制限というわけにはいかず、最初から数量限定で、となります。

実業高校なら実習の一環として、普通科高校なら総合学習時間など社会教育、または部活の一環として取り組むことになるでしょう。

それから、ふるさと納税、地方自治体の特典がやたらと注目されていますが、実は寄付者が居住する自治体への寄付も可能です。

すでにふるさと納税に参加している高校や、それ以外の自治体得点を見ても、別に農作物・製品にこだわることはないんですよね。

場所の提供とか、サービスだっていいわけです。

というわけで、不肖・石渡、勝手に全国の高校から特典を設定してみました。題して、「勝手に作った高校のふるさと納税特典」。

あくまでも石渡の勝手な空想(妄想?)ですので、念のため。

●青森県十和田市・三本木農業高校

・農作物セット/1万円以上

・乗馬トレッキング体験・初心者コース50分(2人分・馬術部による指導付き)/3万円以上

・生活科学科による「あなたの店(家庭)のメニュー開発」(1回分の食材提供付き)/20万円以上

・環境科学科による「あなたのお庭をプロデュース」/50万円以上

【寸評】農作物セットは他でもやっているので省略。乗馬体験は、馬術部があって、広い馬場もあるので可能のはず。

北海道新冠町が2万円以上で1人分・50分コースを用意。

高校で設備が乗馬クラブに比べれば弱いのと、観光客に来てもらうことを考えて、寄付金額設定は新冠町より低めで。

「メニュー開発」は2014年12月、青森県内限定発売でローソンから「三農の恵み弁当」を開発・販売しているので可能。

飲食店だけでなく、個人家庭でも行けるはず。

「庭プロデュース」、庭の広さにもよるが、そこそこ広い家だと1回20万円前後かかるので、寄付額50万円(寄付者の実質負担は10万円)なら引き合いはあるはず。

庭の広さ、申込可能エリアなどは限定する必要あり。

●北海道音威子府町・おといねっぷ美術工芸高校

・手づくり工芸品セット/1万円以上

・4段チェスト/5万円以上

・オーダーメイド総無垢学習机セット/30万円以上

【寸評】工芸品は文化祭でも販売しているので、すぐできるはず。さらに工芸製作技術を生かして、4段チェストやオーダーメイド楽手机なども提供を。

●宮城県塩釜市・塩釜高校

・段ボール製作ガンダム(4メートルモデル・送料別)/100万円以上

【寸評】毎年9月の文化祭で展示されている名物、段ボールガンダム

これまでは、近隣の幼稚園・小学校などに寄付していたようだが、ふるさと納税で限定1体を特典に。

寄付額は強気に100万円で。

製作の手間を考えれば、寄付額100万円でも安い?

●東京都台東区・岩倉高校

・鉄道シミュレーション体験(2人または1家族分・60分指導付き)/3万円以上

【寸評】日本で2校しかない鉄道高校の施設を生かしたシミュレーション体験。

鉄ちゃんのいる家族なら、3万円くらいは軽く出す。

●愛媛県上島町・国立弓削高等専門学校

・練習船弓削丸で行く、しまなみ海道1日クルーズ(2人分)/8万円以上

【寸評】練習船弓削丸を使ってしまなみ海道をクルージング。

船の定員が56人なので、定員は30~40人くらいか。

出発地は松山・今治・尾道あたりにしておいて、到着地は学校所在地の弓削島か、因島にしておくと、宿泊で外貨も稼げる算段に。

●茨城県大洗町・茨城県立大洗女子学園高校

・戦車道体験(1人分・60分)/5万円以上

【寸評】あの戦車道で奇跡の全国優勝を勝ち取った大洗女子学園高校戦車道部が、戦車道に興味ある方にも徹底指導。

西住流の真髄を知りたければ大洗女子学園高校へ来たれ。

……。

…………。

ただでさえ、架空シミュレーションであるのに、最後の最後は、アニメネタでした。失礼。

まあ、戦車道体験は妄想の域にしても、実際に大洗町は「ガールズ&パンツァー」ファンであふれています。

製作陣も大洗町とのコラボに積極的だし、関連グッズ(なんだったら限定もの)を出すのもありか、と。

まあ、これは、今回の話とは別なので、この辺で。

ところで、ふるさと納税の高校活用、これ、高校以上に大学でもやろうと思えばできますよね?

というわけで、妄想激しい石渡、大学編もまとめました。これは次回に。

追記:三農の先生、実現の暁には、リンゴジュースなどお待ちしております。

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。2018年は肩書によるものか、バイキング、ひるおびなどテレビ出演が急増。ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。主な著書に『大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ)『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)『女子学生はなぜ就活に騙されるのか』(朝日新書)など累計28冊・55万部。

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