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就活相談32・エントリーシートで落ちやすい傾向は?

石渡嶺司大学ジャーナリスト

質問:エントリーシートで落ちやすい傾向があれば教えてください。

自己PR過剰症候群、箇条書き、マーカー・蛍光ペン、主な設問の回答が半分程度、添付資料などがありますが、それぞれ、他の質問項目でお答えします。

それ以外だと、「誤字脱字の多さ・事実誤認」、「ガクチカで抽象表現」、「一発芸」の3点くらい。

1点目、「誤字脱字の多さ・事実誤認」。

これは他でも書きますが、1か所くらいならまだしも、何か所もあるようだとアウト。

「愛媛銀行」なのに「愛姫銀行」。

「リクルートキャリア」を受けているのに「リクルート」。

「キヤノンファインテック」が「キャノンファインテック」、「阪急阪神百貨店」が「阪神阪九百貨店」とかね。

この辺にしておきますが、あんまりにも多いと、「就活なめてるのか、こいつは」と落ちる確率が高くなります。

2点目の「ガクチカで抽象表現」。

まあ、自己PRや志望動機はある程度の抽象表現を使わざるを得ません。

しかし、「学生時代に頑張ったこと」、通称「ガクチカ」で抽象表現を使うと意味不明です。

意味不明なエントリーシートは落ちる、これ試験に出ます。

たとえば、

「学生時代、入学当初に未熟だった私は視野を広げる努力をしました。その結果、多くの友人に恵まれましたし、社会情勢を広く知ることができました。大学の先生とも楽しく話をできる能力は御社でも生かせると思います」

何を言いたいのか、さっぱり理解できない、そう思いません?

これを書いた学生、実は大学広報誌スタッフ、2年連続で大学パンフレットの表紙モデルとなった方でした。

それ以外でも、ゼミで一生懸命頑張りました、という学生でも、サークル・アルバイトネタでも何でもいいのですが、上記の例のように、本人以外は言いたいことが理解不能、というガクチカをよく見かけます。

学生のいい部分を自分の手で殺しているわけで実にもったいない。

他人にもわかるように書くことが大切です。

3点目の「一発芸」、これは長く書くべき欄を短く書くことを指します。

「僕は使える男です!」

「よくわかりませんが、頑張ります」

「詳しくはWEBで」

これ、深夜のバラエティ番組にあるクイズならこのようなボケた回答でも許されるのですが、エントリーシートではアウト。

単に、「設問の指示を守らず、回答できていない学生」と判断されて、即刻ゴミ箱行きです。

※『300円就活 面接編』(角川書店・オリジナル電子書籍)より引用

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2024年7月に『夢も金もない高校生が知ると得する進路ガイド』を刊行予定。

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