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就活相談11・IT企業ってブラックばっかりですよね?

石渡嶺司大学ジャーナリスト

質問:ITってブラックばっかりですよね? 会社説明会の案内が来たのですが、ちょっと怖くて行く気になれません。

回答:IT業界はブラック業界と思われがちですし、そうしたノンフィクションや小説も出ていますが、今となっては微妙なところですね。

ベンチャー企業ならいまだに残業が100時間、200時間超えて当たり前という社も多いです。

が、一定規模以上あって、東証1・2部あたりの上場企業だと、コンプライアンスの問題、そして社員の定着のために、残業時間は抑制する方向にあります。

ITイコールブラックと決めつける方が多いですが、昔はともかく、今はちょっと決めつけすぎて実情を把握していないと思います。

質問:『うちの会社ブラック企業ですかね?』を読みました。どの業界、どの企業もブラックばかりで就活する気をなくしたのですが、そんな僕にアドバイスをお願いします。

回答:『うちの会社ブラック企業ですかね?』(恵比須半蔵・ichida、彩図社)はかつて『週刊SPA!』で連載していたお仕事漫画を書籍化したものです。

面白いので、私も好きですが、これを読んで、ブラック企業ばかり、と考えるのはちょっと危険ですね。

同書では、働き方や労働時間の長さがブラックなのか、顧客対応がブラックなのか、それもひっくるめて「ブラック」としています。

たとえば、後者だと、MRなんかが掲載されていますが、大手製薬メーカーだと平均年収は800万円前後。サラリーマン平均年収が411万円ですから倍近くもらえることになります。これをもって、ブラック企業と感じる人はそこまで多いでしょうか?

製菓メーカーの営業が警察官に児童への声掛け事案で職務質問されるエピソードもあります。が、製菓メーカーの営業と警察官なら営業の方がはるかに好き、という人だっています。

この漫画については、ゆるーく、「なんか仕事って大変だね」と笑う分にはいいですが、深刻にどの職がダメか、など考えだすと、ちょっと違う気がしますね。

※『300円就活 準備編』(角川書店 電子書籍)より引用

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2024年7月に『夢も金もない高校生が知ると得する進路ガイド』を刊行予定。

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